布マスクに見るジェンダー考
4月5月、マスク不足の時期に、マスクを作って販売した。
始めは、不織布のマスクが買えなくなったので、家にアホほどある布で自分のマスクを作った。
そうしたら、あらそれいいわね、自分で作ったんだよ簡単だよ、えー縫物はちょっとムリなので売って、ということになったので、作って売りました。
大き目サイズ、子供用なども含め各サイズ売ってみて思ったこと。
大き目サイズ、子供用でも男児のものは、本当に柄が選ばれる。
大き目サイズは多くは成人男性が買っていると思われ。
かわいいやつ、ちょっとでも子供っぽい印象がある布で作ったマスクは売れ残る。
あまりのマスク不足に最終的には売れていたけど。
子供サイズでも、「男の子用の色はありませんか?」と聞かれたり、かわいいのを付けていると学校で馬鹿にされてしまうので…みたいな話を聞いたりした。
あらゆるシーンで男性として馬鹿にされそうなものは避けて生きている、ということなのか。
マスクの柄ですら。
子供ですら(気にしているのは親かもしれないけど)。
まわりにあまりに気にしていない人ばかりなので、世の中がそういう場所だったことをすっかり忘れていたよ。
こりゃ大変だ。
「何だお前、女みたいだな」という罵倒を聞いたことがあるな、確かに。
ええー、この罵倒語、全方位に失礼じゃないですか?!(いまさら)
私のいとこで色白でフェミニンな感じの人がいるのだが、親戚一同集まると、あいつはあれだから(オネエを表すしぐさとともに)と言われ、さんざんいじられていて、当時はよくわからなかったけど、最低だな、と今になって思う。
中くらいサイズのマスクは、多くは成人女性が買っていると思われ、こちらはありとあらゆる柄がバンバン売れるので、こちらも派手なのを作るのが楽しくなって、オラーこの柄はどうだー!うわー売れたー?!みたいになっていたので、こちらの自由度の高さと対照的であった。
そしてまたも、矢野顕子の「ラーメン食べたい」の歌詞を思った。
”男もつらいけど女もつらいのよ
ともだちになれたらいいのに”