バンコクマダム連載コラム『タイ生活』より  第7話・・・「バンコクマダム」

バンコクマダム誌にコラムの連載が決まった時、私はフェイスブックでバンコク内外の友人に
「バンコクマダムにコラムを書かせてもらうことになったから毎月5日の発行日には忘れずに読んでね。日本でもウェブ版で一月遅れでバックナンバーが読めるから読んでね。」と一人でも多くの読者を獲得しようと宣伝した。せっかく書かていただくのに誰も読んでくれなかったら悲しい・・・

その甲斐あって友人たちから色んな反応をいただいた。
一番多かった反応が、
「なんでよりにもよって『バンコクマダム』やのん?笑えるーっ。」と私のイメージと全く違う「マダム」と言う言葉を誌名にもつバンコクマダムに連載されることにウケる友人多数。
まっ、これは仕方ない。
一般的にもたれている「マダム」のイメージと私はどう考えても一致しない。

ところが、びっくり情報。
何を隠そう、私はある場所で「マダム」と呼ばれている。
タイの人が外国人女性を呼ぶ時の呼び方としてではなく、このワタシ個人を表す言葉として!

毎朝、自宅近くの朝市に食材を調達に行く。そこでいつもローティー(小麦粉を伸ばして焼いたパイみたいなもの)を買う。このローティー屋さんのおばさんが私のことを「マダム」と呼ぶのだ。

このおばさん、毎朝暗いうちにバで一時間も掛けてやってきて6時前からローティーを売っている。
タイ国歌が町に流れる8時(タイでは毎日朝8時と夕方6時に国歌が流れる。)には、いつも完売。
安く、丁寧な仕事をするおばさんのローティーは大人気なのだ。
いつも身綺麗にしていて笑顔を絶やさず話好き。
でも、他人の悪口を言うのを聞いたことがない。

おばさんは、イスラム教徒のタイ人で、若くして結婚したものの、夫は奥さんと子供を捨てて他の女の人の所に行ってしまった。
おばさんは、このローティーを売って息子を大学まで出した。息子が就職し、月給をもらうようになると「お母さんには苦労を掛けた」と、その一部を毎月渡してくれる。息子は、自分たちを捨てていったお父さんにも少しだけど毎月仕送りしている。「お母さん、怒らないで。僕にはお父さんだから・・・・・」と。

そんな身の上話や世間話をローティーが焼けるのを待つ間にしている。
ローティーのお馴染みさんたちが、おばさんにならって私を「マダム」と呼ぶのでこの界隈で私は「マダム」になってしまったのだ。
「マダム」と呼ばれる度に心の中でいつも「えっ・・・」とちょっと困っているのだけど。


そして、もう一つの反応。
筆者紹介に描かれている似顔絵が「ぜんぜん似てへんやんかー」と友人たちに大好評!
似てたら大変、ハズカシイ。笑



❁お読みいただきありがとうございます。❁
これは、タイのフリーペーパー『バンコクマダム』に2013年から連載させてもらっているコラムをちょこっと編集し、まとめておきたくて書き留めています。


思う存分サポートしてやってくださいっ。「よ~しっ!がんばるぞ!」という気になってもっとがんばって書きます。