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三輪勝恵さん死去

◉自分の一番古い記憶は、カリメロ。優しげな少年役の声が、印象に残る声優さんでした。『パーマン』の1号須羽ミツ夫役や『怪物くん』第二期の市川ヒロシ役、『オバケのQ太郎』の大原正太役など、主役や準主役級の少年役も多く、藤子不二雄作品の常連でしたね。もちろん、少女役も『あさりちゃん』の浜野あさり役や『じゃりン子チエ』のヒラメちゃんなど、幅広くこなされていました。元々関西出身だったので、関西弁も自然でしたし。キャリアが長いのですが、80歳は意外と言うか。黒柳徹子さんや大山のぶ代さんと、同世代のイメージが在ったもので。

【声優の三輪勝恵さん死去 「あさりちゃん」「パーマン」の主人公役務める】産経新聞

 人気アニメ「あさりちゃん」の主人公、あさり役で知られる声優の三輪勝恵(みわ・かつえ)さんが6月19日、急性肺塞栓のため死去した。80歳。大阪府出身。告別式は家族葬で行った。

親しみやすい声で少年から大人の女性まで幅広く演じ、「パーマン」のパーマン1号役のほか、「カリメロ」のカリメロ役、「オバケのQ太郎」の正太役などを務めた。

https://www.sankei.com/article/20240701-KQITXJ5AD5II7KK4WJWCFCO66U/

自分らの世代ですと、パーマンのアニメ第二期の印象が強く。パーマン3号ことパー子役を努めた増山江威子さんが亡くなったと思ったら、1号の三輪勝恵さんまで。2号のブービー役の大竹宏さんも2022年に亡くなっておられ、4号のパーやん役の肝付兼太さんも2016年に、滅多に出てこなかった5号のパー坊の白石冬美さんも2019年に、それぞれ亡くなっていますから。思い出深い第二期のメンバーが、全員鬼籍に……。初代パー子役の栗葉子さんはご存命ですが、初代パーやんの加茂喜久さんも亡くなっており、昭和の時代を作った声優たちが、どんどん去っていきます。原作者の藤子先生も、F先生もA先生も去っておられます。

個人的には、『パーマン』という作品が、けっこう好きで。特に、主人公の須羽ミツ夫とパー子の正体の星野スミレとみっちゃんの、微妙な三角関係が面白くて。ミツ夫はみっちゃんが好きで、でもみっちゃんはパーマンが好きという三角関係と、パー子はミツ夫が好きで、でもミツ夫はアイドルの星野スミレが好きという、非常によくできた人間関係で。星野スミレ自体は、ドラえもんにもゲスト出演し、そこで修行のために地球を去った1号への思いを語っていて、同じ作者の別作品がクロスする構造の面白さも、当時としては衝撃でした。三輪さんが演じるミツ夫の自然な感じが、自分らの世界と地続きな感じがして。

主役級はもちろん、主役の友達ポジションが多かったのも、その普通な少年らしい声が、友達としての雰囲気を醸し出されていたからか。パーマンでは、コピーロボットと本人と、二役をやっておられましたが、コピーとの会話も自然でしたね。あさりちゃんでは、正確が強烈なお姉ちゃんとお母さんのキャラと、どっちかといえば振り回され役で。これは、ヒラメちゃんもそうですが。受け身のバディ役も、上手かったのですね。藤子不二雄作品の印象が強いですが、『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』や『ユニコ 魔法の島へ』など、手塚作品でも活躍され。ほんと、黎明期を支えた名優でした。

ヘッダーは、三輪さんが主題歌を歌われたパーマンのオープニングの「手と手 ココロとココロ つないでみんなで 飛ぼうよ あの空へ」をイメージして、青空の写真を選びました。
三輪勝恵さんの御冥福をお祈りします。合掌


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