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松阪市で救急車有料化

◉前々から書いていますが、自分は救急車の有料化には、以前から賛成です。いや、大賛成です。東京都内でも、一人で何十回も呼んだ人間が問題になりましたが。自分は人生で、3回救急車に乗っていますが、7700円は妥当な額だと思いますよ? 最初は交通事故、二度目は尿管結石ですが、原因が分かれば笑い話ですが、そのときは死ぬかと思いましたし。三度目は柔術の試合中の骨折。どれも、1万円払っても惜しくないほど、救急隊員の皆さんには、感謝しています。

【救急車“有料化” 入院なしなら7700円 「出動限界」三重・松阪市が導入へ】テレ朝ニュース

 三重県松阪市は、救急車で搬送されても入院に至らなかった場合、7700円を徴収すると発表しました。有料化の背景には何があるのでしょうか?

■松阪市「出動件数がこれ以上増えると限界を超える」
 53歳の女性が自宅のテレビの配線がうまくいかなかったため、救急隊にやってもらおうと消防署に電話したという例や、34歳の女性が新聞紙で右手の中指を5ミリほど切ってしまったため、救急車を呼ぼうとした例もありました。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/900001323.html

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、

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■ケチの失態は行政の責任?■

アメリカで、世界恐慌のきっかけになったと言われる、伝説のケチばあさんがいます。名前はヘティ・グリーン、別名〝ウォール街の魔女〟です。彼女は当時、1億ドルの資産を持つ世界一の金持ちでありながら、息子が脚に怪我したとき、仕方なく病院に連れていきますが。なんと貧乏人のフリをして治療代をタダにしてもらおうとします。もちろん、ばれて正当な治療費を請求されてしまいまが、逆ギレして支払いも治療も拒否。結果、怪我が悪化した息子は、片足切断の羽目に。

有料化に反対する人の意見は、いつもワンパターンで。「有料化されたら、呼ぶのを躊躇して死ぬ人が出る」と。そんな馬鹿な擁護を平気でする人は、このヘティばあさんを「病院が無料で見てくれなかったから息子さんは片足切断になった」と庇うようなものです。世界一の小金持ちだったら「馬鹿なことやってらぁ」と解るのに、救急車だと思考停止。いいじゃないですか、7700円をケチって死ぬ人は、そういう人です。行政のせいですか? 違いますよね、本人のせいですよね?

生活保護をもらってる人間は、当然ながら無料ですし。病気を放置して死ぬ人間はヘティばあさんと同じ、伝染病以外は自己責任です(伝染病は本人以外にも他人にも迷惑をかけるので)。世界一のお金持ちでも貧乏人でも、同じ自己責任です。そういう情緒論を振りかざすより、もうちょっと具体的で実行力の有る提案をすればいいのに、素人のおバカな情緒論を、わざわざ報じる。そんなことばっかりやってるから、旧メディアは見放されるんですよ。

■有料化ではなく選定療養費■

ちなみに、このテレ朝ニュースがダメダメなのは、有料化ではなく選定療養費であることを、曖昧に報じている点。まさに上岡龍太郎さんが言うところの「日本のメディアにはヒューマニズムがない。人間愛がない。なのに妙なセンチメンタリズムだけがあり、悲惨さを楽しもうとする」の、典型的な記事です。現実には救急車の頻回要請で、失われるかもしれない命があるのに、情緒論のセンチメンタリズムで、塗りつぶそうとする。この記事がなぜダメか、スマートFLSHの記事を読むと、解ります。

【「ルール明文化して!」救急車有料化 “はじめの一歩” であふれる賛否…三重県松阪市で「救急搬送されて入院しない場合」7700円徴収】スマートFLASH

 1月19日、三重県松阪市は、市内の3病院に救急搬送された患者のうち、入院に至らなかった患者から7700円を徴収すると公表した。同日、地元紙「夕刊三重」が報じた。
(中略)
 いったいどういうことなのか。救急車は有料化されるのかされないのか、松阪市の健康福祉部健康づくり課に聞いた。

――今回の動きは、救急搬送が有料になるということでしょうか?
「『選定療養費』を徴収するということで、救急搬送が有料になるということではありません。

https://smart-flash.jp/sociopolitics/270541/1/1/

2016年の健康保険法改正によって、200床以上の地域医療支援病院は、他の医療機関からの紹介状を持たない初診患者から診療費とは別に選定療養費として、7000円以上を徴収することが、義務づけられているとのこと。ようは、地域の総合病院にかかる場合は、とっくに請求されていたわけで。今回の7700円は、すでにある事例を元に、決定されてることなんですね。こういう、重要な部分を伝統ある主要マスコミが取り上げず、写真週刊誌が丁寧に取材する。どっちがレベルが高いか?

日本のマスコミは、例えば緊急搬送でも、病院の側が受け入れ態勢にないからと治療を断念しても、「受け入れ拒否」とか平気で報じますよね? そうすると、本当は受け入れられたのに病院が利己的な理由で拒否した、みたいなニュアンスが出るわけで。それって、仁藤夢乃一般社団法人Colabo代表が、安倍総理暗殺を揶揄する感想を「自業自得」とデイリースポーツに要約されたことより、よほど内容と乖離しているでしょうに。いい加減にしろ、と思います。

■救急車の頻回要請者の問題■

現実の救急車の利用は、酷いもんです。記事にある、自宅のテレビの配線がうまくいかなかったため電話した例や、新聞紙で右手の中指を5ミリほど切って呼ぼうとした例とか、馬鹿な理由で呼んだやつは逆に、7万7000円の罰金をとってもいいぐらいです。というか、有料化以前にアホな呼び出しには罰金化のほうが、有効かもしれませんけれどね。でも、金を払ってでも呼び人間がいるんですよね。それが、救急車の頻回要請者の問題です。

【救急車の頻回要請者、平均年60回、多いと200回 8割以上が精神疾患の既往あり】メディカルトリビューン

 救急車の出動件数は現在増加の一途である。一方で、重症度や緊急度が低いにもかかわらず救急車を頻回に要請する特定の個人による事案が増加しているという。東京都医師会救急委員会委員で日本医科大学大学院救急医学分野教授(同大学病院高度救命救急センターセンター長)の横田裕行氏は、東京都における救急頻回要請者の実態調査の結果から、年間30回以上の頻回要請者の平均年間要請回数は約60回で、多い人は年間200回、そのうち8割以上が精神疾患を既往していたことなどを第20回日本臨床救急医学会(5月26~28日)で報告した。

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0602508834/

けっきょく、こういうのは心の問題で、論をすり替える人が避ける部分ですが。松阪市で200回も呼んだら、7700円✕200回=1540000円。これも、本人が払いたいなら、154万円を払うしかないでしょうね。有料化を批判する人は、こういう人間のせいで、下手すれば救急車が間に合わなくなって死ぬ人を生む可能性には、思いを致さないんですよねぇ。ためにする反対だから、そういう部分に思いが至らないんですよね。

そう、能登半島地震でパラシュートで物資を投下しろとか、空挺団を投入しろとか、全国のフェリーを借り上げろとか、全国のキャンピングカーを徴用しろという バ カ と同じです。実際の運用をまったくわかっていない、素人意見。自宅のテレビの配線がうまくいかなかったため救急車を呼ぶのを牽制されると、そんなに困るんですか? 言論の自由はありますが、そういう情緒論ではなく、現実を見ましょう。あなたが救急車を呼ぶとき、まともな判断力がない人のせいで救急車が出動中で、間に合わなくなる可能性を考えませんか?

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