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慰安婦訴訟の逆転勝訴雑感

◉ちょっと間が空きましたが、韓国での元慰安婦らによる控訴審。主権免除という国際ルールを踏みにじった判決で、原告の側も戸惑う珍判決ですが。これは、韓国側の仕掛けですかね? 日本に歩み寄る姿勢を見せつつ、適度に揺さぶりをかける。大統領が絶対的な権限を持ち、司法がそれに追随する韓国の文化的な風土では、大統領府の意向を無視して、司法が暴走するのは難しく。そう疑わざるを得ない面はあります。

【元慰安婦勝訴、日本は賠償応じない姿勢 日韓関係「障害にならない」】朝日新聞

 旧日本軍の元慰安婦らが日本政府に損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、韓国のソウル高裁が23日、元慰安婦らの訴えを認めた。改善に向かう日韓関係への影響は限定的とみられるが、歴史問題が懸案として残っていることを浮き彫りにしたかたちだ。

 原告の一人、李容洙(イヨンス)さん(94)は逆転勝訴の判決を受けて支援者らと喜び合った。原告のうち元慰安婦の生存者は李さんだけ。「日本は心から謝罪し、原告らに法的な賠償をすべきだ」

 日本との連携を重視する韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)政権は判決を精査しつつ、当面は静観する構えだ。野党が今後、政権の対応を批判する可能性もあり、政権としては世論の反応を注視するとみられる。

https://www.asahi.com/articles/ASRCR6T2LRCRUHBI023.html

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、

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■主権免除の例外?■

産経新聞の報道では、《判決後に開かれた会見で、今後の手続きを問われると、原告側代理人の李相姫(イ・サンヒ)弁護士は検討が進んでいないことを明らかにし、こう漏らした。「勝訴するとは思っていなかったので…」。》とのこと。朝日新聞は、有料部分で、こういう重要な部分を報じているんですかね? 報道機関としては、産経新聞が原告の論理構成や取り巻く状況など、詳しく報じていて、しかも無料。報道機関としての差が、明確ですね。年齢詐称疑惑が韓国からも出ていて、尹美香前代表が怪し経歴に言及した李容洙さんの声を、伝える必要なんかあるんですかね?

【慰安婦訴訟で日本逆転敗訴 原告「勝訴するとは思わず…」 日韓関係影響は限定的】産経新聞

 国家同士が互いの主権を尊重し、他国の裁判には服さないとする「主権免除」は国際法上の原則とされる。国際司法裁判所(ICJ)は、武力紛争下の違法行為に対しても主権免除が認められるとの判断を示している。

 これに対し、今回の高裁判決はロシアの侵略で殺害されたウクライナ国民の遺族が提訴し、ウクライナ最高裁がロシアの国家賠償責任を認めたケースなどを挙げ、主権免除の例外は「多数確認される」と指摘。原告団も「主流ではない」と認める論理構成で、原告逆転勝訴の結論を導いた。

 日本政府資産の差し押さえや現金化手続きは、ハードルが極めて高い。別の元慰安婦らが勝訴した同種訴訟では、資産目録の開示を命じた書類の受領を日本側が拒否。裁判所は「書類送達の方法がない」として原告の請求を却下し、手続きが事実上ストップした。

https://www.sankei.com/article/20231123-LL6ZOTBLBVOX7AIJUZQLVNVWOU/

比較すれば、一目瞭然。重要なのは、《今回の高裁判決はロシアの侵略で殺害されたウクライナ国民の遺族が提訴し、ウクライナ最高裁がロシアの国家賠償責任を認めたケースなどを挙げ、主権免除の例外は「多数確認される」と指摘。》の部分。ロシアの侵略と日本の日韓併合を、同一視する強引な解釈なんですが。武力紛争下の違法行為もなにも、日韓併合は当時としては、国際社会に認められた、合法的なものです。要するに、戦後韓国の日韓併合無効論に、迎合した判決ですね。それを主張しているのは、北朝鮮も同じですが。

■国際政治の駆け引き■

60年安保が燃え盛っていた頃、岸信介総理大臣は、その激しい学生運動を逆に利用して、アメリカに地位協定の改善を要求し、妥協を取り付けたわけで。乱世の奸雄タイプの政治家らしい、一筋縄ではいかない駆け引きですが。尹錫悦大統領も、日本との関係改善は急務ですが、なんでもかんでも日本に都合がいいことをやっていては、舐められる面があります。なので、こうやって交際で逆転判決を出させ、自分でなければ韓国司法の暴走は止められないと、存在感をアピールするのは考えられますから。

で、大法院(韓国の最高裁)では再逆転で、やっぱり主権免除の例外とは認められないとか、判決が出る。予定調和でしょう。警察の取り調べで、脅し役の若い刑事と、なだめ役のベテラン刑事の連携プレーで、犯人を落とす手口。これは、朴正煕大統領も使った手法ですから。この件に関しては、文化放送『おはよう寺ちゃん活動中』のアフターでも、内藤陽介先生が、言及されています。さすが、わかりやすく要点をまとめておられて、わかりやすいと思います。

もちろん、文在寅政権時代の残滓が、まだ韓国司法に残っている可能性もあるでしょう。そもそも、美雲左模範日という点では、韓国は同じですから。慰安婦カードを完全に手放さないことで、日本からの妥協を引き出すというのは、これは当然の部分があります。国際政治とは、そんなもんです。ですから、日本は日本で、指桑罵槐の兵法で、韓国と尹錫悦政権に揺さぶりをかけ、ときに恩恵を与え、花を持たせ、でも日本の国益の最適化を目指すものです。泣き言を言ってもしょうがないです。

■最終的かつ不可逆的な解決■

『カイカイ反応通信』のカイカイ管理人の動画でも、取り上げられていますが。韓国側の本音の分析に関しては、こういうサイトや動画のほうが、大衆の実感に近いところを、掬い上げています。学術的な論文では、けして出てこない本音。韓国の2ちゃんねるであるイルベとか、ネイバーからはストレートな本音が見えますしね。韓国でも、慧眼の士はいて、日本保守党なんかよりよほどニュートラルな視点で、歴史問題を語ったりしていますしね。まともに歴史を調べれば、自国の教科書との違いに気づきいますし。

繰り返しますが自分はコレ、尹錫悦政権も裏で、一枚噛んでいる気がしますけどね。

【北朝鮮「衛星」で連携確認 上川氏、慰安婦判決に抗議―日韓外相会談】時事通信社

 【釜山時事】上川陽子外相は26日午前(日本時間同)、韓国の朴振外相と訪問先の韓国・釜山で会談した。両外相は軍事偵察衛星を打ち上げた北朝鮮に関し、「国連安全保障理事会決議に明白に違反する」として、強く非難することで一致した。日韓、日米韓で引き続き緊密に連携していくことを確認した。

 日本政府に元慰安婦への損害賠償を命じた韓国高裁の判決を巡っても意見交換。上川氏は「極めて遺憾である」と抗議し、韓国政府に適切な措置を講じるよう求めた。朴氏は慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した2015年の日韓合意について「両国間の公式合意として尊重する」との立場を示した。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2023112600185&g=pol

いちおう、ポーズは見せていますが。立法措置をとるなり、具体的な行動がなければ、口先だけということで。アメリカの思惑も絡んできて、日韓だけの問題ではない側面もありますから。文在寅政権時代も、日韓基本条約破棄には動かず、のらりくらりと引き伸ばしてきましたから。尹美香旧挺対協前代表の逮捕有罪収監ぐらいで、お茶を濁されても、慰安婦カードが保存されてはしょうがないですから。尹錫悦大統領も、退任したら収監されないよう、本気で従北左派狩りに本気になってくれないと。

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