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CLIP STUDIO PAINTにAndroid版登場

攻めていますね、セルシス社。iPad Proでデジタル作画用アプリCLIP STUDIO PAINTが使えるようになって、一気に世界が広がったんですが。さらに、待望のAndroid版の登場です。まぁ、待望かどうかは解りませんが。少なくとも、これでエミュレーター上ですがChromebookでも利用可能になったのですから、間違いなく大きいですね。プラットフォーム的にはMacOS・WindowsOS・iPadOSに加えて、Androidとほぼ主要OSを制覇。

詳しくは、#CNET の元記事をお読みいただくとして。というか、CNETはいつの間にか、noteに記事が対応したんですねぇ。こういうのって、ワンクリックでリンクが生成されて、記事が書きやすいので助かります。他の情報系サイトも対応して欲しいです。

■iPad以外の選択肢■

さて、自分はApple信者ですし、iPad Pro10.5インチにiPad mini5がメインですが、タブレット大好き人間なのでAndroidタブレットも、複数所持しています。具体的には、HUAWEIのMediaPad M5にM3、Kindle HD8にKindleペーパーホワイトなどですが。このなかでは、MediaPad M5以外は、たぶんCLIP STUDIO PAINTはまともに動かないでしょう。序文で「まぁ、待望かどうかは解りませんが」と書いた理由です。

KindleによってAndroidタブレットが普及したのは事実なんですが、安価なKindleシリーズに対抗するため、どうにも処理能力に劣る機種が多いのも事実。HUAWEIは自社開発のCPUであるKIRINシリーズを搭載しているのですが、それ以外となるとZenPadシリーズとNVIDIA SHIELD Tabletシリーズ、HSDぐらいでしょうか? 高性能タブレット型が、Androidではほとんど選択肢がないんですよねぇ……。

高性能タブレットは、iPad一択と言って良い状態。お絵かきには10インチ以上、できれば12インチ以上の大画面の方がありがたいんですが、そちらの選択肢も少ないです。12.9インチのiPad Proが、プロが漫画を描くという点では、ベストの選択しになっちゃうのも当然です。タブレット型大好き人間としては、歯痒いです。内蔵SSDが64GBとか、見た記憶もないですから、タブレット型に関してはAppleのiPadとAmazonのKindleの、二強時代が続くでしょう。

■本命はChromebook■

ただ、これでChromebook系でも、CLIP STUDIO PAINTが間接的に使えるのは、大きいです。もともと、Googleの内部ではAndroidプラットフォームとChromeOSを統合する動きはあったんですが。けっきょく、AppleがiOSからさらにiPadOSを分離したように、目的ごとにカスタマイズされてる方が、棲み分けもできますし、使い勝手も良くなるのは当然。下手に統合するより、仮想化してシームレスに使えるのがベスト。

ChromeOS機でも、Androidのアプリが動かせますし。ただ、自分のお気に入りの音声入力アプリEdy Voiceは動きませんけれど。記事を読む限りでは、〝Galaxy Noteシリーズや一部のタブレット・Chromebookなど、スタイラスペンに対応した端末であれば筆圧感知が利用可能。〟とのことなので、たぶん高級機種なら大丈夫でしょうね。Chromebookも安さが売りでしたが、Core i7搭載の高級機種が増えていますし。

残念ながら、GoogleはChrome系タブレットのPixel Slateからは撤退してしまいましたが、自分が所有するASUSのChromebook Flipのように、タブレット型にもなるChromebookも多数存在しますから。たぶん、今後は2 in 1タイプのChromebookで、スタイラスペン対応機種なら、CLIP STUDIO PAINTが使える可能性が広がりました。自分も、次に購入するChromebookは、タブレット型にもなるタイプの高級機種にする予定。

■CLIP STUDIOに望むのは■

最後に、本論とは関係ないところで、提案をいくつか。CLIP STUDIO PAINTは良いアプリなんですが今後、望むのはDTPアプリとしての機能充実ですかね。残念ながら、DTPアプリとしてはAdobeのinDesignが一人勝ちなんですが。ビットマップ画像とベジェ曲線が混在できるCLIP STUDIO PAINTは、inDesignに対抗できるDTPアプリになり得るんですけどねぇ。絵も文字も、混在できるって実はすごいことなんですから。

ただし、文字のレイアウト機能は、もっと強化されて然るべき。行間を級数やポイント、ミリ単位で調整できれば、だいぶ前進。それとルビの機能強化、ですね。ルビのルールは難しいし複雑なんですが、とりあえず肩付き・グループルビ・時間の自動調整機能があれば、ずいぶん違うと思うんですよね。そこに特化したCLIP STUDIO DTPみたいなアプリでも、inDesignに対抗できる価格設定なら、需要はありそう。

CLIP STUDIO PAINT自体は、プロよりも大きなアマチュア市場を考えての動きが目立ちますし、それはそれで仕方ないですが。個人的にはもっと機能を絞って、タイトルロゴなどを制作できるタイプとか有っても良いように思うんですけどね。大学や専門学校で教えていて、そっちの需要って大きいんですよね。今は簡単に、グッズが作れる時代だからこそ、CLIP STUDIO版illustrator的なアプリにも、期待したいです。
どっとはらい


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