朝日新聞が〝大東亜戦争〟に切り取り報道
◉陸上自衛隊大宮駐屯地の第32普通科連隊が、大東亜戦争の歴史用語を用いたと、朝日新聞が激おこぷんぷん丸(死語)です。朝日新聞は「戦後、占領軍の命令で「大東亜戦争」の呼称は禁止された。」と書いていますが。GHQの占領が終わり、サンフランシスコ講和条約によって日本が主権を回復したら、占領軍の命令はもう無効です。それに従う義務はないです。こういうところで、朝日新聞の権威主義体質があらわになりますね。そして邪推するなら当時、GHQの言葉狩りに積極的に加担したのが、戦後の朝日新聞などマスコミだったのですから、その過去も隠したいのでしょう。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラストです。
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■大東亜戦争は正式呼称■
詳しくは、上記リンク先の朝日新聞の全文を、ぜひお読みいただくとして。大東亜戦争という呼称自体は、昭和16年12月12日の閣議決定「今次ノ対米英戦争及今後情勢ノ推移ニ伴ヒ生起スルコトアルヘキ戦争ハ支那事変ヲモ含メ大東亜戦争ト呼称ス」が元になっており、別に日本国政府は戦後もこれを否定したり、改称もしていません。GHQが言葉狩りしただけで。朝日新聞は「政府は太平洋戦争を指す言葉として、この呼称を公式文書では用いていない。」と書いていますが。そりゃあ単に、言葉の連続性の問題ですから。永遠に守る必要も無し。
そもそも防衛省って、昔から、普通に、大東亜戦争を使っているんですよね。『戦史叢書』シリーズとか、一貫して「大東亜戦争」ですし。何なら今後は政府の表記も、「太平洋戦争(大東亜戦争)」と書き、だんだん「大東亜戦争(太平洋戦争)」と混在するようになり、そのうちに「大東亜戦争」に統一されたりして。藪をつついて蛇を出す? バカバカしいですね。いったい誰が、朝日新聞にご注進したのか知りませんが、昭和の昔なら、総理大臣の謝罪まで引き出せたでしょうけれども、令和の世にそれが通用するのか、自分としては疑問です。
■戦争の呼称に歴史あり■
大東亜戦争には、東亜開放の理念が含まれているのが、朝日新聞などには気に食わないのでしょう。ただここらへんは、保守系の史家でも「陸軍の大陸での戦線拡大は侵略戦争で、海軍の東南アジア各地での戦いは、植民地解放の側面があった」と、意見は分かれています。個人的には、戦前の国家社会主義とか天皇主義とか大アジア主義とか日蓮主義とかが混淆した、鵺的な思想は好きではないです。自分は保守派ではありますが、国粋主義者ではないので。そこを塗りつぶして、戦前を全肯定する右派も、全否定する左派も、同じ穴の狢だと思っています。
こちらも、転載しておきます。
大山巌元帥の曾孫の、大山格氏の呼称に関する指摘。日本は割と、名称の名付けには、奇妙なこだわりがあるようで。戦役と呼ぶか事変と呼ぶか、戦争と呼ぶか。それぞれの思惑がありますしね。でも太平洋戦争では、満州事変以来の流れが含まれませんし。いっそのこと「朝日新聞が煽った戦争」でどうでしょう? 満州事変を当初批判した朝日新聞は、ここで部数を大きく落とし、主戦論に転じます。結果、部数は鰻登りで、終戦前には2倍近くの発行部数になったのですから。なお、毎日新聞は「毎日新聞が煽った戦争」でもいいでしょう。
■呼称は各国自由でヨシ■
戦争の呼称について、ShinHori弁護士の『文禄・慶長の役』についての、こんな指摘も、転載しておきますね。豊臣秀吉の目的が、半島どころか明朝征服であったことは事実ですから。そこを明確にするなら、むしろ『唐入り』の名称のほうが、的確でさえありますね。半島を通り道としか考えておらず、事実、文禄の役では快進撃で半島を突破してしまい、兵站が伸びすぎて維持できなかったという、歴史的事実もありますし。慶長の役では、その反省から、半島では支配地の城を築き、足場を固めてから北上するという戦術でしたから。
文禄・慶長の役も、韓国などは『壬辰倭乱』と、あえて日本を見下す倭を用い、戦争ではなく乱の呼称です。他にも『壬辰祖国戦争』と、愛国イデオロギー爆発の呼び名もまります。中国は皇帝の号から『萬曆朝鮮之役』ですし、英語では『The War of Bunroku-Keicho』ですから。呼びたいように呼べば良いのでは? 1572年にわずか10歳で即位した万暦帝は、文禄・慶長の役に楊応龍の乱などで財政が破綻、1958年に終結したこの戦争で、明朝は国力を大きく落とします。48年の治世でボロボロになり、1644年には清朝に滅ぼされます。
で、明の軍に助けられ恩義を感じていた李氏朝鮮は、明朝と清朝の攻防で、明朝側について、清朝に酷い目に遭わされます。そういう意味では、唐入りは戦争の本質を表していますが、朝鮮征伐は局所的な呼称で向かないと。そういう議論はあっていいと思いますけどね。大東亜戦争も、同じかと。
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