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コロナ禍で見えた国内産業の重要性

◉コロナ禍で、人の出入国が厳しく制限されているのですが。実は、問題はそれだけではないようで。輸入とか、そちらでもいろんな動きが起きているようです。米中対立で、アメリカの国内産業の回帰が始まっているようですね。興味深いです。

【コロナ禍で製造業の国内回帰が進んだ米国で、浮き彫りになった「現実」】Wired

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)によって、米国で製造業の国内回帰の動きが活発になっている。だが、すでに中国が“世界の工場”としてサプライチェーンの主要な部分を抑えているなか、米国企業は苦労しながらノウハウを蓄積し、活路を見いだそうとしている。

安いからと外国の製品に頼ると、国内産業が空洞化して、技術も流出して、慌てて国内回帰させようとしても、かつての主要産業さえもロストテクノロジーになってしまうという逆説。貴重な戦訓です。

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■国家百年の計はあるのか?■

こういう、目前の利益を追いかけると、けっきょくは自分で自分のクビを締めるわけで。日本も経団連の社長とか、大学は即戦力人材を育てろとか、文系の大学は要らんとか、まさに目前の利益に走る。東大卒の雇われ社長が多いため、自分の任期の間だけ業績が上がれば良いという、まさに目前の利益しか見ていない人達。商売人に国家100年の計はともかく、もうちょっと未来を見てほしいですね。

逆に言えば、政治家はそういう目前の利益に走るバカな雇われ経営者・サラリーマン社長を一喝し、自分の子や孫の世界を見据え、未来を語る必要があるんですよね。それができず、経団連からの政治献金に目が眩んで、目前の利益に走るのもまたダメダメ。技能実習生制度も、ちゃんと育成しているところはともかく、体のいい低賃金労働者として使う企業は、もう潰すべきでしょう。

■ウッドショックで日本の建材も■

日本国内でも、木材の輸入で、大きな問題が起きています。安いからと、外国産の輸入木材に頼っていたツケが、ここにきて出ています。農林業は昭和の時代、クロヨンやトーゴーサンピンと、所得の把握が4割だいや3割だと、マスコミからまるで脱税犯のように批判されてきました。結果、後継者不足で、国内の林業はキツいことに。これを機に、国産木材の見直しと、法的制度の整備に期待したいです。

【ウッドショック、住宅木材価格「平時の4倍」の激震】東洋経済オンライン

 需給の逼迫によって木材価格が平時の数倍に急騰する「ウッドショック」。アメリカで2020年夏ごろからささやかれ始め、日本では2021年3月ごろから表面化した。
「住宅を建築する木材が足りないため、5月ごろから『普段つきあいのない大手メーカーから(柱や梁の継手、仕口の加工を行った)プレカット材の発注が入っている』との話題が業界内で出始めた。ハウスメーカーなどは手当たり次第に発注をかけ、木材取引価格は加工業者の言い値になっている」
国内にあるプレカットメーカー関係者が明かすように、大量の木材を使うハウスメーカーや中小工務店が危機感を募らせている。

とはいえ、自分は国産100%が正しいとは、ちっとも思っていません。特に、農業分野がそうですね。食糧自給率100%を理想とするような論は、現実が見えていませんね。90年代初頭、不作で全国的な米不足に陥ったことがありましたが、食糧自給率100%では、ああいう問題が起きてしまうわけです。日頃から輸入先を確保し、食糧の安全保障を考えておくべきです。むしろ、輸入先の分散が大事。

■輸出入の現実と安全保障■

中国とか、レアメタルで尖閣衝突問題の嫌がらせをしてきましたが。ああいうことが、農産物でも起きるわけです。中国の場合は、輸出だけ出なく輸入でも、台湾のパイナップルとか豪州のロブスターとか、足下を見てきますし。国の外交とか、国民の声明財産に関わってきますから。あるていど、産業ごとに国産の比率を決め、そこを維持しつつ、輸入先を分散する、それが真っ当な作。

「日本が国際的に孤立したら輸入がストップして〜」と、バカなことを言う人もいますが。米ソ冷戦時代、民主党のカーター大統領はモスクワ五輪をボイコットし、ソビエト連邦向けの農産物輸出を制限しました。ソビエトは大輸入国でしたから、まさに致命的な禁輸。ところが、アメリカ国内の農家から批判の声が上がり、タカ派で共和党のレーガン候補が輸出規制撤廃を公約に、現職大統領を破って勝利。

米ソ対立ですら、食糧の輸出入は複雑な因子が絡みます。日本が世界中から孤立して食糧輸入が途絶えるとか、国際政治を知らぬ人間も戯言です。どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ