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恐竜の話題:シッポ入り琥珀・角竜類新種・鴨嘴竜発見

◉恐竜の話題が続いたので、3つまとめてご紹介します。コエルロサウルス類の恐竜の尻尾が入った琥珀がビルマで見つかったという話題と、新種の角竜(トリケラトプスなどが含まれる)の化石が兵庫県で見つかったという話題、そして四国で鴨嘴竜のハドロサウルス類の化石が見つかったと、いう内容です。

【研究者もびっくり!ミャンマーの市場で「恐竜のシッポ」が入った琥珀を発見】ナゾロジー

樹液が固まって化石化した琥珀(コハク)は、古生物学者にとってのタイムカプセルです。

普通の化石では軟部組織が分解されて残りませんが、琥珀は太古の昔の昆虫や植物を生きた姿のまま保存してくれます。

映画『ジュラシック・パーク』でも、物語の鍵となったのは琥珀に保存された蚊の血液でした。

そんな琥珀に関する面白い発見が2016年にありました。

ミャンマーの市場で売りに出されていた琥珀のアクセサリー。植物の入った琥珀として売られていましたが、市場を訪れた研究者がこれを購入して調べたところ「恐竜の尻尾」だと判明したのです。

確かに羽毛のようにも見えますが、これは一体どんな恐竜の尻尾だったのでしょうか?

https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/159151

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、インドラプトルのイラストです。

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■琥珀に入った羽毛恐竜の尻尾■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。恐竜の尻尾が、羽毛恐竜ってのも、時代ですかね。ひょっとしたら、今までも恐竜の化石が入った琥珀はけっこうあったのかもしれませんが、鳥の尾羽根と思われていた可能でいが。羽毛の圧痕がある始祖鳥の化石が発見された結果、ただの小型獣脚類だと思われていた化石が、実は始祖鳥だったなんて、再発見があったように。人間は思い込みで物を見る生き物ですからね。そのうち、恐竜の幼体が丸ごと入った琥珀とか、見つかるかもしれません。その前に、再発見が先かもしれませんが。

調査の結果、琥珀に保存されていた茶色い物体は、約9900万年前に存在した恐竜の「尻尾断片(長さ37ミリ、椎骨が8個)」であることが判明したのです。

その恐竜の種類も羽毛を持つ「コエルロサウルス類」の一種であることが特定されました。

大きくなればダチョウほどのサイズまで成長しましたが、琥珀に保存された尻尾の持ち主はまだ幼体だったらしく、全体でもスズメ程度の大きさしかなかったと見られています。

同上

雀ほどの大きさの幼体が、成長するとダチョウほどにも。ううむ、成長率がすごいですね。以前のnoteでも書きましたが、東武動物公園に取材させていただいた時、ダチョウは厩舎まで入れていただいて、間近に見たのですが、ひなは最初から大きく、胴体は鳩ぐらいはありましたからね。やはり恐竜、現生鳥類と同じとは言え、成長率が違いますね。

ところがコエルロサウルスの羽毛には羽軸がなく、柔らかい羽枝と小羽枝だけで構成されていました。

この特徴は鳥の風切羽よりも「飾り羽」に似ていることから、コエルロサウルスの羽毛には仲間への合図やコミュニケーションのために使われた可能性が高いとのことです。

同上

これも、興味深い指摘です。つまり羽毛は、最初から飛ぶためのものではなく、保温とか体表の防御の意味が大きく、やがてそれがディスプレイのために機能しだし、さらに滑空にも使えるようになったと。恐竜は、その出現のかなり早い段階から、羽毛を持っていた可能性が、指摘されていますが。裏付けになりそうですね。そうなると恐竜の復元図も、未来では羽毛が前提になり、今の復元図は未来では否定されてしまい。自分たちが初期のイグアノドンの復元図を見て笑っているように、未来ではお笑いのねたになってしまうのか? それはそれで、残念です。

■兵庫丹波篠山で新種の角竜類■

兵庫県は丹波と言えば、日本初の大型の雷竜の丹波竜が発見された場所。福井や福島が恐竜化石の産地として知られる中、恐竜界の人気者の、竜脚類の発見は大きく。そりゃあ、海外の30メートル級の超大型竜脚類ほどではないですが、13メートルという体長は、圧倒的。そもそも、恐竜の一番人気がティラノサウルスらが含まれる獣脚類とするなら、二番人気はトリケラトプス類の含まれる角竜類か、その巨大さで魅了する雷竜類ですから。個人的には、獣脚類・角竜類・雷竜類・剣竜類・鎧竜類が五大人気恐竜類でしょうね。で、その角竜類の先祖と考えられる種が、発見。これは大きいですね。

【兵庫 丹波篠山で発掘の恐竜化石 新種の「角竜類」と判明】NHKニュース

兵庫県丹波篠山市のおよそ1億1000万年前の地層から見つかった恐竜の化石が「角竜類(つのりゅうるい)」という草食恐竜の新種であることがわかり、発掘された場所にちなみ、「ササヤマグノームス・サエグサイ」と名付けられました。

この恐竜の化石は、2007年から2008年にかけて丹波篠山市にあるおよそ1億1000万年前の地層から発掘されたもので、頭や肩の骨などの17点の化石を兵庫県立人と自然の博物館と岡山理科大学などの国際研究グループが詳しく調べてきました。

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20240903/2000087312.html


■香川県でハドロサウルス類が■

そして、貝化石などの産地はあったのですが、恐竜の化石はほとんど見つかっていなかった四国で、ハドロサウルス類の化石が発見されたという話題。今は、ハドロサウルス科の言葉が一般的ですが、昔はカモノハシ竜って言い方が、一般的でしたし。現代なら羊や山羊、あるいはインパラやガゼルなど、偶蹄目のような存在の草食恐竜ですね。いや、大型なので牛や鹿の仲間か? 先の五大恐竜類に鴨嘴竜類・堅頭竜類を加えた7種類が、恐竜の代表的な分類かと。翼竜や首長竜、魚竜は恐竜ではありませんが、同時代の巨大生物ということで。

【香川初の「恐竜」特定、ハドロサウルス類の背骨…岡山理科大の林准教授研究チーム】読売新聞

 香川県さぬき市で1986年に発掘された化石について、岡山理科大の林昭次准教授(43)(古生物学)らの研究チームが、草食恐竜「ハドロサウルス類」と確認されたと発表した。背骨の一部といい、同県内で恐竜の化石が見つかるのは初めて。林准教授は「香川では古生物の化石が多数出ており、これからも恐竜が発見される可能性がある」と話す。

 化石は86年10月、同県丸亀市の男性が、白亜紀後期のカンパニアン期(約8300万~7200万年前)の地層で発見した。長さ98・5ミリ、高さ83ミリ、幅は最大92ミリ。男性はアマチュアながら専門家の間でも知られる研究家だったが、恐竜の化石と特定できず、謎のまま自宅に保管していた。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20240902-OYT1T50191/

自分が子供の頃は、恐竜化石は樺太でしか発見されておらず、日本には恐竜化石はないと言われていたのに、今はもう全国各地で発見されていますね。北海道・東北・北陸・中部・関西・九州・四国と、ほとんどの地域で恐竜化石が。さて、福井県立恐竜博物館の一覧図を見ると、讃岐市から発見例はあるようですが、やはり四国では珍しいですね。

こうやって見ると、産地に偏りはあって、山陰山陽地方は、ほぼないですね。沖積平野の関東平野も、やはり化石は少なく。群馬県がかろうじて入っていますね。日本列島の生成過程の歴史もあってか、日本海側がやはり少ないですね。ただ、四国は三畳紀・ジュラ紀・白亜紀の地層が豊富で、高知県とか有望かもしれませんね。三畳紀なら、初期の恐竜化石が期待できますし、白亜紀なら進化した派手な形状の恐竜が、それぞれ期待できます。その意味では、紀伊半島にも今後は期待です。あんがい、未来の恐竜王国は、四国と北海道になりそうですね。


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