憲法改正の第一歩
◉憲法改正というと、日本では九条九条とにかく九条という雰囲気がありますが。それとは別の部分のところで、憲法改正の可能性が出てきましたね。おそらく野党は、全力で反対するでしょう。なぜなら、彼らにとって 憲法は不磨の大典だから。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラストです。
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■不磨の大典化した憲法?■
詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。不磨の大典、金科玉条、まぁなんでもいいですが。日本の左派にとって、日本国憲法は絶対に変えてはいけない存在に、なってしまっています。他国だとそんなことはなく、アメリカ合衆国憲法にしても修正●条みたいな表現を、ニュースなどでも ちょいちょい目にすることが多いですね。時代は常に変化していて、その変化に対応するために、法律は日々修正されていくわけですし。法律の根拠となる原理原則である憲法もまた、変化するのが当たり前。
ワイマール憲法という、当時としては最も民主的な憲法を停止して、アドルフ・ヒトラーが独裁を敷いたドイツ でも、戦後の1949年の基本法制定以来、63回の改正が行われているとか。1回も改正されていない日本が、いかに異常な状況か、わかりますね。ここら辺は、世界最古の木造建築物が存在する国らしいといえば、そうなんですが。どうも日本人は一度決めた定型を、墨守する癖があるようで。
■新しい物好きと伝統墨守■
明治の時代に、口語と文語の一致運動が起きたのも、平安時代の文章を至高のものとして、その形式や様式を継承することをやりすぎて、話し言葉と書き言葉が大きく乖離してしまったから。どうも言葉というのは、500年も時代がずれると、会話が成立しないぐらい変化してしまうものらしいのですが。日本の場合はその倍近い1000年ぐらい、平安の雅な文章を文語として維持し続けましたからね。江戸時代のオランダ通信使も、戦国時代の頃の服装と同じものを着て、江戸参内が求められたとか。
日本人は、新しいもの好きと伝統墨守の、両方が共存する不思議な文化なのですが。でも、文化は継承することに価値がありますが、変えるべきは変えるのが法律ですから。そういう意味では、2022年のウクライナ侵攻で、昭和の時代に日本社会党が唱えていた〝非武装中立論〟がお花畑平和論だとバレて、国民の意識がガラッと変わりましたからね。防衛費アップに賛成の国民が、一気に増えましたしね。ただ、憲法改正にはまだまだ、心理的な抵抗がある人間が多いのも事実でしょう。
■ファーストペンギン登場■
そういう意味では、九条ではなく、選挙が困難な状況で国会議員の任期を延長する緊急事態条項という形で、まずは憲法は一言一句変えてはいけない不磨の大典ではないんだ、という実績を作るのが、良さげ。九条に関しても、原理原則論から言えば、第二項の索状は必須なんですが。でも、削除には抵抗がある。なら、自衛隊の存在を明記する第三項の追加を、まずはファーストステップとして、将来的に第二項の削除と第三項を第一項と融合させた改正という、二段階改正論で良いんじゃないですかね。
何度か書いていますが、死刑廃止論もまずは死刑廃止とセットで、恩赦無しの終身刑か刑が加算される併合罪(懲役200年とか、事実上の終身刑)と一定年齢までの重労働を提案すれば、日本人の多数派は、納得して賛成すると思うんですよね。死穢や血穢を嫌う、穢れの思想を持つ文化ですから。その上で、将来的に併合罪を削除したり、終身刑にも恩赦の機会を付与するとか、段階的に変えていけばいいのに。「現行法で対応可能!」の一点張りで、死刑だけを廃止しようとするから、高い死刑賛成論があるわけで。同害報復(タリオ)の原則から言えば、死刑廃止にトレードできる提案をしないと、百年河清を待つです。
憲法九条改正も、二段階革命論ならぬ二段階改正論で良いと思いますし、その前にファーストペンギン、南極の海に飛び込む最初の群れの一匹が必要ということで。
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