見出し画像

古代バビロンの知恵

◉古代バビロンと言うと、ユーフラテス川の両岸、メソポタミア地域に栄えた文明。紀元前19世紀ごろにバビロン第一王朝が出現し、そこから数千年にわたって幾多の王朝が興亡し、華麗なイシュタル門や壮大なジックラト、ハンムラビ法典などが生まれた地域です。その遺跡を保存するため、7000年前の技術が再現されているとのこと。歴史好きとしてはこういう話題、大好物です。

【焦点:バビロン遺跡を守れ、気候変動対策で注目される古代の知恵】ロイター

[バビロン遺跡(イラク) 28日 トムソン・ロイター財団] - シュメールの地母神を祭るニンマク神殿では、イラクの考古学者たちが7000年も前にさかのぼる技術を駆使している。同神殿をはじめ、復元された古代都市バビロンの遺跡に塩分が浸透し、内部から破壊されるのを防ぐためだ。
(中略)
アルタイー氏率いるチームは、父親から先祖伝来の手法を引き継いだという現地の職人から、特殊な低塩分の日干しれんがを製造する何カ月もかかる手のかかる技術を学び、今年、初めて修復に用いるれんがを完成させた。

https://jp.reuters.com/article/iraq-climate-change-babylon-idJPKBN2RS03T

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、正座が生まれたとされるバビロニアの、ふたご座をイメージしただそうです。

◉…▲▼▲▽△▽▲▼▲▽△▽▲▼▲…◉

世界4大文明の一つとして語られるメソポタミア文明ですが。地中の塩分が、灌漑農業によって地表に出てきて、作物が育たなくなって滅びたと言われています。今から1000年ほど前にはもう、小さな村が点在するぐらいになってしまっていたようです。そういう意味では、いかに塩と戦うかがメソポタミアという地域の、変わらぬテーマなのでしょうね。

旧約聖書に登場する、バベルの塔のモデルになったとも言われる、ジッグラトと呼ばれるピラミッド状の巨大な建築物があります。紀元前3000年期に、ウルやバビロンに建築されたそれは、日乾煉瓦を主に使った巨大な塔。どちらかといえば小高い山を人工的に作った感じのようですが。大河のほとりに生まれた文明ですから、大量の粘土があり気温が高いので、日干しレンガは入手しやすい建築材だったのでしょうね。

塩分を含んだ日乾煉瓦は、それだけ長持ちしなくなるので、生まれた知恵。そういえば、メソポタミア文明での塩害が顕著になってくると、穀物は小麦から塩害に強い大麦にシフトしたというのが、地層の研究からわかっているそうです。人間はそうやって少しずつ知恵を蓄積し、次世代に伝達することによって文明を発展させてきたのですから。文明発祥の地で、文明が伝承される。人間の営みというものを、改めて感じさせる話題ですね。

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ