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TOHOシネマズが来月から値上げ

◉経済が回っていくことを考えれば、値上げ=悪という考え方自体には組みしないのですが。世界的に見ると、日本の映画料金は高い部類だという指摘は、昔からありますね。映画大国アメリカの料金は、だいたい7〜8ドルぐらいで、本日のレート1ドル137.49円で換算すると、962-1099円ぐらい。映画館の数も 歴史も文化も違うので単純比較はできませんが、ほぼ2倍の値段になるんですね。

【TOHOシネマズ、6・1から映画鑑賞料金値上げ 一般は1900円→2000円に、エネルギー価格の高騰など影響】livedoorニュース

 TOHOシネマズは、6月1日から映画鑑賞料金を値上げすると1日、発表した。一般は1900円から100円値上げし2000円となる。
(中略)
値上げの対象となるのは、一般のほかシニア(1200円→1300円)、レイトショー(1400円→1500円)、ファーストデイ・シネマイレージデイ・TOHOウェンズデイ(いずれも1200円→1300円)。大学・高校・中学・小学生・幼児の鑑賞料金は改定せず、障がい者割引は現行料金1000円のまま変わらない。対象劇場はTOHOシネマズ名の全国71拠点(※2023年5月1日時点)。

https://news.livedoor.com/article/detail/24159109/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、

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■邦画の非ヒット率の異常さ■

でも、鹿児島県とか映画館は県庁所在地の鹿児島市にしかない時期が、しばらく続きましたからね。人口10万人で地方都市としては比較的大きな部類のうちの田舎も、長らく映画館がない状況が続いて、数年前にようやく復活しましたから。47都道府県の中では 24位とほぼ真ん中の鹿児島県ですら そんな状況ですから、人口の少ない県だと県庁所在地にしか映画館がないような状況が、当たり前でしょう。映画は都会の贅沢品。そして邦画の状況は……。

・2021年公開の邦画490本
・邦画の興行収入1283.39億円
・興収10億円以上32本(前年21本)
・32作品の興収総計898.9億円
・上位6.6%の32作品で全興収の約70%を占める
・興収50億円超え作品3本(全部アニメ)
・トップ3作品で全体の約19%を稼ぐ状況
・邦画全体の93.4%が興収10億円以下の作品

こんな感じなのに、ヒット率を少しでも上げる努力より、日本版CNCを作って、アニメや漫画原作作品の利益を、お芸術映画を作ってるボンクラ監督どもに配分しろと、意識高い系の映画人は言い募るわけです。映画芸術なんて、アニメを年間人気ランキングから外すなんて差別をやってるのに、さもしいですねぇ。こんなことやって、どの映画に補助金を回すかで、配分が利権化するのも目に見えています。一種の共産趣味です。

■映画界と週刊ジャンプ■

商業主義の権化とされる週刊少年ジャンプ、ちょっと古い統計ですがこちらのブログによれば、打ち切り率は69.16%、つまり新規の作品が1年以上連載を続ける可能性は30.84%とのこと。人気がなければ10週打ち切りというイメージですが、マイナビの調査では半年持たず打ち切りの作品でも10話以下の作品は13.3%で、11話以上15話以下の作品が28.9%、16話以上20話未満の作品が57.8%と、半分以上は15話以上のチャンスをもらえています。

毎年10〜15本前後の新連載が始まり、10%ぐらいしか生き残らない印象ですが、思った以上の生存率ですね。ジャンプで1年連載が続けば、単純計算で18ページ✕50回で、900ページ。単行本5-6巻分ぐらいになります。充分に小ヒットと呼べるレベルです。映画界は93.4%の駄作率を、せめて80%に減らすための仕組みを構築しなきゃダメでしょうね。日本版CNCとか、それ以前の問題です。

声優のギャラもランク制度だったりと、映画業界全体が、共産趣味な部分があるんですよね。人気があっても新人のギャラの相場は一律で、ベテランだと実力に見合っていない相場になったり。もちろんメリットもあるでしょうけれど、終身雇用制度や年功序列と一緒で、デメリットもある。厳しい競争のあるジャンルほうが、結果的に才能に見合った報酬を受けてるわけで、構造的な問題なんだろうなと思いますよ。

■独立自尊の精神を■

例えば、興行成績と制作費を正直に出し、赤字と黒字の分岐点をちゃんと出し、そこをクリアした新人監督には次回作では補助金を出し、3回連続で赤字を出したベテラン監督には、制作費に上限枠を設け、補助金も出さないとか。でも、駄作連発でもスポンサー探しが上手い人は、けっきょく止められないんですが。少なくとも、日本版CNCは愚策ですね。アニメと漫画原作の作品の、上がりを掠めるさもしい行為です。

自分は、売れなくても素晴らしい作品はいくらでもあると、身をもって知っています。でも、何が素晴らしくて何がつまらないか、所詮は主観的なものでしかありません。であるならば、数字で評価するしかないわけです。必死になって売れるための知恵を絞り、汗をかいて、頑張るしかないわけです。興収10億円以上6.6%をせめて倍の13.2%に上げて、さらに70-80本の駄作をちゃんとダメ出しできる体制ができないと。

少なくとも、トンデモ映画『新聞記者』に日本アカデミー賞6冠とか、どうしようもないわけで。ポリコレ疲れの気分を敏感に汲み取り、笑いでくるみながら大ヒットした『翔んで埼玉』をちゃんと評価できないから、『パンケーキを毒見する』とか『妖怪の孫』とか、のうのうと作るプロデューサーが現れるわけです。創るなとは言いません。でも、尻拭いは自分でやれ、アニメや漫画原作作品をバカにしつつ頼るな、ということです。

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

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