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エネルギー問題:アンモニア合成・風力発電・小型水力・全固体電池

◉エネルギー関連ネタが、だいぶ溜まってきたので、まとめてご紹介を。この冬、西日本は鹿児島の川内原発や福岡の玄海原発、四国の伊方原発、福井の高浜原発などが再稼働したおかげで、電力は値上げせずになんとか踏みとどまっていますが、再稼働が進まない東日本は値上げせざるを得ず、厳しい状況です。ベースロード電源になり得ない太陽光発電や風雨力発電に、立憲民主党などは未だに再生可能エネルギーの美名にこだわって、周回遅れのドイツの例を国会でも持ち出しているようですが、それではあまりにも無責任ですね。国民の命なんて、どうでもいいのでしょうか?

【アンモニア合成に大変革、東大などが空気と太陽光のみで実現へ】日経クロステック

 2022年12月、東京大学、九州大学、大同大学の3大学は「常温常圧の環境下、可視光エネルギーを用いて 窒素(N2)ガスをアンモニア(NH3)へと変換することに世界で初めて成功した」と発表した。
 これまでNH3は、人工肥料目的の生産がほとんどだったが、今後は水素(H2)を運搬、または長期保存するための水素キャリアとして、あるいは直接燃焼させる、燃焼時二酸化炭素(CO2)フリー燃料としての利用が見込まれている。
 NH3の工業的生産技術としては1906年に開発されたハーバーボッシュ法がこれまで用いられてきた。これも空気中のN2ガスが材料の1つであるため、開発当時は、「空気からパンを造る」技術といわれた。そして実際に人工肥料の大量生産によって農業の生産性が向上し、世界の人口が飛躍的に増えた大きな要因になった。

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/07621/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、風車と夕日の美しい写真です。

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■アンモニア火力発電■

空気と太陽光のみで、アンモニアを合成できたら、これはエネルギー革命になり得る……かどうかはわかりませんが、興味深い研究です。アンモニア、何度か言及していますが。それ自体は昔から知られる存在で、農業においては化学肥料として大事な窒素・リン酸・カリウムの内、窒素リン酸のを構成する、窒素原子1個と水素原子3個が結びついた構造で、水のH2Oより多くお水素分子を含みます。なので、それ自体も燃焼できるし、水素を安全な形で・常温で液体として貯蔵できるという意味でも、非常に重要な存在です。

アンモニア燃焼による、火力発電はあまり熱量が高くないんですが、そこは他の燃料と混ぜて混焼することで、補えますからね。燃焼の悪さを改善する研究も、むあk師から続けられて、風車方式の燃焼とか、サイエンスZEROでやっていましたね。全固体電池の話題とも重なりますが、例えば第四世代原子炉の高温ガス炉では、その高音を利用しての水素生成が研究されています。そうやってできた水素はアンモニアの形で貯蔵して、他の火力発電所で燃焼したり、色んな使い方ができるでしょうから。個人的には、期待している科学技術です。

■風力発電の限界■

そして、風力発電の限界も。何度も書いていますが、風力発電が有効なのは、安定した偏西風が副ヨーロッパ北部の地域には有効ですが、日本では北海道の一部しか好適地がないようで。北海道まで台風が上陸することは、めったにないように。台風に風力発電は弱いわけで。で、太平洋の西端の島国、台風銀座の日本には、そもそも風力発電は適していないのに。風が吹かなきゃ発電できない、まさに風任せの発電は、ベースロード電源にはなりえず、補助としても上記のように、亜熱帯から亜寒帯までの日本では、向いていません。洋上風力発電も同じ。

【住友林業が風力発電計画取りやめ風車撤去へ、各地で逆風】日経クロステック

 住友林業が津市白山町で進めている風力発電計画を取りやめることが分かった。建設中の2基の風車は撤去する。建設段階で中止するのは珍しい。果たして一体何が起こっているのだろうか。
 この計画は、住友林業の所有林などで高さ約120mの風車4基(出力7.49MW)を建設するもの。2020年7月に着工し、22年3月の運転開始を目指していた。
 ところが、21年10月に住民団体が建設中の2基の風車撤去と事業計画取りやめを求め、抗議文を住友林業に送付。住友林業はこれを受け、風車の建設をいったん中止することになった。

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00142/01512/

で、住友林業が、風力発電計画を取りやめとのこと。これも、必然ですね。ついでに書けば、太陽光も日本では難しいです。日本は八雲立つ国。山紫水明の国。つまり、四方を海に囲まれて湿度が高いんですよね。だから、世界の平均よりも日照量が少ないんです。日本に住んでいると、その実感はないのですが。海外留学組の友人に聞くと、カルフォルニアとか夏場は雨がほとんど降らず、刑事コロンボのあのレインコートは、雨が少ないのにそんなモノ着てる間抜けという記号になってるんだそうで。

上記のアンモニア合成や人工光合成とか技術には期待しますが、エネルギー生産で太陽光に過剰な期待はダメですね。それこそ、東京都は太陽光パネル設置の義務化より、窓を北海道のような二重窓にすることに、助成金を出したほうが良さげですね。そのほうが、冷房も暖房も効率がよくあんるのですから。利権がらみで動いてる政治家もいますが、ホント太陽光発電とか期待するのは、辞めてもらいたいですね。もっと実効性のある制作を出すべきです。公金を無駄に使うだけ。

■小型水力発電■

小型の水力発電は、小規模発電としては、可能性がありますね。日本のダムはもう限界レベルですし、大きな発電力は期待できませんが。それでも、日本は八雲立つ山紫水明の国。アスワンハイダムやフーバーダムのような、巨大なダムは期待できませんが、小さな河川に小型の水力発電システムを作るというのは、ありでしょう。『北の国から』では、廃材を利用した風力発電機を黒板純が作りますが。火事の後、引っ越した先ではそれも使えず。でも、純が水力に変えることを提案していた記憶が。風力発電よりも水力発電のほうが、明らかに安定性が高いんですよね。

【太陽光発電よりはるかに安価で環境にも優しい小型の水力発電システム「RHT」とは一体どういったものなのか?】Gigazine

水力発電プロバイダーのNatel Energyが電力網開発のSymbion Powerとパートナーシップを結び、コンゴ民主共和国全土に小型の環境に優しい水力発電システムである「復元水力タービン(RHT:Restoration Hydro Turbine)」を配備する計画を発表しました。このRHTの仕組みに、科学系YouTubeチャンネルのZirothが迫っています。

https://gigazine.net/news/20230130-natel-energy-restoration-hydro-turbine/

ついでに言えば、地熱発電も補助的な発電なんですよね。自分も昔は、ベースロード電源になりうるかと期待したんですが。どうも、そもそも火山がある地域は偏っていて、温泉街との兼ね合いもある。タービンを回すに足る高温の熱水が出る場所は限られていて、メンテナンスも大変。しかも、ん発電量が低いので、原子力発電所を代替するなら単純計算で全国に444箇所は必要で、そのボーリング調査に何兆円かかるって話のようですから。妙な幻想は持たず、補助的な小規模発電は地道に研究すべきですけどね。

■全固体電池■

発電だけでなく、ためておく技術も大事。全固体電池は、日本の産業とも関わってくる、重要な部分ですしね。日本は中国に追い抜かれた韓国に追い抜かれたと、変形版出羽守が多いですが。日本は、素材研究ではまだまだ、世界的な国ですし。カーボンナノチューブは、ノーベル賞化学賞確実と言われる分野だったり。韓国への輸出管理で話題になったフッ化水素など、ああいうものも含めて、化学が昔から強いんですよね。世界最古の縄文式土器や漆器などの伝統があり、陶磁器や漆器は素材とか釉薬の調合が命ですからね。徳川家康の調剤趣味もそうですが、調合が大好きな国民性。

【全固体電池、立ちはだかる3つの壁 険しい主役への道 テックビジュアル解体新書】日経新聞

「次世代電池の大本命」とされてきた全固体電池は開発が遅れ気味だ。背景には大きく3つの技術的な課題があり、いまだ解決できていない。全固体電池の開発に傾倒してきた日本は、従来の電池技術で中韓に逆転を許して政策転換を迫られる事態にもなっている。国や企業は今後、資金や人的資源をどこにどれだけ投資するのかより慎重に見極める必要がある。

全固体電池はリチウムイオン電池の液体電解質を固体に置き換えたもの。発火...
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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC27ABZ0X20C23A1000000/

エタノールを利用した燃料電池とか、カーボン素材を利用した勢車電池など、自分がガキの頃から話題にはなっているんですけどね。ここらへんは、あさりよしとお先生の名作『まんがサイエンス』とかでも紹介されていましたし、高温岩盤発電なども、そこで知りましたが。揚水発電なんかもある種の電池なんですが。エネルギーを貯めておくというのは、上記のアンモニアの形で水素を貯蔵しておく手法とか、これも一種のエネルギー貯蔵。くだらないNPOや学術会議に公金をチューチューさせるより、ちゃんとした研究に金を回してほしいです。

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ