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ゼレンスキー大統領「北方領土は日本の領土」

◉ウクライナのゼレンスキー大統領、日本人の心の機微をよくわかっていらっしゃるようで。北方領土問題で、こういう形で側面援護をされて、まるっきり無視するというわけにはいかないでしょうね。そうでなくても、ウクライナ軍の反転攻勢は、確実にプーチン大統領とロシア軍を追い詰めていますし。先日のウクライナ大橋の炎上と倒壊は、問題ねえよこの戦争の行方を判断するに、十分な〝事件〟でしたから。

【ゼレンスキー氏「北方領土は日本」 ウクライナ議会も決議】時事通信社

 ウクライナのゼレンスキー大統領は7日、「北方領土は日本の領土」と確認する大統領令に署名した。ビデオ演説で「きょう重要な決定を下した。ロシアに一時的に占領された北方領土を含め、日本の主権と領土一体性を尊重することを再確認する」と述べた。

 これに先立ち、最高会議(議会)も7日、北方領土を「ロシアによって占領された日本の領土」と認める決議を採択した。決議は「北方領土に関する日本の立場を支持する」と宣言。その上で、日本に帰属するという法的地位を定めるため、あらゆる手段を講じるよう国際社会に呼び掛けた。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2022100800003&g=int

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ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、北方領土の画像です。

■お人好しの米国■

戦争というのは何も、武器を取って戦うだけが戦争ではありません。と言うか、そもそも戦争というのは、政治的な目的を達成する手段の一つにすぎません。政治という大きな枠組みの中で、外交があり戦争があるのです。ゼレンスキー大統領は、賄賂や利益誘導などを使うことなく、言葉ひとつで日本人の中にある、第二次大戦で火事場泥棒を働いたソビエト連邦とスターリンに対する恨みと怒りを、呼び起こすことに成功しましたから。

論破され王が、沖縄の辺野古基地の座り込みについて揶揄した結果、反基地活動家の暴言と暴力が拡散されましたが。ケレンスキー大統領がこうやって北方領土に言及することによって、沖縄の基地問題が〝甘えの構造〟に根ざしていることを、浮かび上がらせてしまいますね。もしもアメリカ合衆国がスターリンのソ連のように、沖縄の日本人を全て県外に叩き出し、占領して自国領土に組み込んでいたら。そもそも米軍基地問題は存在していないのですから。

■反米気分を見直す■

少なくとも、第二次世界大戦終結当時の、一般的な価値観からすれば。戦争で負けた国が領土を奪われ、莫大な賠償金を払わされるのは、当たり前のことでした。しかしアメリカは、お人好しというか寛容にも、日本の占領地を返還しました。当時は、アメリカ国内にも国防総省など反対意見はあったようです。日本が「血で贖った満州を手放すわけにはいかん」とハル・ノートに抵抗したように。アメリカだって、多大な血を流して手に入れた沖縄や小笠原です。

60年安保や70年安保の学生運動が盛り上がったのも、戦争に負けた悔しさや、占領軍としてやってきたアメリカに対する反発みたいなものが、日本国民の根底にあったのは疑いないでしょう。なにしろ日本人にとって、染料というのは初めての経験でした。各地で米兵による日本女性への乱暴や、自分から進んで米兵の愛人になるパンパンの出現など、屈辱的な面もありました。しかしそれは比較の問題。満州でソ連軍がやったことに比較すれば。

■興亜論と脱亜論■

アメリカに瑕疵がないとは、言いません。傲慢でわがままで、自己中心的な部分は多々あるのも、事実です。政治的にも、二枚舌三枚舌のイギリス外交に比較すると、直情径行で、試合に勝って勝負に負ける部分もあります。しかし、ウクライナ侵攻で占領地の民間人に対して、実行した数々の悪行は、間違いなく満州でも同じ事をやってたわけで。ハッキリ言えば手を組む相手としては、ロシアより100倍マシです。

日本の右翼は、大アジア主義=興亜論で、同じ黄色人種である中国人や朝鮮人に、勝手なシンパシーを抱いている面もあります。しかし、中国は中国でロシアのような残虐さはないですが、撫順戦犯管理所で人間を洗脳してしまう恐ろしさを持っています。島国の村社会である日本とは、あまりにも文化が違います。それは、小中華そ自認する半島も同じ。そのことに、金玉均の残酷な仕打ちでいち早く気づいた福沢諭吉は、脱亜論を唱えたわけで。

■ソ連嫌いのロシア好き■

日本の右翼には意外と、ロシア好きな人が多いんですよね。新右翼・一水会の鈴木邦男氏などは、「ソ連嫌いのロシア好き」という言葉を紹介されていましたが。東欧の文化というのは、西欧よりも遅れているぶん、素朴な部分を多く残しています。インテリの間でも、ロシア文学やロシア音楽、あるいはその民族舞踊なども含めて、何かこう、日本人の琴線に触れるものがあるのは、事実です。しかしこれは、危険な情緒論。

みなもと太郎先生が『風雲児たち』の中で指摘されていたように、利害関係に対してはものすごく強欲ですが、有色人種への人種差別的な意識はそれほどでもない部分があります。西欧のアングロサクソン系の文化は、表面上は差別はよくないという建前を持っているのですが、腹の底では抜き方有色人種や異教徒への差別心を持っていますからね。アドルフ・ヒトラーとナチスドイツのやったことは、隠しておいた西欧の本音が表面に浮上してしまっただけ。

■令和の脱亜入欧■

自分は、Twitter上ではネット右翼呼ばわりされることが多いですが。保守派は自認していても、右翼でも民族派でも天皇主義者でも、いわんや国粋主義者でもありません。左翼やリベラルや自称国際派の理論があまりにもデタラメで、ツッコミを入れることも多いですが。右の側にも上記のように、かなりの批判視点も持っています。千島樺太交換条約は、平和裏に結ばれた条約であり、一方的に破棄して千島列島と南樺太を占領しているソビエト連邦とその後継国家たるロシア連邦を、容認することは、右翼の筋論としておかしいでしょ?

本来ならば、ゼレンスキー大統領のメッセージの裏の意図を読み取ることができる、そしてそれを現在の外交政策に落とし込むことができたであろう、安倍晋三元総理大臣は既に無く。外交音痴がデフォルトのこの国がどの方向に向かうか、それは見えない部分が大きいのですが。少なくとも、自分の声が届く範囲で、こういう考え方もある・賛同する必要はなくても考える材料になれば。まぁ、1000人ぐらいしか読まないでしょうけれど。

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