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移植用のブタが国内初誕生

◉以前もnoteにしましたが、臓器移植の、ひとつの切り札になるかも知れないのが、豚の臓器移植。どうも豚は、人間と相性が良く、心臓や腎臓などの臓器移植に使えるかもと。形はもちろん大きさ的にも、人間に近いですからね。ただ、同じ人間でも抗原抗体反応で、移植が上手くいかないこともあるわけで。いわんや、同じ哺乳類とはいえ、人間と豚という異種間移植。問題はいろいろありますが、遺伝子操作などでいろんな問題を克服し、少しずつ前進しています。

【人間移植用の臓器持つブタ、国内初誕生 遺伝子改変、25年臨床研究】Yahoo!ニュース

 遺伝子が改変されて人間への移植用の臓器を持った状態の子ブタが11日、国内で初めて誕生した。種の壁を越えた「異種移植」は、新たな移植医療につながると期待される。今後、国内の研究施設や医療機関でサルへの移植実験を始め、人間に移植する臨床研究を2025年中に始めることを目指す。
(中略)
 種の壁を越えて臓器を移植すると、強い拒絶反応が起きる。遺伝子改変ブタの細胞は、この拒絶反応を抑えるために、10種類の関係遺伝子が改変されている。
 さらに、ブタの遺伝子による体へのリスクを除くため、約50カ所の遺伝子が働かないように操作されている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8efe8323c9243c7b09860980c20096a6557fea3c?source=sns&dv=pc&mid=other&date=20240213&ctg=dom&bt=tw_up

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、双子のブタのイラストです。

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2025年に臨床試験って、早いですね。豚の成長は早く、食肉としての出荷は、6ヶ月ほどで110キロ~120キロくらいに成長してから。そう考えると、人間に使えるのは、その前後でしょうかね。心臓とか、大きさにもよるでしょうし。この移植用のブタの場合、食肉用に無理に太らせる必要はありませんから。むしろ、脂肪を減らし健康で丈夫な体を作る必要がありますからね。心臓とか、筋力が強くないとポンプの力も弱いでしょうし。まぁ、まずは動物実験でも成果が出ている、腎臓の移植からでしょうかね。

サルでも2年というのは、大きいですね。これが3年とかになれば、ブタの成長速度などを考えれば、かなりの前進でしょう。そうでなくても、ブタは多産ですから。鹿児島県では家庭養豚が盛んで、ウチも祖父が庭で豚を飼っていましたが、1回の出産で5~10頭前後の子供を産みます。しかも、発情期が年に2回はあるので、10~20頭ほども産みます。畜産だと、もうちょっとサイクルを早めるのですが、これまた数が目的ではないので、臨床実験でノウハウが溜まって、方法論が確立されるまでは、少数精鋭でいいと思いますしね。なにしろ、移植用ですから。

移植の方法論が確立されれば、このブタの多産と成長のサイクルが早いのが、移植には大きな力になるでしょう。なにより、家畜としての飼育方法が確立しているのが大きいですね。ブタの家畜化には諸説ありますが、ヨルダン渓谷の紀元前6000年の遺跡から骨が見つかっており、これが最古。人類とともに8000年の歴史を刻んでいますから。それこそ、鹿児島大学とか、農学部が優秀で医学部もある地方の国立大学とか、農学部と連帯して移植用豚の飼育も、行われるでしょう。まさに、学際的な技術。

移植自体は今後、この3本が柱になるのでしょう。理想は、自分の細胞からiPS細胞を作っての、臓器移植。これなら、倫理的な問題は、一部の宗教意外は、ハードルは下がるでしょう。ローマ法王が、iPS細胞支持を打ち出したのは、やはり移植が単なる医療技術の問題にとどまらず、倫理や文化や宗教まで巻き込む問題なので。

・iPS細胞を用いた再生医療
・人工臓器の開発
・ブタからの移植

まぁ、移植を受けた人は、豚肉を食べにくくなるかもしれませんが。また、豚肉職を禁じられたムスリムも、抵抗はあるでしょう。ここらへんは、イスラム法学社の判断とかが必要になるでしょうし。いろいろとハードルが大きいでしょうけれども。ひとつずつ、クリアしていかないと。

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