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紙媒体をnoteが駆逐するか?

◉いきなり大仰なタイトルですが、きっかけはX(旧Twitter)で流れてきた、こちらのポストでした。清水俊史氏は『ブッダという男』で注目を集める、気鋭の仏教研究者。自分は、noteにはまだそんな自力はないと思っています。それは編集者や作家として見てきた出版事業の巨大さと、蓄積されたノウハウやネットワークを、多少なりとも理解しているからですが。ただ、ものすごいポテンシャルもあると思っています。個人的には、X(旧Twitter)・YouTube・noteを上手く使うことで、情報発信や言論のプラットフォームになり得るなと、そう思っています。

noteは法人としては8期連続で赤字だから、紙の書籍にトドメを刺す道のりはまだまだ険しい。

https://x.com/AKBhVis/status/1758020389731729479?s=20

言葉で稼ぐってのは、何を言ったかじゃなくて、誰が言ったかが重要。だからライターが「紙媒体をnoteが駆逐する」って声高に叫ぶのは、微妙にズレている。そもそも紙媒体に載らない程度の奴のnoteを買いたがる奴なんて稀少だし、noteの市場規模は未だ非常に小さい。YouTubeやった方がいい。

https://x.com/AKBhVis/status/1758143427542471137?s=20

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、noteで検索して、良さ気なやつをチョイスしました。

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■noteで稼ぐのは大変?■

清水氏のツイートはたぶん、こちらのポストとかも、頭に有ったのかしれません。自分に関して言えば、noteは2014年の5月5日から10年近く使っていますが、力を入れだしたのはここ数年ですからね。なので、投げ銭や記事の売上は、月に5千円から2万円ぐらいと、たいした儲けではないです。2020年からの利益は、トータルで30万円弱。これが毎月5万円ぐらいの収入が安定してあれば、副収入としては悪くない数字です。年金生活に入ったら、noteに集中すれば、それぐらいは稼げるかもしれません。

これはマジでそうで、僕は昔「記事1本5万円から承ります」と言っていたのですが、noteを始めてから「最低30万円でお引き受けします」になりました。ふっかけてるワケじゃなくて、noteの労力対効果を元に算定すると本当にそうなるんですよね。

https://x.com/kenhori2/status/1757664613687308350?s=61&t=tcAJZFtthV9PcLEiLOD2MQ

noteで毎月30万円を稼ごうと思ったら、1本100円のnoteなら3000本必要。でも、30日なら1日に100本売れれば良いわけで。1万人のフォロワーがいて、その1%が買ってくれれば、達成できます。それを考えれば、1595人のフォロワーしかいない自分が、この程度の雑文でも毎月売上があるのは、健闘と言えるのかもしれません。noteのフォロワーは人数の割にちゃんと投げ銭してくれる人が多い印象です。ただ、ユーザー数は多くはないですから、TwitterやFacebookなど、他のSNSから人を呼び込む必要があります。

個人的には、X(旧Twitter)の日本支社の大口スポンサーとなって、noteの記事のリンクが付いたポストの、拡散を制限する方針を、改めさせるのが良さ気ですね。自分の場合、イーロン・マスク買収後、7700フォロワーだったのが1年ちょっとで11000フォロワーに増え、それに合わせてnoteのフォロワーも900人代から1.6倍以上に増え。売上もそれに合わせて増えました。X(旧Twitter)が、その提案に乗ってくるかは、わかりませんが。もしそこが無理なら、noteと電子書籍アプリの境界線を少なくし、独自の生態系を作ることでしょう。

■note内で電子書籍販売■

リフロー型の電子書籍を作ったことがある人や、カクヨムやアルファポリスなどに小説や文章投稿した経験がある人なら、noteのルビを付ける機能は、ほぼ電子書籍のそれと同じと、気づいてるでしょう。たぶん将来的には、noteの内容を簡単に電子書籍化出来るよう、仕込んでいると思います。現在、noteで使える各機能は、以下のような形で機能すると思います。電子書籍制作アプリのLeMEとか、ものすごく使いやすいアプリなのですが、それでも一般人には、まだまだハードルが高いです。

・大見出し→章の見出しページに置かれる
・小見出し→段落の見出しとして行頭に置かれる
・区切り線→改ページ位置で、強制改ページされる

しかし、noteにプレビュー機能を付けて、表示がおかしいところをリアルタイムで修正して、ボタンひとつで電子書籍化でき、それをnote内で発売し、専用アプリで閲覧できるなら、どうでしょうか? Amazonや楽天では売れませんが、note内なら、アルファポリスが執筆用途と閲覧用途のアプリを2種類出してるように、単独アプリとして便利に使えます。note内の、閉じた生態系として充分に機能します。

問題があるとすれば、10万文字レベルの、本格的な本。noteは、3000文字レベルでも「ちょっと長いなぁ」と思ってしまいます。また、小説など連載形式のものは、小分けしてアップされますから。なので、そういう複数のnoteに分けて発表した小説や評論を、ひとつの本にまとめる機能が、必要でしょうね。ただ、これ自体はそんなに技術亭なハードルは他アクないですね。noteの優秀なスタッフなら、もう実装実験とかやっているかも……です。

■前例なきnote出版社へ■

そうやって、note内でヒットした書籍の内、著作権や差別表現、訴訟リスクをクリアしたものは、noteとして他の電子書籍配信ストアに、代行して卸してはいかがですかね。個人がAmazonのアカウントを取って、Kindleインディーズなどに本のデータをあげるのは、なかなか大変です。でも、note出版社を別途作り、そこから本を出す。手数料とかを10%とか20%に押さえれば、割と出す人は多いでしょう。それこそ、note新書みたいなブランドを作ったり、noteコミックやnote画集、note実用書、note図鑑、note絵本とか、いろいろできそうです。

note編集部が、特集や宣伝もやってくれれば、作家は既成の出版社を通さず、note編集部を通して、一般書籍として本を売る事が可能に。そこまで行ったら、noteがいち出版社として、独自の立ち位置に立てるでしょう。もちろん、紙媒体をnoteが駆逐する、なんてことはなく。共存共栄。POD版を作るには、ちょっとハードルが高いですが。たぶん、音楽配信でCDを買う人が減ったように、将来的には電子書籍で本を読む人が、主流になるでしょう。そうなったとき、noteは小学館や講談社が持たない、SNSという大きな武器を持った、新興出版社になれます。

閉じられた生態系ですから、電子書籍を購入した人にはポイント付与とか、浮気されづらい仕組みを作って、作家と読者を囲い込み、新規読者をゲットできる。その場合、自分をアドバイザーに雇えば、よろしくってよ! まぁ、冗談はともかく、それぐらいはnote側も考えているでしょう。個人的には、AIを使った自動総ルビ機能とか、そういうのを実装してほしいですが。ちなみに、X(旧Twitter)の広告収益分配は、半年ほどで二桁万円近く言ってるので、noteはTwitterと差別化できるとしたら、やはり書籍化のメリットでしょうね。

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