次世代地熱発電、国際核融合実験炉、水素などの話題

◉あまり需要のない、エネルギー関連ネタをまとめて。今回は、岩手県雫石の次世代地熱発電所の話題と、国際熱核実験炉の話題、そして北九州に水素エネルギーの供給網を置くというお話です。詳しくは、下記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、風力発電の風車とヒマワリの写真です。

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■雫石に次世代地熱発電■

まずは、地熱発電の話題。自分も、地熱発電にはベースロード電源になり得ると期待したのですが、調べてみると問題が多く。そもそも、火力発電も原子力発電も、やってることは蒸気機関車と同じで、熱によって水蒸気を生み出し、発電用のタービンを回すというもの。温泉の熱湯って、100度を超えるようなモノって、そもそも間欠泉とか、限られていて。冷泉を温めてる温泉も、けっこうあります。なので、アンモニアやフロンなど、沸点の低い液体を温泉で温めて、タービンを回すことも多く。ただ、この雫石町の地熱発電候補地、超臨界熱水があるようです。

【次世代地熱発電、岩手・雫石町有望 超臨界利用で産総研】日経新聞

産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所(FREA、福島県郡山市)などは次世代の地熱発電技術として注目される「超臨界地熱発電」について、有望な候補地を岩手県雫石町とする研究成果をまとめた。地下にあるマグマの上部に、高圧・高温の「超臨界」と呼ばれる状態になった熱水があることが分かった。

この熱水を取り出して発電すれば、従来の地熱発電に比べて最大5倍の発電出力を実現できる。2025年度にも掘削...

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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC25CM30V20C24A6000000/

従来の五倍。たぶん、日本最大の地熱発電所である、大分県の八丁原発電所の、5倍なのでしょう。出力11万キロワットの発電能力で、一般家庭約3万7千軒の需要を担う能力を持つのですが。5倍でも17万件程度。原子力発電所の原子炉1基で80-120万キロワットの出力が、いかに大きいか、解りますね。しかも雫石の超臨界熱水のような、こういう好条件の地域は、なかなかないのでしょうけれど。やはり、場所の候補が広がる高温岩体発電やマグマ発電の研究に期待ですが、いずれにしろもっと先の話でしょう。でも、火山帯国日本の、可能性として追究してもらいたいです。

■国際熱核実験炉が完成■

そして、核融合の話題。こちらの方もアメリカの研究が進み、大きな期待が寄せられています。水素原子を融合させることで得られる核融合は、核分裂より4倍のエネルギーを生み出します。核分裂の燃料ウラン1グラムは、石炭3トン分のエネルギーに相当すると言われますから。核融合だと単純計算で、石炭 12トン分にもなります。しかも それ自体は水素同位体のトリチウムですから。回収するのが難しいですが、世界中に膨大な量が存在します。まさに、夢のエネルギー。アメリカの方では、核融合発電の目処がたったので、石油の輸出に力を入れだしているという指摘もありますね。

【未来のエネルギー源となるか。核融合のための国際実験炉が完成】ギズモード・ジャパン

20年越しです。

国際熱核融合エネルギープロジェクトITER(イーター)は、核融合実験のための実験炉の準備が整った、と報じました。

ITERとは、核融合がエネルギー源として実現可能かどうかをテストする国際熱核実験炉を建設するための35カ国の共同プロジェクト。

そのITERのリリースによると、最初のプラズマを生成するための準備(実験開始の準備)が整ったとのことです。

https://www.gizmodo.jp/2024/07/iter-tokamak-completed.html

もちろん、まだまだ技術的な課題は大きく、やはり20年から30年はかかる研究 だとは思います。また実際に、核融合発電が実現したとしても、エネルギー問題はそれで万事解決かといえば、そんなこともないと思います。核分裂を用いた原子力発電はもちろんのこと、火力発電や水力発電も、まだまだこれから100年ぐらいのスパンで、重要な発電方式であり続けることは変わらないと思います。もっとも、文部科学省の有識者会議は10日、国際熱核融合実験炉(ITER)の工程の遅れを受けて、工程見直しになったようですね。先は長そうです。

■北九州に水素供給網■

最後は、北九州の響灘臨海部に、水素の供給も構築するというお話。北九州と言うと、かつては 鉄鋼の町というイメージだったのですが、産業的に衰退した部分もあり、北九州も人口減少に見舞われているのですが。こういう動きがあるんですね。元々、九州の流通の拠点でもあったわけですから、候補地としては適任ですね。海運というのは、少ない 燃料で膨大な量の物資を運搬するには、未だに最高の手法ですから。個人的には、水素エネルギーにはかなり 期待していますし、その供給網の構築は必須であると、考えています。

【水素供給網の構築、北九州で本格始動 国支援「千載一遇」】日経新聞

北九州市の響灘臨海部に水素のサプライチェーン(供給網)を構築するプロジェクトが本格的に動き出した。製造や貯蔵、供給といったインフラを整備し、2030年の供給開始を目指す。燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないエネルギーとして利活用しやすくし、立地する鉄鋼や化学など多様な産業の脱炭素化につなげる。

官民で23年5月に設立した福岡県水素拠点化推進協議会(北九州市)がこのほど事業化に向けた調査を始め...

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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC049A00U4A700C2000000/

水素とアンモニアは、これから核融合発電が成功しても、色んな分野で使えると思いますし。水素エンジンの船舶とか、自動車よりも普及すると思うんですよね。そういう意味では、北九州という開運の街で、拠点とするのは大きな意味があるかと。水素の大量郵送とか、島国日本の重要な運搬方法。パイプラインとかは、住民の反対も多そうですしね。個人的には、より安全性が高い第四世代原子炉の、高温ガス炉による水素生成が本格化すれば、各都道府県に高温ガス炉を作って電力の地産地消、水素の地産地消が理想ですけどね。でもまぁ、それは将来的な話ですから。

■原発は安くない■

こちらのニュースも紹介だけしておきます。そんなに再生可能エネルギーhが安いなら、再エネ賦課金は廃止したらいかがでしょうか?

【「原発『安い』」はウソだった? 政府、既設原発も資金支援へ】毎日新聞

 原発は「安い」――。国が原子力を推進するうえでの根拠となっていた原発の経済性とは矛盾する資金支援策が動き出した。安全対策などで原発のコストが膨らんだためで、政府は「新設」の原発に限っていた支援の対象を「既設」にまで広げる方針だ。いつの間に原発は「高い」電源となったのか。その負担は誰が負うのか。

https://mainichi.jp/articles/20240705/k00/00m/020/115000c

もうとっくに破綻した説を蒸し返し、有料記事で見せる。まぁ、意味があるとは思いませんね。


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