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マスコミの劣化が可視化される年初

◉上岡龍太郎さんがかつて、日本のテレビを評して「日本のメディアにはヒューマニズムがない。人間愛がない。なのに妙なセンチメンタリズムだけがあり、悲惨さを楽しもうとする」と指摘していました。人間愛がないのに、「おかわいそうに」のセンチメンタリズムがはびこり、お涙頂戴に走る。今回、イギリスのBBCやスペイン、トルコなどの報道機関がどう報じたかが、X(旧Twitter)で共有されましたが、外国法うがよほど的確に、今回の事故の背景と的確な誘導、機体構造など言及していたのがわかります。

【「早く出して」口々に叫ぶ子どもら 乗客が撮影したJAL機内の様子】朝日新聞

 東京都大田区の羽田空港で2日夕、日本航空(JAL)の旅客機が海上保安庁の航空機と衝突したとみられる事故。朝日新聞が入手した、乗客が撮影した映像には、脱出前の機内の様子が映っていた。
(中略)
 「早く出してください」。子どもや女性が口々に叫ぶ中、フライトアテンダントが上から下へと手を動かしながら着席をうながすような行動を取り、「ご協力お願いします」と叫ぶ。恐怖の中で乗客は席に座り、待機しているようだ。子どもの泣き声が聞こえ、頭を下げて身を守っている乗客も複数いる。
 「(ドアを)開ければいいじゃないですか」と泣き叫ぶ子どもの悲痛な声も聞こえた。(大塚晶、江戸川夏樹)

https://www.asahi.com/articles/ASS1274RNS12UTIL02Q.html?ref=tw_asahicom

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、

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■センセーショナリズム■

子供が騒いだからと言って、それが何だというのか? ファミレスなどで、大声で騒ぎ子供を叱れないバカ親と同じで、むしろ恥じて、注意を促すべきこと。まぁ、本文自体は割りと客観的で、これは新聞の見出しをつける生理部という部署が、センセーショナリズムを意識して、こういうセンチメンタルな見出しを付けたのでしょう。緊急状態の中、的確に脱出路を決定し、迅速に行動した客室乗務員の的確さをこそ報じるべきで、悪者探しして煽るような記事は論外です。こちらの記事も酷いもんでした。

JAL機と海保機の事故「管制官の指示聞き間違えか」 元機長が指摘

https://x.com/asahi/status/1742136168068829634?s=20

コミュニティノートも、転載しておきますね。

「管制官の指示聞き違えか」は元機長のいくつかの見解のうちのひとつです。記事の中で元機長はそれ以外の可能性についても指摘しています。

また、実際の事故原因はまだ明らかになっていないことに注意してください。
国土交通省航空局は、管制とのやり取りは確認中であり、事故原因は今後、運輸安全委員会などが調査していくとしています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240102/amp/k10014307361000.html

運輸安全委員会による航空事故の調査の流れは以下のページで説明されています。
https://www.mlit.go.jp/jtsb/jikoair.html

https://x.com/asahi/status/1742136168068829634?s=20

メディアの憶測とか、求めていませんから。下手な探偵ごっこも。文学青年崩れのような、下手くそな文章も。現時点で入手できる情報を、できるだけ角度をつけず、正確に報道する。それが、メディアの役割で。正義の使者なんて、求めていません。ただの民間企業なんですから。こうやって、旧メディアの見出し詐欺にコミュティノートが付き、信憑性をゴリゴリ削っていくのは良い傾向です。旧メディアも当たり前のことを、正確に、淡々と報じないと、10年以内に潰れますよ?

■素人以下の記者たち■

元朝日新聞記者の鮫島浩氏とかも、酷いもんですね。朝日新聞という組織に属していたときは、それでも社内の情報や朝日新聞の看板で一般人がアクセスできないような人や情報にも接することができたのでしょうけれども、そういう看板がなくなったら地金が出てくるようで。まぁ、独立したサラリーマンに、よくある話です。志賀原発についても、ちょっと調べればすぐ解る内容をポストし、早速ツッコミが入っています。

能登半島地震の津波で志賀原発の水位が3メートル上昇していた。
海側に設置している高さ4メートルの防潮壁は数センチ傾いていた。
本当に危なかった。
海水が原発敷地内になだれ込めば、福島第一原発事故の再来になりかねないところだった。(後略)

https://x.com/SamejimaH/status/1742384295183089798?s=20

これに対して、そもそも志賀原発は標高11メートルの敷地校があり、それにさらに防潮壁があり、15メートル以上の超大型津波でないと無理と、冷静なツッコミが。この人ほんとに、ジャーナリストかと。公式サイトに書いてあることさえ、ろくすっぽ調べない。

こちらのポストも、志賀原発の外部電源に対する無知を晒し、たちまち詳しい人に突っ込まれるという。

能登を震源とする震度7の地震で、志賀原発が外部から電気を受ける2つの系統うち50万ボルトの1系統が使えなくなったという。
もうひとつの27万5千ボルトの系統で必要な電源は確保されているということだが、極めて危険な事態だ。
林官房長官は当初「原発に異常はない」としていたが、原子力規制委がその後、外部電源1系統が使用不能になったと発表。政府の危機対応の脆弱さが露呈したといっていい。

https://x.com/SamejimaH/status/1741816016861356279?s=20

これに対しても、的確なツッコミが。

志賀原発への外部電源は50万ボルトのものが2回線、27.5万ボルトのものが2回線、6万ボルトのものが1回線の計5回線あり、
50万V1回線と27.5万Vの1回線計2回線に不具合が出ているだけです。
残り3回線が無事なので問題ありません。
仮に全部の回線が駄目になっても発電機があり、燃料も7日分あります。

https://x.com/sakurai_yuka/status/1742112836300800085?s=20

新聞記者とか編集者というのは、評論家と同じで。自分自身は何も生み出せない、自称の後追いをし、それを読者や視聴者に伝える立場でしかないわけです。ある意味で、専門性のないゼネラリストですが、政治家ならともかく記者や編集者のゼネラリストは、何者にもなれなかった無能の人に堕すことがほとんどです。だからこそ、スクープという勲章がほしいわけです。あめりかだと、ピューリッツァー賞なんて目標もありますしね。でも、裏方として情報を伝える水道管に徹するべきなんです。

■社会部記者視点の陥穽■

元読売新聞勤務の、芦辺拓先生の社会部記者に対する内側からの情報は、貴重です。

新聞社には「社会部記者視点」というのがあり、何も知らない市井のオッサンオバハンにわかるように書くには専門知識はむしろ邪魔になる、と。僕は文化部時代、インタビュー前に資料部に上がってその人に関する切り抜き記事を読むのが常でしたが、社会部上がりのデスクはいい顔してなかったみたいですね

https://x.com/ashibetaku/status/1742513006607749147?s=20

プロの素人というポジションは、自分は否定しません。

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