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新聞記者の甘えと傲慢
◉北海道新聞の記者が、大学側の要請を無視して校内に侵入し、建造物侵入容疑で逮捕されたようです。これ自体は、たぶん起訴にも至らない軽微なモノですが、コレに対する新聞記者の反応がいただけないです。
【北海道新聞記者 旭川医科大構内への建造物侵入容疑で逮捕】毎日新聞
北海道警旭川東署は22日、旭川市内に住む北海道新聞旭川支社の女性記者(22)を建造物侵入容疑で逮捕した。
同署によると、女性記者は22日午後4時半ごろ、同市の旭川医科大の構内で取材中、同大の職員に発見され、この職員に現行犯逮捕された。同大では学長の解任を審査する学長選考会議が開かれており、女性記者は会議の取材をしていた。「会議をしている場所を探していた」と話しているという。
北海道新聞、ネットの方では実名を報道していませんね。紙の方では、いちおう書いているようですが。毎日新聞や朝日新聞、読売新聞なども実名報道は避けていますね。
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■新聞記者は特権階級か?■
この件に対し、毎日新聞の宮崎俊樹記者のツイートが、プチ炎上しています。記者が個人の感想をいうのは構いませんし、むしろ読売新聞のように個人の発信を禁じているマスコミのほうが、言論の自由の観点でいかがなものかとさえ、自分は思います。しかし、言論の自由には当然ながら、〝言論の責任〟もセットで問われるわけです。
逮捕はやり過ぎではないか。取材自体は公益性のある行為なわけで、これは「正当が理由がないのに」という建造物侵入罪の構成要件を満たさないのでは?しかも逮捕されたのは22歳。新人記者で上司の指示の元に動いたと推察できる。逮捕の適否と共に道新の対応も問われるぞ。 https://t.co/Wv0uJUtPwg
— Toshiki Miyazaki (@TMiyazaki3415) June 22, 2021
公益性があれば、違法な行為も許されるはずもなし。事前通告を無視した行為に、正当な理由が何処にあるのか? 公益性があれば、違法行為もOK? んなわけないでしょ。
この逮捕による萎縮効果は凄まじいと思う。報道の自由が脅かされかねない。確かに当局が依頼したルールを守らなかったことに対する一定の批判はあるだろう。しかしながら、厳重注意や会見の参加拒否みたいなペナルティを課せば良いわけで、なぜ逮捕なの?証拠隠滅、逃亡の恐れがあると言えるの?
— Toshiki Miyazaki (@TMiyazaki3415) June 22, 2021
言ってることは、ロックンローラー清春氏と同じ。要は、自分たちが萎縮しないように、好き勝手言う権利を保証しろと。いやいや、好き勝手言う権利はありますってば。そして日本は、かなり言論の自由が認められている国です。言論のナンチャラランキングの順位はともかく。でも繰り返しますが、言論の自由には責任が伴う。この人達が言ってるのは、「無責任に、好き勝手言う社会を作れ」と言ってるだけ。そんなの言論の自由ではありません。
これはメディア各社も市民も連帯して「おかしい」と声を上げるべき事案ではないか。もちろん今回の取材の経緯や目的について事実関係を明らかするべきだし、メディアの取材の在り方にについて議論を重ねる必要はある。でも、この報道内容を読むかぎり、逮捕の必要性は全く感じられない。
— Toshiki Miyazaki (@TMiyazaki3415) June 22, 2021
要は、前科がついても自分は発言するという、覚悟がないだけでしょ。もちろん覚悟があれば何やっていいというわけじゃないです。それはテロリストを肯定するので。それでも罪は罪として甘んじて受ける、「千万人と雖も吾往かん」という信念や覚悟がなく、市民とか徒党を組まないと、モノも言えんのか、と。ちなみに、宮崎稔樹記者の書いた記事です。
5000棟以上が倒壊し、20人の死者が出た熊本県益城町に入ったのは地震発生1カ月後の5月14日。被災地でのメディアの強引な取材がネット上で「マスゴミ」などと批判されていた。心ない同業者の行為への憤りと悔しさを抱えながら取材を始めた。
はいはい、マスコミのダブルスタンダードの典型例と、そう感じちゃいますね。これはダメであれは問題なしって、ようは宮崎記者のお気持ちの問題ですよね。そんな恣意的な判断、現場でできるかっていうの、です。筑波大学の五十嵐一助教授が、大学に侵入した何者かによって、謎の死を遂げた事件を知らないわけでもありますまいに。
■朝日新聞記者が参戦■
すると、今度は朝日新聞の中村健太記者がこんなことを引用ツイートしていました。犯意があるかないかは、新聞記者が決めることではありません。ただの感想と言うなら、通達があったのに無視して侵入しているんですから、犯意は逆に明らかでしょう。立ち小便しちゃいけないと解ってる場所で、立ち小便したようなもので。この北海道新聞の記者が、夢遊病者ならともかく。夜回りを持ち出す意図が不明。夜回りは、他人の敷地に入るんですか? 家屋侵入するんですか? まずは北海道新聞と記者が説明を尽くすのが先でしょうに。
独断だろうが上司からの指示だろうが、取材として立ち入ったのだから犯意がないのは明白なはず。こんな逮捕を許してたら、「夜回りもストーカー規制法違反だ」とか言われかねないのではと心配してしまう。病院と道警はここまで踏み込んだのだから説明を尽くし、道新はしっかりとこの記者を守ってほしい https://t.co/qOJi7keA0l
— 中村建太(朝日新聞記者) (@n_kenta1995) June 22, 2021
■毎日新聞記者(別人)も参戦■
そして、毎日新聞の松岡大地記者が。「ちょっと建物に入ってみる」ですか? いやいや、不法侵入だっての。だいたい、記者証をぶら下げて侵入したんですかね? 例え記者証をぶら下げていても、それが本物か偽物かなんてわかりませんし、禁じられた場所に入るなら、それはまずゴメンナサイ、責任は取りますが先でしょうに。新人記者なら許されるとか、そういう問題は情状酌量の問題であって、逮捕が不当という話ではないです。
逮捕された記者は22歳。新人記者でしょうか?詳しいことは分かりませんが、ちょっと建物に入ってみる、みたいなことは若い記者ならあり得るのでは。詳しい説明がほしいですね。 https://t.co/XcsCaCHE8T
— 松岡大地(毎日新聞記者) (@SX8mbQU57DED8ua) June 22, 2021
いやいや、一般人としては新聞記者たちの神宝精神のなさ、特権階級意識、覚悟のなさに違和感しかありませんが。これが支局長というのですから。なるほど毎日新聞宮崎支局長が口蹄疫が発生したとき、状況を軽視して蔓延しかねない煽り記事を書いたのもわかります。
違和感しかない逮捕🤔 https://t.co/M2yAMX4vN6
— 石田 宗久 (@ISHIDA_Munehisa) June 22, 2021
何処の社の窓際記者かわかりませんが、おそらく五十路の先輩記者が困難感覚なら、業界に入る若者も、妙な特権意識ばかりを肥大化させるでしょうね。こんな無理筋な擁護をツイートする窓際記者も記者だが、壁耳なら良いって話か? 非公開なのに記者が聞かないとそんなにまずい議論だったのか? んなわけ無いですよね。
取材で大学建物内に入っていた記者を捕まえて警察に突き出す方も突き出す方だが、逮捕する警察も警察、それを「記者の女」として報道するテレビもテレビだ。恐らく会議室の廊下で「壁耳」してただけだろう。非公開といっても記者に聞かれたらそんなにまずい議論だったのか?https://t.co/GUTuQ2sUO5
— 窓際記者の独り言 (@fukutyonzoku) June 22, 2021
■東大法学部教授の意見■
玉井克哉東京大学教授が、この件に関しては的確な解説を加えていらっしゃいます。法学者であり、司法試験にも合格し弁護士登録もした、日本でもトップクラスの法の専門家。法学の素人である自分にはとてもわかり易い、まっとうな意見だと思うのですが、いかがでしょう? ちょっと長いですが、備忘録も兼ねて転載しておきます。
一般的な「表現の自由」と異なる「報道の自由」を報道機関に認めるのに一理あるとの立場を採るとしても、住居侵入罪にならない(違法性を一般的に阻却する)というのは無理だと思う。
— 玉井克哉(Katsuya TAMAI) (@tamai1961) June 23, 2021
また、仮に違法性を阻却するとしても、報道機関の記者と単なる不審者を区別することはできないので、逮捕は適法。
まず、大学というのは、不審者がけっこう多い。多くの学生が出入りし毎年メンバーが変わるわけなので。トイレの巡回監視に割ける予算も限られる。それを割けるには、場違いな人を排除するしかない。「記者だ」と名乗りさえすれば徘徊自由なんてルールを設けたら、ストーカー天国、変質者天国になる。
— 玉井克哉(Katsuya TAMAI) (@tamai1961) June 23, 2021
大学には、学生を含む構成員の安全に配慮する義務がある。「新聞記者だと名乗った者はけっして逮捕しない」というルールの下では、その義務が果たされない。
— 玉井克哉(Katsuya TAMAI) (@tamai1961) June 23, 2021
もう一つ、大学には、研究や実験のために種々の物品がある。高価な実験装置とか放射性物質とか危険な薬品とか、場所によっては劇薬、麻薬も。
見た目は単なるマウス(かわいい)けど数千万円の価値がある、ということも。その手の装置や物品に部外者を接触させるのなんて、ありえない。(無菌状態のマウスが死んでしまったりする。)
— 玉井克哉(Katsuya TAMAI) (@tamai1961) June 23, 2021
今回のケースは医大。器具も薬品もあっただろう。不審者を捕まえて警察に突き出すのって、当たり前だと思う。
「国立大学は開かれた存在でなければならない」というのは、近所の人がワンコを散歩させたり乳幼児の群れと保育士さん(らしき人)が遊んでいたりするという局面では正しい。でも、建物の中に入っちゃいけませんよ。会社の研究所や研修施設に勝手に入って取材する自由なんて、ないでしょ。それと同じ。
— 玉井克哉(Katsuya TAMAI) (@tamai1961) June 23, 2021
この際、新聞記者諸公には、大学の研究が、書籍やパソコンなどの汎用機器だけで足りる「文科系」だけではないこと、大学の教育は多数の学生の安全に配慮しつつ行われていることを、よく理解していただきたい。
— 玉井克哉(Katsuya TAMAI) (@tamai1961) June 23, 2021
医大では、これに患者さんの安全が加わる。感染源の自由な横行を許すなんて、ありえない。
個人的には、憲法にも明記されている表現の自由に対して、報道の自由なんて文言はございません。それは広く、報道の自由の中に包括される概念であり、であるならば一般人が朝日新聞や読売新聞の悪事を暴こうと建物の中に入ったら逮捕されるのが当然のように、この新人記者の行為もまた逮捕でしょうね。そして、逮捕は起訴や有罪判決とは別。きちんと謝罪すれば、それで終わりの話。伊是名夏子社民党常任幹事も、駅員への謝意や、死の危険性もある作業を事前連絡無しで強要したことを謝罪すれば、ここまで炎上はしなかったでしょうに。
■会社は社員を守るべき■
玉井克哉教授の意見を聞いた後では、朝日新聞中村健太記者のツイートも、虚しく響きますね。公共性のある場所でも、建物への侵入は立派な犯罪。観光ビザや就労ビザで来ている外国人なら、国外退去になりますよね。ただし、後半部分は賛成です。上司の指示があろうがなかろうが、会社としては、企業としては、社員を守るのは当然です。ただそれは、朝日新聞や産経新聞が、黒川健二町の賭け麻雀の相手の自社記者を匿名報道するとかではないのは、違いますけどね。
取材なら何でも許されるとは思いません。ただ、大学という公共性のある場に取材目的で立ち入ったことが「正当な理由のない侵入」とは言い切れないと考えます。身柄を取る必要があったのかも疑問です。平穏を乱す目的の行為なら別ですが、今回は社が全力でこの記者をバックアップすべき案件だと思います https://t.co/HDMrTH0jZe
— 中村建太(朝日新聞記者) (@n_kenta1995) June 22, 2021
■そして元読売新聞記者も■
会社の方針で、読売新聞は個人がTwitterアカウントを持つことを禁じているのですが。元読売新聞記者で現在はBuzzFeedの記者である、岩永直子記者もまた。しかし、養護している毎日・朝日・元読売の記者が、揃いも揃って「明らか」を連呼しているのに、驚きます。あなた達新聞記者様には、記者が特権階級なのは自明の理で、取材のために多少の違法行為は免罪されるべきだと? とんだ上級国民ですね。
これどういうことなのだろう。取材目的であることは明らかで逮捕は明らかにやり過ぎだろう。経緯を詳しく知りたい。
— 岩永直子 Naoko Iwanaga (@nonbeepanda) June 23, 2021
北海道新聞記者 旭川医科大構内への建造物侵入容疑で逮捕 | 毎日新聞 https://t.co/facxqpdI7r
新聞社はただのいち私企業。特権階級でもなければ、。もちろん、命がけで戦場などに出掛け、あるいは独裁者の不正を暴き、反社会勢力の問題を告発するなど、頭が下がる業績を残した人物はたくさんいます。その点では、パワハラの告発を受けた広河隆一氏も、戦場カメラマンとしての業績は評価しています。しかし、安全圏にいて、大学内部のカネと権力の問題を追いかけ回して、報道の自由とか。報道の自由は否定しませんが、その擁護は無理筋でしょうに。新聞記者様と世論の乖離を、自分などは勝手に感じましたけどね。
福島瑞穂社民党党首の内縁の夫である海渡雄一弁護士が理事長をつとめていたグリーンピースが、鯨肉の宅配便窃盗事件でも不法侵入と窃盗の罪で起訴されたのですが。あのトキも、正義の目的だったから無罪、と主張していました。目的の正しさは手段の違法性を正当化しない。当たり前ですね。伊是名夏子社民党常任幹事の問題でもそうですが、バリアフリー推進という目的を達成するために、非常識な言動を繰り返しては、法には触れていなくても、大衆の支持は得られません。
それが目的でないなら、新聞記者も社民党も指示はしませんけれど法律の範囲内でご自由に、としか。どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ
■追記■
朝日新聞の南彰記者が、苦笑と失笑を浴びています。勝手に主語を大きくして、公共の未来なんて言っていますが、まともな遵法精神もないのに、何を言ってるのでしょう? そう言えば、菅義偉内閣総理大臣の自助・共助・公助に左派は噛みつきましたが。記者個人にまともな自浄作用がなく、新聞業界の自浄作用もなく、そのくせ公共のと語る。思い上がりも甚だしいです。
不都合な領域に入り、報じる。
— 南 彰 / MINAMI Akira (@MINAMIAKIRA55) June 23, 2021
権力側に対し歓迎されざる行為を積み重ねるかどうかが、「報道」と「広報」の違いです。
とくに近年 #庁舎管理権 が拡大し、記者の排除が強まっています。
この女性記者を守ることは、日本の報道と、公共の、未来を守ることだと思います。https://t.co/eDzaj7aqZv
「立派な犯罪行為だ」という言説がとびかっていますが、被害者は誰のなのでしょうか?
— 南 彰 / MINAMI Akira (@MINAMIAKIRA55) June 23, 2021
立場の強い者によって「犯罪行為」の幅がどんどん広げられ、不都合な事実が見えにくくなる。
その結果、社会で暮らす私たちひとりひとりの目と耳をふさがれ、判断材料を奪われていく。
その被害の方が深刻です。
記者は「コントロールされない」ということが大切な仕事です。今回の逮捕が公然とまかりとおるようになれば、権限をもった者による情報操作がより容易な社会になってしまいます。
— 南 彰 / MINAMI Akira (@MINAMIAKIRA55) June 23, 2021
私はこの逮捕はおかしいと思います。#道新記者の逮捕に抗議します
コントロールされないって、それは権力や暴力によってであって、それは何も新聞記者だけでなく、日本国の憲法と法律を遵守するすべての国民が当たり前に持ってる権利です。それを越える、不逮捕特権や治外法権を寄こせと言ってる等しいですね。この方が #道新記者の逮捕に抗議します のタグを作っていますが、すっかり大喜利のネタにされていて、Twitter民の成熟と新聞記者の未熟を痛感します。珍論は笑ってやるにしくはなし。
売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ