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エネルギー問題:脱炭素社会とグリーン水素とメタンと

◉エネルギー関連の話題をいくつかまとめて。今回はちょうど、脱炭素社会云々の言説の裏側と、天然ガス関連の話題が重なったので、いい感じですね。欧米社会は脱炭素とか声高に叫びますが、これって「指桑罵槐」なんですよね。桑の木を指差して槐の木を罵る。脱炭素社会と言いながら、実際に指差しているのは天然ガスの利用。ここを見ないと、鵜呑みにした日本の妙な活動家に引っ掻き回されて、かえって国益を失うでしょう。

【「脱炭素」ブームのウラで、いま世界で起きている「本当にヤバすぎる真実」】現代ビジネス

「脱炭素」のウラで「本当に起きていること」
「温室効果ガスの排出を2050年までに実質ゼロとし、脱炭素社会を実現する」
菅義偉首相は昨年11月のG20サミットでこう宣言し、世界的な脱炭素の流れに遅れまい、という姿勢を国内外にアピールした。
ところが、このウラで欧州の石油メジャーやロシアが石油やガスの開発をせっせと進めていることをご存知だろうか。

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カットは高浜原発だそうです。noteのギャラリーから挿入。

■石油は30年で枯渇する?■

詳しくは、上記リンク先の記事全文を読み、自分で判断していただくとして。自分にとって重要なのは〝2020年の年間設備投資130億ドルのうち再生可能エネルギーは20億ドルに過ぎず、残りは石油や天然ガスだ。〟という部分ですかね。石油はあと30年でなくなると、オイルショックがあった自分がガキの頃の1970年代から、ずっとずっとずぅ~っと言われていますが。それをまともに信じた人は、馬鹿を見たわけで。現実は永遠の30年。今では50年ですが。

石油はあと50年、天然ガスは52年、石炭は153年と、2016年の時点で言われています。石油の有機由来説と無機由来説は、まだまだ確定はしていませんが。主流の有機由来説───古代の生物の死骸などが元になっているという説を採用しても。地球の30%しかない陸上の、そのまた砂漠や高山以外の一部にしか繁茂しなかった植物由来の石炭が153年も保つのに、それよりも広範な海域で生成されたであろう石油が、50年というのはおかしいですよね。

■グリーン水素の問題点■

石油の産油国にかなり偏りがあるのに対して、天然ガスはまだしも世界中から出ているのは、元記事にある通り。ロシアが6120億立方メートルでアメリカが5240億立方メートルと多いですが、その他が1兆7340億立方メートルと、かなり偏在しています。ちなみに日本は意外なことに、関東地方だけでも埋蔵量は4000億立方メートル以上あると推定されていたりします。石油や天然ガスがメタンハイドレートなどが由来だとすると、こちらも200~300年ぐらいは平気で持ちそうな。

【技術で先行する日本の「グリーン水素」は世界の潮流に乗れるか】MIT Technology Review

世界各国がカーボンニュートラルに向けて、水素エネルギーを重要な選択肢とする中、日本もまたこの分野への投資を拡大している。日本は水素利用においては他国よりも技術面で先行しているが、その優位性を生かせるかどうかが問われている。

上記リンク先の天然ガスにまつわる記事を読んだ上で、こちらの記事を読むと、いろいろと見方が変わりますね。現状の水素は水を電気分解して得られるようなものではなく、化石燃料である天然ガスを元にしたもの。ある意味で非効率的ではありますが、現状ではもっとも効率的でもある、と? 個人的にはこの、天然ガスから水素を取り出して使う技術というのは、将来的に人工光合成で生成した蟻酸から水素を取り出す技術とも、地続きです。

■日本にできることと可能性■

とはいえ、世界的な平均日照時間よりも短い高温多湿な日本では、そもそも太陽光発電も人工光合成も、主たるエネルギー源としては難しいでしょうね。これは台風銀座で風力発電も難しいのと併せて、環境的な問題ですから。であるならば、日本は人工光合成の技術を作って世界に輸出し、あるいは下記の記事で紹介されているような、カーボンナノチューブなどの素材研究の強みを生かして、世界に貢献するのが良いでしょう。技術立国日本。

【エア・ウォーター、メタンから水素製造 戸田工業と研究】日経新聞

産業ガス大手のエア・ウォーターは7日、素材メーカーの戸田工業と水素製造システムの共同研究を始めたと発表した。戸田工業が開発する鉄系の触媒を使い、メタンガスから二酸化炭素(CO2)を出さずに水素を製造するシステムを開発する。2023年2月末まで研究を進め、24年ごろの実用化を目指す。
戸田工業の大竹事業所(広島県大竹市)で研究を進める。鉄系の触媒を高温でメタンガスと反応させて、水素とカーボンナノチューブ(CNT)と呼ばれる固体の炭素を生成する。エア・ウォーターは水素の精製装置を開発し、高い純度の水素を効率よく取り出せるようにする。

もうひとつ可能性があるとしたら、それは領土+領海+排他的経済数域の広さでは約447万平方キロもあり、国土面積38万平方キロの約12倍の広さを持っていますから。ひとつ可能性があるとすれば洋上太陽光発電でしょうかね。メンテナンスの問題や、これまた台風対策など問題は山積ですが、石油・背天然ガス・石炭・ウランなどなど、まだまだエネルギー源は保つことを前提に、長いスパンで研究するしかないでしょうね。

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