放射性廃棄物を蓄電池や発電に利用
◉放射性廃棄物を蓄電池や発電に利用したり、白金族元素などを分離・回収したりする技術を、2035年度までに開発すると、日本原子力研究開発機構が目標を発表したようで。放射脳な方々が、またぞろ「被爆が〜!」と騒ぎそうですが、放射性物質の崩壊する時に発する熱などを利用した原子力電池自体は、実はアポロ計画の頃から既に、実用化されている技術ではあるんですよね。
ヘッダーはWikipediaのフォトギャラリーより、白金の写真です。
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■核技術の平和利用■
2035年といえば11年後ですが、これって割と現実的な数字ですね。アメリカやイギリスは2029年に、より安全性が高い第4世代原子炉のひとつである、高温ガス炉の商業用炉の実用化を、目指しています。日本でも2035年頃には運用されている可能性はありますから、そのような原子力利用の観点からも、今のうちから研究を進めておくのは重要ですね。
青森県六ケ所村の、最終工場の建設が遅れているのは問題ですが、原子力規制委員会からは2020年に新規制基準に適合していると、お墨付きは出ているので。日本は大量のプルトニウムを保持しており、ロシアや中国や北朝鮮の権威主義国家から見ると、核兵器を密かに開発しているのではないかと、疑う理由になるようですが。自分たちがそういう国なので。
現実問題として、日本には大陸間弾道弾に応用できるロケット技術もありますから。ウランの濃縮と原子爆弾の開発自体は、日本の科学技術的にはそう難しくはありませんから。将来的には世論が変わるかもしれませんが、少なくとも 現在の日本は核兵器を放棄した国として、原子力の平和利用を推進する立場であるべきだと思いますので。このような 科学技術の開発は、ウェルカムです。
■素材研究が日本の強み■
技術的にも、日本独自の技術を開発しようとしており、そういう面でも期待したいですね。日本自体の武器は、やはり人材と科学技術。将来的には、石油やレアアースなどの地下資源が開発される可能性はあるにしても、現時点では潤沢なエネルギー資源があるわけではない国ですから。少子高齢化する時代にあって、人材はますます 貴重な財産ですから。
日本の科学技術は化学方面、特に素材研究に関しては、未だに世界トップクラスですから。カーボンナノチューブが、ノーベル賞に最も近い研究と呼ばれますが。ウランイオン電解液の開発とか、こういう方面の研究でも力を入れて欲しいですね。上に挙げた第4世代炉も、核燃料を黒鉛で覆った仁丹のような燃料を用いるのですが、こういう部分でも素材研究は、生きていくるんですよね。
■化学を軸にした学際研究■
日本の場合、官公庁がの広報が下手くそ、という問題があります。というか、戦前からずっとマスコミの力が大きすぎて、文系出身の新聞記者には化学音痴が多いため、こういう科学技術をきちんと検証し、わかりやすく読者に報じるいう姿勢に、かけています。こちらの原子力電池の研究とか、素材研究との兼ね合いでも、かなり興味深い内容に思えるのですが。
高価なプラチナを使うので、規模の拡大にはいろいろとハードルがあるでしょうけれど。日本の素材研究を見ていると、そのような希少で高価な物質を用いたものから、安価な代替物の研究で画期的なものを生み出すことが多いんですよね。尖閣 衝突問題からの、中国のレアアース輸出規制 という嫌がらせにも、再利用や代替物質の開発などで、対抗したように。
何度か書いていますが、日本の縄文式土器や北海道で発見された漆器は、世界最高である可能性が高いんですよね。日本人はもともとそういう化学的な研究が強い 伝統があるので。ゼロの概念を発見し、瞑想の文化があり、さらに2桁の九九があるインドで、IT系の世界的な研究者や技術者を多数排出しているのは、偶然ではないように。伝統と文化の蓄積は科学でも力を発揮します。
■反文明の愚かしさ■
チャップリンの『モダン・タイムス』の昔から、進みすぎた科学や文明に対する、警句を発する作品は多いです。高畑勲監督の『平成狸合戦ぽんぽこ』や『ゴジラ』もそうですし、古いところではメアリー・シェリーの『フランケンシュタイン(原題は『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』)』など多数。昔の宮崎駿監督作品は、それがテーマになることも多かったです。
こういう、自分自身が科学や文明についていけないため、それ自体を不安視したり敵視したりする考えというのは、いつの時代もあります。江戸時代の最盛期である元禄時代、こんな爛熟した文明は嫌だと、山中で隠遁生活を送る人がいたとか。しかし現代科学の目から見たら、元禄時代なんて虫歯ひとつまともに治療ができない、そんな時代です。
『モダン・タイムス』も、現代科学の目から見たら全然進みすぎた文明ではありませんよね? 作中の爆笑シーンである自動給食マシーンも、現代ならば介護用の機械として、十分に実用化できますし、むしろ今後は必要とされる技術でもあります。科学技術の問題を克服するのもまた、科学技術です。科学技術を否定しても、平均寿命30歳の古代に戻るだけです。
■高レベル放射性廃棄物■
ウランやプルトニウムの再処理によって、原子力発電用の燃料に再利用し、原子力電池などの再利用研究開発を進め。高レベル放射性廃棄物はしっかり管理する。そこが大事かと。まぁ、この高レベル放射性廃棄物という言葉もまた、劣化ウラン弾と同じで、科学音痴の放射脳な方々が、過剰反応するのですが。高レベル放射性廃棄物は、ガラス固化体にされます。
30~50年貯蔵・冷却した後、300メートル以上の深地下に、金属や粘土を組み合わせた多重バリアシステムでガードされ、数万年以上も隔離されます。大地震などで それが地表に出てきたらどうするんだという人もいますが。地下300メートルのものが地表に出てくる大地震って、たぶん人類が滅亡するレベルの地震ですよ? 前科者の辻元清美議員並みの、科学音痴です。
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