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選択的夫婦別姓の支持率

◉選択的夫婦別姓に関しては、マスコミによってアンケートの質問項目が選択肢が偏っていて、非常に問題だと思うことが多いです。必要な選択肢がなかったり、回答を誘導するような設問だったり。賛成するにしても反対するにしても、その理由は多種多様で、大雑把に賛成か反対かでまとめて、左派系の新聞などは「ほらこんなに賛成派が多いです!」と、喧伝しているように感じます。内閣府も、質問の仕方を変えたようで。

【選択的夫婦別姓支持は3割以下 内閣府調査】産経新聞

 内閣府は25日付で「家族の法制に関する世論調査」の結果を発表した。夫婦の姓に関し、選択的夫婦別姓制度導入を求める回答は28・9%にとどまった。現行の夫婦同姓制度を維持した上で、旧姓の通称使用を制度化すべきだとの回答が42・2%に上った。
 調査はおおむね5年ごとに実施。前回平成29年から設問を大きく変えたため単純比較できないが、選択的夫婦別姓を選んだ割合は42・5%から大きく減少した。設問は3つの選択肢から選ぶ形式で、残りの「夫婦同姓制度を維持した方がよい」は27・0%だった。

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、夫婦別姓で検索したら、ヒットしました。

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■個人的な経験から■

自分は基本的に、選択的夫婦別姓には反対です。あくまでも基本的に、ですが。Twitterなどでも何回か書いていますが、自分の友人の弟が、母方の姓を継ぐために外祖父の養子となり、兄弟で苗字が違うという例がありました。そういう状況になると、例えば兄弟喧嘩などをした時に、感情的になってつい苗字が違うことをからかったりしてしまう。小学生だと、なんで〇〇ちゃんはお兄さんたちと苗字が違うのと、無遠慮に聞いてくる。傷つきますよね?

多分これは中学生や高校生でも、同じような心の傷になるでしょうね。自分の周囲にも、選択的夫婦別姓に賛成する人はいますが、これらに共通するのは子供がいない夫婦ということ。「うちの家族は選択的夫婦別姓でもうまくいっています!」というかたもいらっしゃるでしょうけれど、家族の中で父親だけ・母親だけ姓が違う、兄妹姉妹間で姓が違うとか、簡単に一般化できるかは疑問です。夏目漱石も、幼児期に養子に出されたのが、心の傷になっていますし。

■日本の伝統は夫婦別姓■

そういえば、福島瑞穂社民党党首のご家庭は事実婚で、事実上の夫婦別姓を選択されていましたと思いますが。お子さん達がどちらの姓を名乗っていたか、検索してみましたがよく分かりませんでした。プライベートのことを公表する必要はありませんが、それを制度として推進している側の方が、しかもかつては野党第一党であった伝統ある政党の党首が、そこをオープンにしていないとしたら、疑問に思います。

そもそも夫婦同姓というのは、日本の伝統ではありません。鎌倉殿の13人でもわかるように、北条政子は結婚しても北条政子ですし、日野富子は結婚しても日野富子です。つまり日本の武家は、平安時代からずっと夫婦別姓だったのが分かります。そして、光明皇后もう藤三娘と署名している記録が残っていますから、平安時代の貴族も同じく夫婦別姓であったことが推測できます。日本では、血筋を重んじる階層では夫婦別姓が伝統。

ニワカ右翼が夫婦同姓は日本の伝統と言いますが、それは正しくありません。

■本貫と家父長制と■

これは多分に、中華帝国の本貫による夫婦別姓を取り入れた結果でしょう。中国の文化は儒教などを見ても、先祖崇拝の文化です。自分の先祖を祭り、大切にするというのは血統を重んじる文化。そうなると奥さんというのは別の血統の人間であり、結婚しても自分の血統には入れないということになってしまいます。これってむしろ、家父長制を強化するものではないでしょうか? 

事実、同じように本貫制度があり、夫婦別姓の文化である韓国での父権の強さは、日本とは比べ物になりません。もちろんこの家父長制は別の面もあり、父親や長男の権限が強いがゆえに、息子が家をついて亭主が亡くなる頃には、母親の権限がものすごく巨大になります。亭主関白と言われる九州でもそうですが、息子に対する母親の権限はかなり強いです。こういう構造があるからこそ、文定王后や閔妃が権力を持ったわけで。

■夫婦同姓は庶民が勝ち取った■

ではなぜ、現代の日本では夫婦同姓が当たり前になったのか? 下級武士が中心となって明治維新を成し遂げ、そのメンバーが作り上げた明治新政府は、武家の伝統に則って夫婦別姓で行こうとしていました。ところが大衆は夫婦同姓を選択し、なし崩し的に夫婦同姓を追認することになってしまいます。そう、夫婦同姓は政府の方針に大衆が逆らって、結果的に獲得した非常に民主的な制度なのです。

「私の名字を結婚によって奪われた」と言っても、それって90何%があなたの父親の苗字ですよね? そう考えると、例えばパスポートであったり仕事場であったり、そういう場所での急性の平気であったり通名の使用で、十分に対応できると思うのですが? あるいはマイナンバー制度をさらに拡張した、銀行口座と紐付けした国民総背番号制度で。国民総背番号制制度の導入とセットで選択的夫婦別姓を提案すれば、保守系の政治家も財務省も大賛成するかもしれませんよ?

でもそれは絶対に嫌がる不思議。

■通名と国民総背番号制度■

自分の友人の在日コリアンには、本名を使っている人もいれば通名の方もいます。在日外国人が通名で生活してもほとんど不自由がないのですから、日本人が結婚してどちらかの姓になったとしても、通名で十分に対応できるような気がするのですが……。官公庁が納税や選挙や年金など通名に対応したシステムを管理すれば、効率的な部分での変更は、ほとんど問題がないと思います。国民総背番号制に類似したものは、韓国でも導入していますね。

全部がそうだなどと、極論を言う気はさらさらないですが、どうにも福島瑞穂社民党党首をはじめとした選択的夫婦別姓導入論者というのは、政府の権限を少しでも弱めることが社会正義だと思い込んでいる、反体制派が多いような気がします。選択的夫婦別姓は目的ではなく手段に見えます。ここら辺の議論は死刑制度廃止も含めて、どうか議論していますので繰り返しませんが。「野党の役割は代案を出すことではない」って、ためにする反対と同じでは?

繰り返しますが、選択的夫婦別姓は強制的親子別姓です。どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

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