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朝日新聞の右旋回?

◉朝日新聞の土居貴輝編集委員が、気持ちの悪い文章を書いています。朝日新聞に限らず、新聞業界は文学青年崩れのような、情緒的な駄文を名分と褒めそやす悪癖があります。小説を書く訓練を受けたわけでもないのに、本業の記事でちゃんと情報を伝えず、下手な文章を書く。記事でさえない。今回は、カギカッコの会話から始まるタイプで、コレまた典型例ですね。文章講座なら、素人がやりがちな 例として、最初に出てくるんですが。

【洋上にみえた中国海軍の艦 空母化しつつある「いずも」で見た神経戦】朝日新聞

事実上の「空母化」が進む海上自衛隊最大の護衛艦いずも。今夏、インド太平洋の海域を3カ月半にわたって航行しました。この航海に同乗して見えた、いずもの現状や、海洋進出を強める中国とせめぎ合う安全保障の「最前線」を報告します。

https://www.asahi.com/articles/ASRC62VX9R9WTOLB010.html

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、110がたかなみ型たかなみ,111が同級おおなみだそうです。

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■空母と呼ぶなかれ■

事実上の空母化などと、朝日新聞は書きますが、軍事音痴丸出しですね。空母とは航空母艦の略称ですが、固定翼機が離着陸できれば空母、なんて雑な話はなく。同じように F-35Bが離着陸できるアメリカ級強襲揚陸艦などが存在しますから。くだらない、小説的な文字を入れるよりも、正確な情報を端的に、読者に示すの心がけた方が、良いのではないでしょうか?

空母と言っても、アメリカの原子力空母のような10万トンを超える大型の正規空母もあれば、英国のクイーン・エリザベス級航空母艦のような67000トンほどの軽空母もあります。こちらはカタパルトを備えておらず、スキージャンプ方式を採用していますし。アメリカ級強襲揚陸艦は45000トン、日本のいずも型護衛艦は26000トンと、大きさがそもそも全く違います。空母で雑にくくってはいけない理由です。

むしろ、こういう空母幻想を煽ることが危険です。日本には、正規空母は必要ないですし、そもそも運用ができません。フランスや韓国のように、見栄を張って1隻とか正規空母や強襲揚陸艦を置いても、大艦巨砲主義ならぬ正規空母主義で無意味です。空母は最低3隻でローテーションさせねばなりませんから。それよりも、日本は1万4125ものの島嶼により構成され、有人離島は256島もありますから、強襲揚陸艦を4隻とかにして、ローテーションできるような体制が現実的です。有料部分で、そういう議論をしているといいのですが。たぶん無理

■右旋回の危険性?■

有料部分を読む気もないですが、朝日新聞のいつもの反戦仕草ではあるのですが。でも、ロシア連邦軍のウクライナ侵攻以来、憲法九条教がボロボロになりつつあるのも、また事実。朝日新聞OBだった稲垣武氏は生前、部数減で朝日は右旋回すると予言されていましたが。植村隆記者が辞職した途端、慰安婦問題の非を認めた時点で、右旋回は始まっていたと、自分は思います。社員なら組合がうるさかったでしょうから。

この文学青年崩れの下手くそな記事も、リード部分はいつもの朝日新聞仕草でありながら、日中の対立を既成事実としてスタートしてる点が、重要です。ガラッと右旋回するのではなく、ヒットアンドアウェイで、じょじょに右旋回。そのがめの仕掛けが、文学青年崩れの記事。朝日新聞が論理(ロジック)を情緒で押し流すときの、常套手段ですから。朝日が右旋回して中道になるなら歓迎という人もいるでしょう。でも、朝日が右旋回すると、日本保守党的な方向に行く可能性が、高いと思いますよ?

朝日新聞の歴史を見ても、満州事変に批判的な報道をしたら、大きく部数を落とし。これに腰が引けて戦争翼賛に右旋回したら、部数がぐんぐん増え、終戦までに倍増してしまいました。朝日新聞OBの細川隆元氏も自著で、戦局押し迫った時期も銀座でどんちゃん騒ぎをしていたと欠いています。名作『はだしのゲン』では、三菱などが儲かったように描かれていますが、実際は総動員体制でボロ儲けは難しく。本当に儲かったのは、朝日新聞や毎日新聞などの、マスコミでした。

■されど現実は進む■

こちらの記事でも空母と、雑な使い方をしていますから、朝日新聞だけではないのですが。でも、こういう記事は朝日新聞の文学青年崩れの駄文と違って、情報を情報として、ちゃんと伝えてくれているので、情報としての価値は高いんですよね。土居貴輝編集委員の記事も、ポエムとしては価値が高いのかも知れませんが。日本が、強襲揚陸艦とも呼べないような艦艇を改造して、F-35Bが離発着できるようになったからといって、それで大きく変わるわけではないですが。こういう新兵器の出現は、ゲームチェンジャーになれるかも知れませんから。

【ポルトガル海軍「画期的な無人機空母」を発注! 資金の一部に「新型コロナの補助金」を活用!?】乗りものニュース

無人機や医療コンテナを収容できる艦艇
 オランダの造船会社であるダーメン・グループは2023年11月24日、ポルトガル海軍と革新的な、多目的艦を提供する契約を結んだと発表しました。

 ダーメンが建造するのは、全長107mで空母のような飛行甲板を持つ多目的艦とのことで、無人偵察機やヘリコプターを配備する計画となっています。

 ほかにも、UUV(無人潜水艇)やUSV(無人水上艇)用の格納庫も備え、海軍での通常任務のほか、海洋調査、捜索救助、緊急救援なども担うことが計画されており、甲板上には、コンテナ型の病院施設や高気圧室を設置することも想定されています。ポルトガル海軍では同艦の分類を「多機能海軍プラットフォーム(PNM)」と呼称しています。

https://trafficnews.jp/post/129613

日本も、ウクライナ侵攻で軍備に関する意識が、ガラッと変わりました。2020東京五輪も、開催前はマスコミの世論調査では、中止や延期が過半数を大きく超えていましたが、いざ開催されれば、肯定的な意見が多数だったように。ここらへんは、たぶん大阪万博も似た流れになるかも知れませんが。けっきょく、尻に火がつかないと動かない、保守的な部分が日本人にはあります。動き出すと迅速ですが、それが往々にして拙速に流れ、泥縄的にやるために将来に禍根を残す制度の設計ミスも多々あります。そういう意味で、朝日新聞は拙速や泥縄のブースターになる存在。

ただ、昔ほどは影響力はなくなっています。逆に、個人アカウントのインフルエンサーが影響力を持ち、これまた暴走や拙速や泥縄のブースターになりつつありますが。ただ、朝日新聞という組織の匿名性に隠れて、やりたい放題だった朝日新聞よりも、そういうインフルエンサーは責任を問いやすい面もありますから。そこに期待はします。朝日新聞には、期待しませんが。

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