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発電ネタ2題

◉メルトダウンしづらい構造で安全性が高い第4世代の原子炉と、高温ガス炉と、小型モジュール炉(Small Modular Reactor)は混同されがちですが。重なる部分は多々あるのですが、本来は別の概念ですね。ウェブサイトのトップページをホームページと呼ぶのが、いつのまにかサイト自体の意味に変質するようなのと一緒で。東芝が開発中のこちらは、高温ガス炉で小型モジュール炉。燃料使い切りタイプのようですね。

【東芝がヒートパイプ冷却の小型原子炉、20年間燃料交換要らず】日経クロステック

 東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS、川崎市)が小型原子炉「MoveluX(ムーブルクス)」の開発を進めている(図1)。いわゆる小型モジュール炉(SMR)の一種で、主要部品は海上コンテナわずか2個分の体積に収まる。小型かつ高温を取り出せるのが特徴で、建設地の選択肢が広がる他、燃料交換なしで長期間運転できる。へき地における電源や水素製造の熱源としての利用を想定する。

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02298/121300002/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、送電線の写真です。

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■地方の発電にも有利?■

これはコンパクトでいいですね。もともと、第4世代炉の高温ガス炉は、出力自体は第3世代の原子量の1/3程度しかないのですが。大きさがコンパクトであることと、固い岩盤と冷却水を必要としない点が大きいです。鉄骨とコンクリートの塊である旧来の原子炉は、できれば第三紀以前の古くて硬い岩盤が必要ですから。福井や福島はもちろん、北海道の泊原発や島根原発、川内原発などの近くで恐竜化石や貝化石がたくさん出土するのは、ちゃんと理由があるのです。

小型でコンパクトな上に、そもそも原子力の各部分を工場でバラバラに製造し、現地で組み立てて製造するという点で、建築コストもグッと抑えられるんですよね。第3世代の原子炉はひとつひとつ独自設計で建造する感じですから。そのぶんコストもかかるんですよね。しかし東芝もうこちらに小型モジュール炉、トレーラー2台分と、更にコンパクトですね。こういうのは人口の少ない地方の発電に寄与しそうですね。

■地熱発電の可能性■

もうひとつ、地熱発電の話題も。個人的には地熱発電に期待した時期もあったのですが。夜になると発電できないソーラーパネルや、安定した風が吹きづらい日本の環境では期待できない風力発電に比較して、地熱発電の方が未だベース電源になり得ると思ったのですが。そもそもの発電量がさほど高くなく、ボーリング調査だけで数千億円から兆単位の資金が必要。さらにメンテナンスも、かな〜りめんどくさいということが、わかりましたので。

【東芝、地熱発電の運営参入 10年越しで難所克服】日経ビジネス

温泉地の観光と地熱発電は共存できるのか――。この難題に自ら取り組もうと、東芝は中部電力とタッグを組んだ。開発に10年かけてきた地熱発電所の事業運営は、今月やっとスタートした。活火山の多い日本は世界有数の地熱資源大国だが、2%しか発電に生かせていない。地元とうまく共存して、利用増加につなげられるだろうか。

同上

地熱発電の熱源となる火山地帯は、意外と九州と東北北海道の一部地域に偏っていますし。もちろん温泉地は日本全国にあるのですが、地熱発電に使用するとなると温泉地の源泉が告発する危険性もありますから。もちろん技術的な部分が克服されたりすると、世界有数の火山国である日本は、非常に有望な地熱発電の好適地にはなるのですが。こちらにはあまり期待しすぎない方が良さげです。ヘタをするとアメリカの核融合発電の方が先かもしれませんからね。

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