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李琴峰さん芥川賞受賞

◉スゴいですね。日本国籍以外の受賞者は、直木三十五賞だと陳舜臣先生や邱永漢先生、伊集院静先生などがいらっしゃいますし。芥川賞だと李恢成先生や柳美里先生などいらっしゃいますが。皆さん、生まれは日本でネイティブの日本語話者だったり、母親が日本人だったりですからね。台湾のネイティブで、大学卒業後に来日されて芥川賞って、難しいでしょう。おめでとうございますm(_ _)m

【「台湾人史上初」と報道 李琴峰さんの芥川賞受賞】産経新聞

 15日付の台湾各紙は、台湾出身の李琴峰さんが14日に芥川賞受賞者に決まったことを「台湾人として史上初」などと写真付きで大きく報じた。日本語を母語としない作家としては2人目の受賞とも伝えた。
各紙は李さんが15歳で日本語を学び始め、台湾大で日本文学と中国文学を専攻し、23歳で来日して早稲田大大学院で学んだことなどを紹介。受賞作の「彼岸花が咲く島」が今年の三島由紀夫賞の候補になったことも伝えた。

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■文学と翻訳の距離■

ただ思えば、魯迅は日本に留学して、大文学者になりましたが。中国に白話文の伝統が弱かったため、まずいったん日本語で小説を書き、それを中国語に直していたとか。それもスゴいですけどね。で、日本の文学者。二葉亭四迷は東京外国語学校(東京外語大)ロシア語学科中退ですが、ロシア文学の翻訳を手掛けていますし。夏目漱石はイギリス留学組、森鷗外はドイツ留学組と、語学に堪能なんですよね。

自分などは、英語が全然ダメでしたが。外国の言語を深く学び、理解すると、自国の言語の構造に対する理解も深まるのは、間違いないですし。李琴峰さんも翻訳の仕事もされているようで。村上春樹氏が、英語に翻訳しやすい文章で書いてるとされますが、氏も英語に堪能で『ライ麦畑でつかまえて』の新訳をされていたり。日本語と中国語には語彙の共通性もありますが、語順も違いますしね。

■東アジア文学の可能性■

自分は、東アジアは文学のポテンシャルは昔から大きいと思ってるので。欧米の文学は確かに素晴らしいですが、アジアにも長きに渡る詩文や小説の文化がありますからね。自分は、玄宗と楊貴妃の物語を題材にして白居易が著した長編の漢詩『長恨歌』や、宮廷の恋愛ドラマを描いた『源氏物語』のような部分に、禁欲的なキリスト教をベースにした欧米文学とは異なる可能性を見ます。

中国では現在、ラノベがスゴい勢いで成長中だそうですし。純文学好きのアホンダラ様は、ラノベを下に見がちですが、そういう分厚い小説好きの上に、文化は花開くのです。それは、マンガでも同じ。こちらも純文学好きのアホンダラ様は馬鹿にしますが、萩尾元先生や吉田秋生先生とか、100年後には清少納言や紫式部や樋口一葉と同じ、上流文学者の系譜で語られると思っていますので。

■英語一辺倒の見直し■

コレは知りませんでしたが、日本語の圧縮能力って、Twitterの140文字でもスゴい情報量を乗せられるんですよね。コレは、漢字文化圏ではだいたい同じだと思います。韓国や北朝鮮が、小中華事大主義の反動から、民族主義が過熱しすぎてハングルオンリーになって漢字を捨ててしまったのは残念ですが。漢字の大事さを解っている韓国人作家から、新しい才能が出ることに期待です。

日本の翻訳者はスゴくレベルが高く、外国文学のみならず、大概の研究書も日本語で読めるという、ありがたい状況です。自分は語学はダメダメですが、でもだからこそ語学の重要性を知る者です。文部科学省は英語教育一辺倒ですが、自分などはむしろ文系の高専として、語学高専を作って、英仏独西露蘭葡などのメジャーな欧米各国の言語以外にも、人材を育てるべきだと思うんですけどね。

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