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倫理観や道徳と宗教の話

下書きを、ちゃんと記事にしようシリーズ。発端は、こちらのツイートでした。去年の6月から、半年ほど放置していましたが。たまった下書きを、順次消化したいので。

自分も基本は賛成ですが、コレもまた禁欲的なユダヤ・キリスト教系の宗教の倫理観との対立が根底にあるからなぁ……という感想です。論理の問題ではなく感情の、文化の違いの、宗教的倫理観の問題ですから。

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■宗教は環境に左右される■

キリスト教の七つの大罪の内、4つが貪欲や怠惰に類するモノです。理由は簡単で、ユダヤ教が生まれた環境がそれだけ厳しく、浪費や怠惰や多産は死に直結するからです。

七つの大罪
・傲慢 superbia pride
・強欲 avaritia greed
・嫉妬 invidia envy
・憤怒 ira wrath
・色欲 luxuria lust
・暴食 gula gluttony
・怠惰 pigritia/acedia sloth

勝谷誠彦氏がイスラエルに行ったとき、あまりの殺風景にこれが聖書で云う乳と蜜が流れる約束の地かと、愕然としたとか。でも他は岩だらけの礫砂漠にちょろっと木が生えていて、もっと酷い状態で。比較的マシ。牧畜が発達した地域って、基本的に農業に向かない気候なんですよね。

■仏教は豊かなアジアゆえ成立した■

逆に仏教は、托鉢だけで生活できるほど、植生が豊かで気候も温暖、食料生産に余裕があるアジアだからこそ生まれた宗教だ……という指摘もあります。例えば「衣鉢を継ぐ」という言葉がありますが、これはブッダ二枚の布状の服(衣)とが托鉢用の容器(鉢)しか所有しなかったので、亡くなった後で弟子たちが、これを継承した故事に由来します。

布と云っても糞掃衣、ゴミの中に捨ててあったボロ布のことです。もっと言えば、死体を置く布。死後に死体の肛門の筋肉が緩んで、腸内の糞が漏れ出て、汚れた布のことです。タイに行くと、僧侶が至るところで黄色い布を巻いた服で片肌を出していますが、あれが糞掃衣です。キレイな山吹色ですが。日本の僧侶の袈裟も、梵語で混濁色を意味するカーシャーヤ=糞掃衣が語源です。

出家した仏教徒はコレを2枚持っていて、1枚は寝るときの敷布に利用したとか。それだけインドは、温暖な気候ですから(とはいえ広大な地域で、北部の山岳地帯などは別ですが)。高緯度で寒冷で貧しいヨーロッパが、豊かなアジアやアフリカを侵略したのが、大航海時代以降の帝国主義の歴史でもあります。

■ホームラン王誕生の背景■

ベーブ・ルースは元々は投手で、最優秀防御率のタイトルも獲得した名選手です。なにしろ1916年には23勝、17年には24勝もしています。通算でも94勝もしていますから、投手としても一流。ルースがボストン・レッドソックス時代の6年間、最初から打者に専念していたら、もっとスゴい記録になったはず……という意見は多いです。特に、ハンク・アーロンに通算記録を抜かれて以降は。

でも、同時代の名選手タイ・カッブは、その意見を否定します。ルースは投手だったからこそ、下位打線で一発狙いの大振りスイングをしても、許される立場だった。だからこそ、ホームラン打者になれたんだと。もしルースが最初からクリーンナップの主軸を負かされていたら、当時のコンパクトでヒット狙いの打法になっていただろう、と。さすが六冠王、説得力あります。

宗教や論理感も同じく、環境に大きく左右されます。自分らは、南仏ニースというと、温暖な地域のイメージがありますが、日本では札幌市に近い緯度です。函館市はローマとほぼ同緯度で、松前町でもバルセロナのあたり。ベルリンは樺太北部。それだけヨーロッパは北にあり、元々南米の高地で栽培されてたジャガイモが伝播するまで、飢饉が起こりやすかった訳で。

■反捕鯨とエスノセントリズム■

中東で生まれたキリスト教が欧州に広まったのも、禁欲的でないと暮らせぬ環境との親和性もあったのかな、と。そこで育まれた倫理観や性に対する考え方は、アジアとは相容れない部分もあります。反捕鯨の背後に、エスノセントリズム(自文化中心主義)があるように、問題は根深いです。環境テロリストのシーシェパード、そもそもシェパードはドイツの犬種の呼び名ではなく、羊飼いの意味です。

キリスト教では、ナザレのイエスがしばしば、自分を迷える子羊たちを導く羊飼いに例えての説教を、聖書に残しています。で、シーシェパードのシンボルは、キリスト教の信仰の杖の図柄。ところがこれを指摘すると、シーシェパードは代表自ら宗教性を否定しているんだと、と て も 頭 が 悪 い 反 論 をしてくるキリスト教関係者がいます。否定したら鵜呑みですか?

そこは百歩譲っても、だったら捕鯨容認派のコッチに抗議せず、紛らわしいマネをしてる環境テロリストに抗議してくださいと思うのですが、それはしませんね。実は裏では繋がっているお仲間だから? こういう皮肉を言われてもなお、環境テロリストを批判せずこっちを逆恨みしてくるのですから、議論になりませんね。野間易通尊師の過去の差別発言を批判できない、広義のしばき隊界隈と同じ。

■倫理は世に連れ、世は流転■

なにしろ、米国では中絶医が射殺されるのだから、宗教対立は根深いです。生活や思想の中心に、宗教がありますから。とはいえ、オランダでは売春が合法化されています。アメリカでも、医療用大麻が一部の州で合法化されていますね。アルコール依存症の治療に、大麻は有効なんだそうで。毒をもって毒を制すではないですが、息子ブッシュ元大統領も、それで克服したそうですし。

嗜好品の大麻も、オランダでは合法化されていますし。人類の歴史を見ても、欲望を解放する方向で、文化は流れています。コレに対する反発とか巻き返しはありますが。けっきょくは解禁されていくでしょう。日本も、アメリカに共同歩調取るでしょうね。そもそも大麻って、日本では古来から普通に栽培されていましたし。中絶は昔から一貫して多いですからね。倫理観がそもそも違うのです。

性に対する倫理観も、日本は……というか、アジアは良く言えばおおらか、悪く言えばいい加減。昭和33年3月31日に赤線が廃止されてから、もう60年以上。戦後の欧米文化の流入で起きた流れですが、時代も変わりました。むしろ管理売春で、反社会的組織の影響を排除し、職業として認める動きが、令和の世では起きるでしょう。10年かかるか20年かかるかはわかりませんが。

江戸の性風俗に関しては、またの機会に。
どっとはらい


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