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時速600キロの中華リニア公開

◉日本のリニア中央新幹線の、想定されている営業スピードが時速600キロですから、差がないですね。こういう動きは速いですねぇ。共産党一党独裁国家なので、上の方針が決まると上意下達で、どんどん物事が動く。共産主義が初期段階で一定の成功を収めるのは、この迅速果断なスピード感ゆえ。これを開発独裁と呼びますが。もちろん、毛沢東の大躍進政策のように、間違った政策でも迅速果断に動くので、失敗の桁も大きくなるんですけどね。

【中国、時速600キロの磁気浮上式鉄道車両を公開】CNN

(CNN) 中国国有の鉄道車両製造大手、中国中車はこのほど、時速600キロで走行する磁気浮上式鉄道の車両を公開した。
山東省青島市で披露されたこの車両は鉄道として世界最速級とみられる。中車の幹部は中国メディアに、騒音公害も低水準に抑えられ、他の高速鉄道に比べてメンテナンスの負担も軽いと利点を挙げた。
この車両の試作品は2019年に公開されていた。中国は同年、主要都市間を「3時間の交通圏」で結ぶ野心的な計画を打ち出している。

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■中国とドイツの関係■

大陸国家である中華人民共和国にとって、高速鉄道網は重要な輸送手段。飛行機の方にも力を入れていますが、海運・鉄道・空輸は物流の三本柱。歴代の中華帝国も、例えば馬車の車輪の幅を統一して、道に鉄道のような溝を作って、高速移動を実現しましたし。隋王朝は長大な運河を掘り、中華人民共和国は空港整備に余念が無いですが。大量の物資や人間の移動には、鉄道は効率が良いので。

中華リニアは吸引式の電磁吸引支持方式(EMS)で、日本のは電磁誘導浮上支持方式(EDS)ですが。ドイツで生まれた吸引支持方式だと浮き上がる高さが1センチほど。日本の場合は10センチほどと、大きな差があります。世界の火山の9%が集中し、地震が多い我が国では、安全性の面で浮上の幅が大きい方が良いのですよね。これは、お国柄の違い。ただ、ちょっと気になる部分も。

安全性が高い第四世代炉の超高温ガス炉ですが、こちらも日本の大洗の高温工学試験研究炉(HTTR)で採用されているのはブロック型超高温ガス炉で、中国の清華大学核能・新能技術研究院の高温ガス炉実験炉HTR-10で採用されているペブル型超高温ガス炉と、形式に違いがあります。リニアモーターカーも超高温ガス炉も、中国はドイツの技術的な協力を得て開発を進めているんですよね。

■大陸国家と海洋国家■

中国とドイツの関係は、戦前の中華民国時代からで、日本とドイツは対立関係にあります。南京事件で取り沙汰されたジョン・ラーベも、シーメンス社の中国駐在員(のち中国支社総責任者)で、ナチ党南京支部副支部長でもありました。日本とは当時、三国干渉の頃からの大陸の権益を巡って対立。彼は帰国後に日独伊三国同盟に反対し、反日プロパガンダに力を入れるのですが。ナチスの方向転換で、逆に逮捕拘禁されてしまいます。

清朝の最大版図を継承した中華人民共和国と、神聖ローマ帝国をルーツとするドイツ共和国。東西の、代表的な大陸国家の帝國なんですよね。日米英の海洋国家とは、ある意味で宿命のライバル。もっとも日本は歴代の中華帝国の影響で、実は大陸国家的性格が強いのですが。これは、朝鮮半島の歴代王朝もこの傾向が強く、ただ倭寇対策のために李氏朝鮮の前期は操船技術が高まり、これが李舜臣の活躍に繋がります。

日本の22倍の国土面積を持つアメリカは、海洋国家と大陸国家の、2つの面を持つ連邦国家ではありますが。またインドは広大な半島で、こちらもアジアとヨーロッパを繋ぐ地域として、昔から中継貿易が盛んな、大陸国家と海洋国家の両面を持ちます。大陸国家と海洋国家と一口に言っても、そう単純な図式ではないことは、いちおう注釈を付けておきます。特に日本は、大陸国家的性格が島国根性と悪魔合体し、判断を誤ることしばしば。

■平家・海軍・国際派■

いずれにしろ、第三次世界大戦は、大陸国家と海洋国家の対立が軸でしょうね。中露独に日米英豪印などがクアッドで対抗し、実際の熱い戦争にはならず、冷たい戦争でということになるでしょう。ただ、習近平総書記が強引に台湾に手を出すと、局地的な戦いにはなるかも。バイデン政権が思った以上に対中強硬路線ですからね。どうなることやら。なにしろ日本は昔から、〝平家・海軍・国際派〟という言葉があります。

大陸国家である隋唐の中華帝国を手本としたため、島国でありながら大陸国家的性格が強くなってしまった。そもそも、日輪が出る大本という意味の国号も、皇帝によく似た天皇号も、独自の元号も、対中華帝国の、意思表示。日本は小中華主義で中華帝国と同化することを選んだ半島とは真逆の、冊封体制と距離を置くモンロー主義が実は国是。故に、経済に強く貿易を盛んにしようという国際派は、主流になれないんですよね。

平清盛・足利義満・足利義教・織田信長・石田三成・荻原重秀・田沼意次・島津斉彬・大久保利通・高橋是清───なんとなくいけ好かないヤツと不人気か、人気はあっても最後は暗殺や暗殺が噂される不審死、あるいは失脚で失意の晩年の人物が多いですね。あんがい、岸信介や安倍晋三前総理を憎む人たちも、大陸国家的性格の血が、無意識に騒いでいるのかもしれません。気を付けたいです。

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