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習近平総書記「台湾統一は歴史的任務」

◉バイデン政権のあからさまな台湾推しに、習近平総書記がブチ切れ気味です。まぁ、そりゃあそうでしょうけれど。共和党のトランプ大統領から民主党のバイデン大統領に代わって、対中国政策は弱腰になるという予想もあったのですが。

【習氏「台湾統一は歴史的任務」 一党独裁を正当化―中国共産党創立100年で式典】時事通信社

 【北京時事】中国共産党は1日午前(日本時間同)、北京中心部の天安門広場で創立100年を記念する式典を開催した。習近平党総書記(国家主席)は「台湾問題の解決と祖国の完全統一実現は党の歴史的任務だ」と演説し、台湾統一の実現に強い意欲を表明した。
 習氏は2012年に最高指導者に就任。来秋の党大会で異例の3期目続投が確実視されており、台湾統一は長期政権の目標になるとみられている。習氏は「台湾独立のいかなるたくらみも断固粉砕しなくてはいけない」と述べた。

そもそもアメリカは、ブッシュ親子の政権を例外として、対外戦争を仕掛けるのは民主党政権なんですよね。朝鮮戦争然り、ベトナム戦争然り。普通に、この強硬路線は可能性があったのですが。

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■中国に国際政治はない?■

これを、中国の対決姿勢と取ると、チョット話が違ってきます。もちろん、見た目は中国対アメリカの、火花バチバチの国際政治に見えるんですが。中国は基本的に、国内政治が最優先の国。そもそも中華思想というのは、自分達は世界の中央にある文明国で、皇帝の徳が及ばない地域は化外の地、教化が及ばない野蛮人の土地で、対等の国として扱って貰えていませんので。そこには国際政治はなく、国内政治の延長があるだけ。

例えば、中曽根大勲位の靖国神社参拝も、モンゴル史が専門で東洋史学の碩学でもあった岡田英弘先生に言わせれば、中国国内の政治闘争に利用されただけで、反華国峰派が政争の具に使ったら、中曽根大勲位大嫌いな日本の左派マスコミが大騒ぎして国際問題に仕立て上げ、これは使えると後から気付いたと。まぁ、岡田英弘先生も毀誉褒貶ある学者で、その意見は批判も多いのですが。中国の歴代王朝の行動原理から、よくわかっておられますので。

■敵はアメリカではない?■

絶えざる権力闘争でグチャグチャしているとき、中国では外国の勢力を利用したり、内部団結に利用します。故に、今回の演説もアメリカの対決姿勢を利用して習近平総書記の主税を削ぎ、あわよくば自分が次代の赤い皇帝になろうとする政敵や軍閥への、牽制の意味とか読み取る方がヨサゲです。ここら辺は、小中華を自認する韓国や北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)などの言動を観察していると、更に理解が捗ります。

 習氏は「善意の批評は歓迎するが、教師面した説教は受け入れない」と主張。名指しはしなかったが、少数民族迫害などを問題視する米国などに反発した形だ。習氏は「中国人民は決して外国勢力の圧迫を許さず、奴隷にならない。そのような妄想をする者は必ず悲惨な目に遭うだろう」と強い口調で米国などによる対中包囲網の動きをけん制した。

敵に弱味を見せると、国内から撃たれる国の政治はかくの如し。ここら辺は、東アジア型専制君主国家=皇帝制度の影響を強く受けた日本でも同じ部分はありますが。これらの国では未だに、皇帝制度の価値観が陰に日向に息づいています。例えば、中国が台湾に固執するのは、正統の問題もあります。中国では皇帝は独りしかいない建前。三國志の時代の三国鼎立の時代も、皇帝は魏のみであって、呉や蜀の皇帝は僭称、勝手に皇帝を名乗った偽物扱いです。

■問われるのは二人の皇帝■

でも、中国ではモンゴル帝国の元王朝は朱元璋の明王朝に滅ぼされたことになっていますが。実際には元王朝は滅ぼされておらず、本来の本拠地であるモンゴル高原に戻っただけ。で、この元王朝の皇帝位と玉璽は、清王朝のホンタイジに禅譲されます。こうなると、明王朝は呉や蜀の皇帝と同じく僭主と言うことになってしまいます。中国が異民族の征服王朝である清王朝時代の最大版図を、自国の領土と主張する理由です。

 一方、民主派への締め付けを強めている香港については、「国家安全維持の法制度を実行し、国家主権、安全、発展の利益を守る」と述べ、国家安全維持法(国安法)による統制強化の必要性を強調した。

で、台湾は正式には中華民国です。中華人民共和国は中華民国政府を滅ぼして、その正統を受け継いだ国という建前です。そうなると、中華民国政府である台湾は、朱元璋に追われてモンゴルに戻った元王朝と同じ。北朝鮮で長男の長男である金正男氏の息子を担いでのクーデターがあり得るように、中華民国政府の正統を受け継ぐ台湾の存在は、中華人民共和国政府にとってとても危険な存在。平氏にとっての源頼朝みたいなモノ。そりゃあ、潰したいですよね。

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