表現の不自由展に韓国の市民団体が抗議
◉韓国の市民団体が、名古屋市で開催されている「私たちの『表現の不自由展・その後』」に抗議して、記者会見を開いたようです。自分は何度も書いていますが、表現の不自由展の開催自体は賛成です。気に食わない表現や政治的主張が対立する表現でも、それを封殺するようでは、表現規制派と同じ穴の狢ですから。その上で、表現の不自由展を批判するのもまた、表現の自由。この抗議も、主催者は真摯に受け止めるか無視するか、それさえも自由ですけどね。
ヘッダーはWikipediaの画像より、慰安婦少女像です。
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■ふらつく表現の不自由展■
これに対する、表現の不自由展側を主催する「『表現の不自由展・その後』をつなげる愛知の会」は抗議活動を「初めて知ったので対応のしようがない」との仰天回答。直接会って意見を詳しく伺いたいでもなければ、あなた達の主張は間違っているので到底受け入れられないでもなく。対応しようがない、ってのは対応しない・できない・したくないを、言い換えただけですね。今までも批判に真摯に向き合ってこなかったので、こういう逃げ口上しか言えないのでしょう。
例えば、表現の不自由展がシャルリー・エブド襲撃事件の風刺漫画を展示したり、あるいは慰安婦少女像の横にライダイハン像を置くなら、もっと広範な指示を得られたでしょう。前者を展示するほどの覚悟もなく、後者を置くほどの普遍性もなく。自分は高須クリニック院長のような批判の仕方はまったく肯定しませんが、表現の不自由展側やその支持者たちは、そのような〝濃淡〟を無視して、批判をひとまとめにして無視、あるいは罵倒してきたわけで。
なのに、当事者たる韓国の市民団体からの抗議で、バグってるのでしょう。
■奴隷契約も合法だった米国■
慰安婦に関しては、元々韓国にはキーセン文化があり、事実上の人身売買が行われていたのは、江戸時代の日本と同じです。それが、日韓併合以降は、だいぶ改善されたわけですが。それを、今日的な目で見て道徳的にどうこうと批判するのは、覚醒剤(ヒロポン)が合法だった時代に使用していた人間を、今日的な倫理観で批判するのと同じ。それを言い出したら、ライダイハンや在韓米軍基地村は、戦後も何十年経った時代の醜聞です。そもそも、あの時代は慰安婦は合法ですしね。違法な行為があったことと、そこは別。
慰安婦は契約を結んでいた、という部分を指摘したラムザイヤー教授を、左派が執拗に批判するのも、それが非常に都合が悪かったから。契約社会の欧米では、そこに契約の合意が有ったことは大きいです。日本の総理大臣をつとめ、五・一五事件で暗殺された高橋是清は幕末、留学しますがアメリカのホストファミリーに騙され、奴隷契約を結ばされます。1862年にリンカーン大統領が奴隷解放宣言をしても、制度の理想と現実は乖離があったわけで。この奴隷契約も合法。
■韓国の動きを慎重に見極める■
もう、ここらへんはTwitterなどでも散々語ってきたことなので、繰り返すのも疲れていますが。個人的には、韓国の市民団体のこのような動きも、冷めた目で見ています。保守系の尹錫悦大統領が誕生して、保守派に事大してるだけでは……という疑いがありますから。5年後に革新系の大統領が誕生したら、また手のひらを返すんでしょう、と。その尹錫悦大統領も、あまり期待できそうにないです。けっきょく韓国には、反日しか左右の枠を超えてまとまれるものがないので、当然なんですが。
残念ながら、いわゆるカッコ付きの「徴用工』裁判の判決について、尹新大統領が必要な立法措置を促せるかどうか。そこが大事でしょうね。日間の保証問題については日韓基本条約で解決済みであり、後は韓国の国内問題。個人的には、日韓基本条約で得た援助を、個別の人間に配らず韓国政府が有効に運用した結果、漢江の鬼籍という形で国民全体が豊かになったのですから、そこはもう個別保証と相殺だと思うのですが。だって、それで失敗したら未だに北朝鮮以下の最貧国だったのですから。
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