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古代魚から世界最古の脳を発見

◉また生物進化ネタですが。今回は恐竜ではなく、古代魚。と言っても3億年前の魚類です。サメの起源は約4億年前で、体調が8メートルとも10メートルとも言われる巨大なダンクルオステウスが約3億8200万年前。古代魚の代名詞的なシーラカンスが約3億8000万~3億9000万年前の魚類ですから、それよりはだいぶ新しいといえば新しいのですが……。どうも脳の構造が他の魚類とは異なっており、それがかなりの新発見だったようです。

【3億年前の古代魚の化石から「世界最古の脳」を発見!】ナゾロジー

100年近くも倉庫の中に眠っていた古代魚の頭蓋骨から「脳の化石」が発見されました。
この古代魚は約3億2000万年前のものであり、脊椎動物の脳の保存例としては世界最古となります。
また米ミシガン大学(University of Michigan)の主導によるCTスキャンの結果、現代の魚類の脳とは異なる構造を持っていることが判明しました。
現生魚類の脳の特徴がいつ進化したかを知る手がかりとなるようです。
研究の詳細は、2023年2月1日付で科学雑誌『Nature』に掲載されています。

https://nazology.net/archives/121426

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、化石魚のイラストだそうです。

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■進化は適者生存■

進化の研究ではどうしても、人間が一番進化しているという思い込みがあり、そこから逆算して生物を評価する悪癖があります。脳の大きい方がより進化していて、高等だという考えですね。でも、進化は適者生存であって、優勝劣敗ではないんですけども。ナチスの優生学も、もっと言えばカール・マルクスの共産主義思想も、この誤解をベースにしています。ナメクジウオとか、3億年以上昔のピカイアという生物とよく似ていますが、進化せずとも絶滅もしていないので、問題ないんですよね。

発見された古代魚も、いろんな進化の実験の中で生まれて、残念ながら現代まで続く系譜とはなりえなかっただけであって。ちょっとした偶然によって、この古代魚の子孫たちが大繁栄していた未来だってあり得たわけですから。現在の哺乳類の大繁栄だって、ユカタン半島に墜落した小惑星の位置があともうちょっとずれていたら、恐竜は絶滅せず哺乳類は未だに猫ぐらいの大きさが限度の、細々とした種族だったのかもしれませんからね。

■魚類の進化を思う■

ちなみに最古の魚は約5億3000万年前に、ハイコウエラという原生のナメクジウオに似た生物が、現在は脊椎動物として考えられています。昔はナメクジウオとよく似たピカイアが、最初の脊椎動物で魚類の先祖だと考えられていたのですが。近年は、ハイコウエラが有力のようですね。出現は時代的には、カンブリア爆発の頃だそうです。オパビニアやアノマロカリスと近い時代に、魚類に近い生物はすでに出現しているんですね。

ハイコウエラ

頭部を獲得した最古の脊索動物は、ミロクンミンギアだと考えられているようで。約5億2400万年前に生息しており、こちらを最古の魚類とする意見が多いようですが。ピカイアには目がないのですが、ミロクンミンギアには目があった可能性が指摘されています。非常に原始的ではありますが、背ビレと腹ビレとエラがあるのですから、立派な魚ですね。現在の魚の多くにある、アゴはありませんが。

ミロクンミンギア

■古代から未来を思う■

ちなみにシーラカンス、硬骨魚なんですが、脊柱には脊椎骨がなく、パイプのような中空の管になっていて、中には体液が入っているんだそうで。これが学名の由来にもなっているようです。腸は軟骨魚類のようないわゆる螺旋腸と、なかなか興味深いです。シーラカンスは頭の大きさに比較して、小さい部類の古代魚なんだそうです。でも、あと1億年とかの未来では、現在最強のシャチとか滅びていて、シーラカンスは相変わらず細々と生き残ってるかもしれません。

もちろんその頃には、人類ももう滅びているかもしれません。古代の生物の進化というのを学ぶことは、人類の未来を考える上でもちょっとだけ重要なことではないかと、自分は思っています。下手したらシーラカンスどころか、ナメクジウオが10億年後も生き残っていて、他の動物はほとんどいなくなっている世界だってあり得るわけですから。そこら辺を考えると、進化を上下優劣では語れないなと思ったりします。

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