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韓国発のWebtoonが大失速?

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〜11月7日 19:00

◉韓国発の縦スクロール漫画Webtoonが大失速している――との記事です。自分は前々から、Webtoonを絶賛する人たちに、胡散臭いものを感じていたので、この報道にもさほど驚きません。だって、絶賛していた人はその閲覧形式ばかりを絶賛して、この作品がすごいとか、この表現は縦スクロールならではとか、そういう内容への言及がほとんどなく。一種のステルス・マーケティングではないか……と疑っていましたから。

【韓国発の縦読みウェブ漫画「ウェブトゥーン」が大失速…ユーザー離れに株価急落、集団訴訟まで】サーチコリア

 新時代の 漫画コンテンツとして期待された韓国発の縦読みウェブ漫画「ウェブトゥーン」が苦境に立たされている。

 振り返れば今年6月、韓国最大手IT企業NAVER(ネイバー)のグループ会社「ネイバーウェブトゥーン」の親会社「ウェブトゥーンエンターテインメント」がナスダックに上場した。上場初日は株価が公募価格より10%近く上昇し、「アジアのディズニー」という声まで上がった。

しかし、ここがピークとなってしまう可能性が出てきた。

https://searchkoreanews.jp/opinion_topic/id=31731

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、ウェブトゥーンのロゴイラストです。


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■日本は世界最大の漫画市場■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。そもそも縦スクロール自体が、日本や韓国や中国など、東アジアの縦書き右綴じの漢字文明圏という、ごく一部にしか通用しない文化ですからね。横書き左綴じの欧米の文化とは、相性が悪いです。「世界に羽ばたくWebtoon」というのは、世界最大のマンガ市場である日本を狙った、マーケティングでしかないと、自分は疑っています。日本人は権威主義ですから、アメリカで・欧州で・世界で、大ヒットという言葉に弱いのです。

去る8月9日に発表されたウェブトゥーンエンターテインメントの2024年第2四半期の売上は、前年同期比で0.1%増加し、3億2097万ドル(約472億円)だった。ただ営業利益はマイナス7660万ドル(約112億円)の赤字だ。

同上

そもそも、韓国の漫画市場は規模が小さく。Webtoon市場が5500億円と言っても、それは世界でのこと。韓国コンテンツ振興院によると、2021年の韓国ウェブトゥーン市場規模は1兆538億ウォン(約1109億円)です。一方、日本のコミック市場は、2023年販売額が6937億円。つまり6倍以上の規模の差があります。日本の人口1億2500万人と韓国の5170万人とを勘案しても、漫画市場自体の差が、とても大きいのです。韓国人が日本人ほどは漫画を購入してくれないので、日本や海外の市場に向かうしかない。これは、K-POPが日本やアメリカの市場開拓に積極的な理由と、同じです。

■分業システムの真の目的は■

ちなみに、日本の倍以上の人口を抱える北米のコミックスとグラフィックノベルの売上げは、2021年のデータで21億6000万ドル(約3200億円)ですから、日本の半分以下。ただしこれ、日本漫画の売上を含む金額です。そう、日本は世界最大の漫画市場なんですね。コロナ禍の巣ごもり景気によって、一気に電子書籍が普及し、日本の漫画市場はピークだった1995年よりも、売上が伸びている状況です。これに対して、韓国はユーザーの減少が起き始めているようです。もっとも、この数字自体は、取り立てて騒ぐほどではないと思います。おそらく根本的な問題は、別にあります。

また、ユーザー数の急減も顕著だ。第2四半期の「月間アクティブユーザー数(MAU)」は1億6630万人で、前年同期比で0.8%減少。第2四半期の「月間有料ユーザー数(MPU)」は780万人で、前年同期比で0.4%減少している。

特に最大市場である韓国では、前年同期比でMAUが6.6%、MPUが7.3%減少した。韓国のMPUは2022年第1四半期以降、400万人台を維持してきたが、2023年第4四半期に390万人に減り、今年第1四半期380万人、そして第2四半期に370万人となった。

同上

では、Webtoonが抱える問題とは何か? やん氏の、コチラの指摘が重要でしょう。

韓国のウェブトゥーンが苦戦しているという話題、作り方が日本の漫画とは違ってアニメの劣化版というのは広く知られていると思う。ただ、増加する短尺ドラマ、ショートドラマの流れでアニメ化になってくるような気がする。youtubeのショート動画が1分から3分になったみたいだし。ナニカ見た…

https://x.com/skd7/status/1842149665015263680

そう、Webtoonはアニメと同じで、スタジオ方式で作品が作られています。メインの執筆者もいますが、レイアウトやカラー彩色とかは、別のスタッフが分業する。そういう意味では、原作があり、キャラクターデザイナーがいて、執筆も彩色も分業制の、アメコミの制作方式に近いですね。何も斬新なものではないです。なぜこれを韓国の出版社はもちろん、AmazonなどもFliptoonという形で推すか? それはレコードの原盤権と同じで、分業作業で作られたものは、共同著作権が主張できるからです。日本のように著作者の著作権が強い国では、出版社側が権利の一部を握れるWebtoonは、権利部分で美味しいんですね。これについては、後述します。

■売り抜けようとする文化?■

そもそも縦スクロールのWebtoonであろうが、通常の横スクロールの漫画であろうが、作品内容の面白さがあってこそ、です。それなのに表示形式を称賛する人たちは、作品づくりというのを舐めていると思いますよ? 何度か書いていますが、縦スクロールもスマートフォンの普及が生み出した、徒花ではないかと、自分は思っています。それこそ、折りたたみ液晶や巻取り液晶の価格が下がり一般化したら、昔ながらの横スクロールの漫画で充分になる可能性も、高いです。そもそもアメコミって、わざわざWebtoonにしなくても、縦スクロールで読めますからね。さらにそのアメリカでもWebtoon、株主に訴えられているようですが……。

ウェブトゥーンエンターテインメントは現在、アメリカ現地の株主たちによる集団訴訟を受けようとしている。

株主たちは「上場後6週間で発表された第2四半期の業績が証券市場のコンセンサスとかけ離れていることは、ウェブトゥーンエンターテインメントが上場時にS-1(証券申告書)などに記載すべき内容を故意に省略したか、虚偽情報を提供した可能性が高いことを意味する。業績の悪化が株価の急落につながり、投資家に損失をもたらした」と主張している。

同上

ここらへんに関しては、三崎尚人氏の指摘も重要なので、転載しておきますね。

『韓国発の縦読みウェブ漫画「ウェブトゥーン」が大失速…ユーザー離れに株価急落、集団訴訟まで』
日本国内も含め一般論ですが、地道にやっているところも勿論ありますけど、過大な市場予測、投資なのに人材不足で、粉飾まがいのことをしていれば…そりゃねえ。

https://x.com/nmisaki/status/1842125686255083520

韓国や中国の場合、長期的なビジョンで文化を育てようという文化が希薄で、儲かったら売り抜けて、あとは悠々自適に暮らしたい、みたいな部分がありますから。その結果、投資話的に話を膨らませて、詐欺師まがいの業界ゴロが跋扈することに…。もともと日本の出版業界にも、業界ゴロと呼ばれる、肩書は出版プロデューサーだけど、何をやってるのかよくわからない怪しげな人が、ウロウロしていますからね。そういう意味でも、大手出版社や作家が、Webtoonの儲け話に、やや警戒するのは当然です。こういう訴訟になったら、それこそダメージになるので。こういうことを言う自分を、Webtoon推しの某氏が予防ブロックしてきた理由と、疑っています。

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