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医療関係者を侮辱する朝日新聞

◉子会社である朝日新聞出版のAERAが、紛らわしい見出しで批判されたばかりなのに、同じビルに入る親会社の朝日新聞が、まぁ〜たこんなことをやっています。【11回受け入れ拒否、コロナ患者でない女性が心肺停止】って、コロナ患者でもない女性患者を病院側が過剰に恐れて、受け入れ拒否したと誘導したいのでしょうか? だとしたら恥知らずですねぇ。拒否ってのは、受け入れられるのをあえて拒絶した時に使う言葉でしょうに……。

【11回受け入れ拒否、コロナ患者でない女性が心肺停止】朝日新聞デジタル2021年1月25日 21時13分
 名古屋市は25日、重症者の救急搬送に時間がかかり、搬送中に心肺停止になる事例が2件あったと発表した。市は新型コロナウイルス感染者が増え、医療機関の救急の受け入れが難しくなっていることが背景にあるとみている。
 市によると22日午後8時ごろ、70代女性の家族から119番通報があった事例では市内の8医療機関に計11回受け入れを要請したが、ベッドが満床であることや対応できるスタッフがいないなどの理由で受け入れを断られた。その後、市外の医療機関に搬送した。救急車の出動指令から医療機関に到着するまで1時間9分かかった。
 24日午後7時ごろ、60代男性から119番通報があった事例では市内の10医療機関に計11回受け入れを依頼したが、同様の理由で断られ、市外の医療機関に搬送した。出動指令から医療機関への到着までに1時間6分かかったという。

日本語は正しく使いましょう。ベッドが満床だったり、対応できるスタッフがいないのなら、それは〝断念〟あるいは〝苦渋の決断〟でしょうに。コロナ患者であるか否かは、判断の材料にさえなっていないであろう事が、なぜ見出しに入るのか? 新聞は、見出しは記者個人や編集長がつけるのではなく、整理部という別部署が付けることが多く、朝日新聞もそのパターンだと、OBの稲垣武さんも著書で指摘されていました。

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■見出しで誤誘導する朝日新聞■

こういう、見出しで客を引こうというのは、新聞の常套手段で、それは東京スポーツも日刊ゲンダイも朝日新聞も、ついでに子会社の朝日新聞出版AERAも同じ。一種の詐術です。新聞の見出しには〝へもか言葉〟という業界用語があります。例えば「映画秘宝廃刊」と書くと断言になってしまいますから、そうならなかった場合には誤報だとなって、裁判に持ち込まれ、負けるかもしれません。

そこで「映画秘宝廃刊へ」と書けば、現時点ではまだ廃刊ではないが廃刊する可能性があるよ、というニュアンスが生まれます。これが「映画秘宝廃刊も」と書くと、もっと確度が曖昧になって、廃刊や存続やタイトルリニューアルなど幾つか選択肢がある内のひとつとして、廃刊もあるかもというニュアンスになります。さらに可能性が低いと「映画秘宝廃刊か」と、疑問形にして誤魔化します。

ひょっとして廃刊ですかね、よくわかりません……という、ニュアンスに。関西の「知らんけど」の用法と同じです。まぁ、自分も出版業界でウロウロする人間ですから、ここら辺の微妙なニュアンスを使い分けて責任回避は、よく使うテクニックです。ただ、今回の〝11回受け入れ拒否、コロナ患者でない女性が心肺停止〟は、批判されても仕方ない見出しではないでしょうか?(疑問形で逃げるテクニック)。

■医療現場への憎しみを煽る朝日新聞■

もしコレが【のべ11医療機関で受け入れ断念、男性患者市外へ搬送】だったら、読者は医療機関が大変だなという感想は持つでしょうが、病院への怒りや誤解はずいぶん少ないでしょう。なお、文字数は同じです。さらに言えば【11機関で救急搬送受け入れ断念、病床満杯医師不足で】なら、同情や逼迫する医療現場への同情こそ沸き起こるでしょうが、マスコミに煽られて妙な義憤は起きようもなく。

ただでさえ、医療機関は逼迫し、現場は大変な状況です。なのに、こんな形で煽る意味はありません。救急搬送のシステム改善などで、提案や批判はあってもいいですが、コレはただ単に見出しで医療機関へのヘイトを煽ってるだけ。それとも朝日新聞は、ベッドもないし対応できる医者もいないのに、受け入れろとでも主張したいのでしょうか? 受け入れられるのに意図的に〝拒否〟した証拠でも持ってるのでしょうか?

本当に、バカバカしい話です。こうやって、大手マスコミや旧メディアに対する信頼感が、グズグズと根本から崩れていくのです。いや、この手法は昭和の時代、それも戦前からずっとです。情報を独占できてた時代から双方向性のインターネットの登場で、化けの皮が剥がれた、と評した方がヨサゲですが。若者層には見放されて当然です。こういうバカな見出しを付ける新聞は読まない、それが言論の正常化にとって大事。
どっとはらい


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