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水素エンジンに各社参入

◉あまり人気がない、エネルギー関連ネタを、いくつかまとめて。今回は水素エンジンについて。水素エンジンを、日本のTOYOTAは推しているのですが、世界的にはEV車推し。でもあれは、脱化石燃料だ脱炭素だと綺麗事を言ってる意識の高い系の戯言、あるいはTOYOTA締め出しの方便の疑いがありますしね。現実的な部分を勘案して、TOYOTAが水素エンジンと水素燃料に舵を切ったのは、故無きことではないと。TOYOTAは我が道を行くで、着々と水素エンジンの研究と市販化に動いていますね。

【トヨタ、水素エンジン車を公道で実証 市販化向けオーストラリアで】産経新聞

 トヨタ自動車は11日、水素を燃料とするエンジン車の公道での走行試験をオーストラリア南東部メルボルンで始めたと発表した。特別仕様の商用車「ハイエース」1台を10月下旬から来年1月まで現地の建設会社や警備会社で使ってもらい、実用性や耐久性を確かめる。市販化に向けた公道での走行実証はトヨタとして初めてとなる。

 富士スピードウェイ(静岡県小山町)で開かれている耐久レースに別の水素エンジン車で参戦するのに合わせ、実車を公開した。水素タンクを床下に3本配置し、従来のハイエースと同じ広さの荷室を確保。一度の水素充塡で200キロ程度の走行が可能という。

https://www.sankei.com/article/20231111-YO6SX7I7IZMLHJRU2SAP7F73EE/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、自動車とガソリンスタンドのイラストです。

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■クボタは水素発動機■

一般的な普通車の燃料タンクは、だいたい50リットルぐらいだそうです。リッター12~14キロ走るそうですから、ガソリンを満タン給油した状態で走行した場合、60キロ~70キロほどですか。ここらへんは、免許も持っていない人間なので、ようわからんですが。一度の水素充塡で200キロ程度の走行が可能って、かなりのレベルですね。大型のタンクを備えた自動車より、かなり長く走れるわけですから、水素ガス・ステーションが充実しない初期は、ガス欠の心配が、だいぶ減りますね。で、水素エンジンは何も、自動車用だけでは無いようで。クボタも開発しているそうです。

【水素エンジンは自動車だけにあらず、クボタが発電機向けに開発するわけ】日経クロステック

 稼働時に二酸化炭素(CO2)を排出しない水素エンジンは、動力源の脱炭素化に向けた選択肢の1つとされる。注目しているのは大手自動車メーカーだけではない。農業機械大手のクボタといった「非自動車メーカー」も、研究開発に挑んでいる。

 従来のエンジン技術の延長線上にある水素エンジンへの期待は大きい。既存の資産や技術を生かせるからだ。一方で、水素エンジンはそれ自体が開発途上にある。また、燃料としての水素は軽油やガソリンと比べると体積当たりのエネルギー密度が小さい、現時点で十分な供給インフラが整備されていないといった課題を抱える。

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/08633/

株式会社クボタは、農業機械や建設機材の老舗で、産業用ディーゼルエンジンのメーカーとしても知られます。同社が開発を進めるのは、産業用の水素エンジンだそうで、工事現場などやイベント会場などで使われる、小型の可搬型発電機への搭載を目指しているとのことです。田舎の村祭りとか、そういう発電機が設置されて、電気を供給するんですよね。うちの田舎では、その機械が壊れて、祭りが中断したこともよくありましたが。こういう形でのアプローチは、水素エンジン全体の普及の一助になるでしょうし。

■JRは水素列車開発■

国内の輸送の中枢を担うのは、自動車と鉄道。その意味では、鉄道の方でも水素エンジンの列車開発も、重要でしょうね。今は、電気をパンタグラフを用いて外部から供給する電車が多いですが、田舎ではディーゼル機関車が多く。また、現在でもJR貨物などでは多く利用されていますし、ハイブリッド式ディーゼル機関車なんてのも開発されています。途上国とか、まだまだディーゼル機関車の利用が盛んですからね。輸出に向けても、研究開発は不可欠。信頼性という点でも、内燃機関の列車の存在は大きいです。

【CO2出さない「水素列車」、JR各社が実用化急ぐ…英仏や中国が開発先行】読売新聞

 鉄道業界で水素を動力に活用した車両の実用化を目指す動きが加速している。二酸化炭素(CO2)の排出が抑えられ、脱炭素への貢献が期待できる。国は規制のあり方を検討し、「水素列車」の普及を後押しする考えだ。(竹田迅岐、森田啓文)
(中略)
 JR東は、2050年度にCO2の排出量を「実質ゼロ」にすることを掲げ、22年にひばりを完成させた。同社で稼働する約450両のディーゼル車をすべて置き換えると、年間約6万トンのCO2を削減できると試算する。現在、30年の実用化を目指し、神奈川県内の鶴見線や南武線で実証試験を進めている。

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20231118-OYT1T50125/

JR貨物は当然としても、JR東海も水素エンジン列車に参戦です。

【JR東海「水素エンジン車」開発へ 国内初の“水素直焚き”鉄道車両 投入路線ほぼ確定?】乗りものニュース

燃料電池車と水素エンジン車の両方 そしてハイブリッド
 JR東海は2023年11月16日、ディーゼル車両から排出されるCO2(二酸化炭素)をゼロにする技術開発の一環として、「水素動力車両」を新たに開発すると発表しました。

 開発する水素動力車両は2種類あります。ひとつは水素を化学反応させる燃料電池車、もうひとつが燃料の水素を直接燃焼させる「水素エンジン車」です。特に後者の採用は国内外で事例がないといいます。ただし、燃料電池、水素エンジンともに発電用として利用するハイブリッド車両となります。

https://trafficnews.jp/post/129367#google_vignette

ドル箱の東海道新幹線や東亜軌道本線を抱えているJR東海ですが、けっこう路線はあって。記事によれば、高山本線や紀勢本線などへ導入するとの予想です。岐阜駅と富山県の猪谷駅を結ぶ高山本線や、三重県の亀山駅から和歌山県の新宮駅を結ぶ紀勢本線は、山間部の連続する勾配があり、出力の出るエンジンが必要なので。これ自体、上手く開発できれば他の路線でも使えますからね。日本は山がちな島国ですから。こちらも、開発がうまく行けば、山間部を多く抱えた国への、輸出も視野に入ってくるでしょうから。

■船舶用水素エンジン■

そして、外国との輸送は島国日本では、船舶が主力。船は、スピードは遅いですが、大量輸送に関しては、未だに王者です。というか、これからも王者でしょう。浮力を利用するので、とにかく効率が良いんですよね。巨大なタンカーでも、スクリューは意外と小さく。もちろん、日本各地の輸送でも、船はいろんな大きさがあり、需要は大きいですから。ちょっと前の記事ですが、株式会社三井E&Sが船舶用の水素エンジンの実用化に向けて、着々と進んでいます。

【船舶用の水素エンジン実用化へ、三井E&Sが完工した実証設備の全容】ニュースイッチ

燃焼の大容量化を視野に

三井E&Sは水素燃料の船舶用エンジンの実用化に向け、玉野工場(岡山県玉野市)に毎時1000ノルマル立方メートルの水素ガスを供給できる実証設備を完工した。2023年内にテスト用エンジンに水素を供給する燃焼実証を始める。24年3月末まで行い、燃焼技術や知見を得る。新燃料の中でも少ない化学反応で製造でき、低コスト化が可能な水素を有望な燃料と位置付け、将来の水素エンジンの市場投入につなげる。

https://newswitch.jp/p/38969

船舶・列車・車両・航空機が、輸送の担い手ですが。航空産業が弱い日本では、まずは自動車に列車に船にと、水素エンジンが普及していけば、新たな産業になるでしょう。そうなったとき、出遅れた欧米は、独自規格で日本の水素エンジン締め出しを言ってきそうですが。そういう意味では、これからは開発と規格の世界標準化という、ふたつの戦いが始まるでしょう。水素エンジンは、新たな需要を生む可能性がある技術として、今後も注目していきたいです。

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