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エネルギー関連:核融合と風力

◉エネルギー問題関連の話題を、2つまとめて。まずは、核融合の研究で、さらに温度を上げるための方法論が、発見されたようです。コチラはポジティブな話題。そしてネガティブな話題として、風力発電に関する地元の反発の話題です。ロシア連邦軍のウクライナ侵攻で、お花畑平和論が一気に崩れたのですが。富める国の空理空論だった再生可能エネルギー幻想も同時に崩れたのは、大転換でしたね。グレタさんだったかフテクサレタさんだったかも、原発擁護に舵を切り、日本の左派は梯子を外された感じです。

【核融合研究が前進、高エネ粒子の電磁波によるプラズマ加熱を発見】ナショナルジオグラフィック

 高エネルギー粒子から生じる電磁波により、プラズマが加熱されることを発見した、と核融合科学研究所(岐阜県土岐市)などの研究グループが発表した。将来の夢のエネルギー技術と期待される核融合発電では、核融合反応で生じる高エネルギー粒子がプラズマを加熱し、反応を持続する。この時、高エネルギー粒子がプラズマ粒子に直接衝突しない新たな仕組みが分かったことで、核融合発電の実現に向けた研究などに役立つと期待される。

 プラズマは固体、液体、気体とは異なる物質の第4の状態。気体にエネルギーが加わり温度が上昇していき、電子が原子から離れ、電子とイオンが自由に運動して非常に活性化した状態となったものだ。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/22/101900478/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、太陽(核融合)と風力発電の風車という、内容にピッタリの写真ですね。

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■1億度を何秒閉じ込めるか■

自分が小学生の頃、恩師が1億度以上の温度を1秒間閉じ込められれば、核融合が可能だと語っておられました。1億度という温度に、小学生としては「ゼットンの火球は1兆度だから、もっとすごい!」ぐらいなもんでしたが。当時は原水爆による核戦争が真剣に論じられていた時代。原爆は中心部で3000度から4000度になり、水爆は中心部の温度が4億度にもなりますが、当時既に実現可能だった温度ですからね。1億度という数字は小学生には、なんとなく実現可能に思えました。実際、30年後には実現と言われていました。

あれから40年、なかなか研究は進まないというか、進んで入るんですが、進めば進むほど新たな課題が出てくる状態ですね。でも、こういう新しい手法で、さらに温度を上げる方法が出てきたのは、一歩前進。近年は、核融合にレーザー光線を照射してさらに温度を上げる、というレーザー核融合の手法が発展していたようですが。レーザーによる高温を加えて、高エネルギー粒子から生じる電磁波で加熱するとのこと。小学生の自分には、1億度だと容器が溶けるので、プラズマで閉じ込めるというのが、もう未来の技術でした。自分が生きてる内に実現可能かは、判りませんが。期待したいですね。

■現実的には第四世代原子炉■

現実的には、核融合発電はまだ現実的なものではありませんから。でも旧来の核分裂発電は、具体的な発電として研究が進んでいます。メルトダウンしづらく、安全性が高い第四世代原子炉は、高温ガス炉がもう実用一歩手前まできています。昨年は中国が商用実証炉の臨界に達し、アメリカとイギリスは2029年の商用炉稼働を目指しています。もうあと6年ちょっと。日本は、ガルパンで知られる茨城県大洗の高温工学試験研究炉(High Temperature engineering Test Reactor HTTR)が、世界トップクラスの高温を実現していたのですが。

無能な方の菅元総理が勝手に全部の原発を止め、安全な原子炉を研究する実験炉まで止めてしまって10年。その間に、世界はどんどん先に進んでしまいました。高温ガス炉は小型モジュール炉に含まれ、立地も柔軟。第2世代や第三世代の原発に必要な、古くて硬い岩盤(理想は第三期以前の岩盤)と冷却用の水が必要なんですが、高温ガス炉はそれも不要で、それこそ反原発派が言う「東京に原発を」も可能ですから。出力は3分の1程度ですが、分散させたほうが事故による大規模停電を避けられますしね。

■風力発電への地元の慎重論■

そして、風力発電。こちらは、風力発電の先進権である青森県で、自治体から慎重論が出ているとのこと。青森県の風力発電導入量は、2021年末時点で65・5万キロワットと、都道府県別でとっぷなんだそうです。県内には300基以上の風車が存在し、風力発電先進県というのは、疑いないところ。もともと、風力発電は安定して偏西風が吹く、ヨーロッパでは有効な発電方法です。欧州って、温暖な南仏ですら青森県や秋田県の緯度で、ドイツに至っては樺太の位置と重なります。それだけ北にあり、台風もほとんど来ない地域なんですよね。

【「風力先進県」で地元がノー 国内最大級の風力発電計画に“逆風”】毎日新聞

 風力発電の導入量で全国トップの青森県。そのお膝元の八甲田山系で計画されている国内最大級の風力発電「(仮称)みちのく風力発電事業」を巡り、地元で異論が噴出している。事業主のユーラスエナジーホールディングス(東京)は計画の一部見直しを余儀なくされており、思わぬ“逆風”に見舞われた形だ。「風力先進県」で何が起きているのか。【江沢雄志】

https://mainichi.jp/articles/20221027/k00/00m/020/102000c

南は亜熱帯から北は亜寒帯まである、南北に長い日本は、太平洋の生誕の島国で、台風も多いですからね。そもそも、風力発電に向きません。洋上風力発電に期待する向きもありますが、風力発電や太陽光発電は何処までいっても、ベースロード電源にはなりえません。でも、利権になってしまって引き返せない・引き返そうともしない。事前シミュレーションで必敗がわかっていた日米開戦に、ズルズルと突入したのと同じです。補助的電源としてはひてしませんが、そんな物にかける金があるなら、第四世代炉の研究に回したほうが、よほど建設的です。

■発電は簡単な問題には非ず■

では、安定して発電できる、地熱発電はどうかというと。自分も火山県の出身ですから、期待したんですが。調べれば調べるほど、こっちはもっと問題が多いと気づきました。普及しないのは普及しない理由が、ちゃんとあるんですね。原発を推進したい政府と自民党が、邪魔をしているのではなく。地域が方より、調査に莫大な金がかかり、しかも出力が低く、地元の温泉地と原潜枯渇の危険性で対立し、メンテナンスも大変と。詳しくは以下のnoteにまとめましたので、興味がある方はどうぞ。

たしかに科学は、危うい部分もありますし、問題や失敗も多々あります。ノーベル賞をもらった研究が、今では否定されるなんてことさえあります。しかし、失敗は成功のマザーという、長嶋茂雄終身名誉監督のお言葉もあります。失敗を糧として、前に進むのもまた科学の強さ。安倍晋三元総理が次期戦闘機開発で、日英共闘の筋道を開きましたが。第四世代原発でも、日英が協力できる部分はあるでしょうね。日米英は同じ海洋国家、連帯できる部分は大陸国家よりも大きいです。

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