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ネット右翼の正体はアンチ左翼

喜多野土竜

「ネット右翼なんていない、あれは赤い教師が賞賛し押し付けてくる価値観に反発した、アンチ左翼だ」って、さんざん言うてきたんですが〜。葛西伸哉先生も同じ結論のようです。

結論として、まったく同じ。権威主義に無自覚な左派の、自己認識のズレ。抑圧を加えられたから、反発されてるだけなのに。

Twitterではさんざん書いてきたことですが、まとめというか、説明が面倒いときのリンクのためにというか、備忘録として。

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■右翼は大アジア主義■

玄洋社の頭山満の昔から、右翼ってのは大アジア主義＝興亜論が伝統。西欧列強の東亜侵略に対して、アジアが手に手を取って連帯すべきという考え。だから頭山は、中国の孫文も朝鮮の金玉均もインドのボーズも支援する。大東亜共栄圏もこの考えがベース。インパール作戦の悲劇もこれが遠因。石原莞爾の東亜連盟に、大山倍達（本名：崔永宜）極真空手総裁とその師の曺寧柱が参加した理由で、右翼団体に在日コリアンが一定数いる理由でもあります。

逆に、福沢諭吉発行の新聞『時事新報』紙上に掲載された社説の脱亜論は、興亜論への対抗的意見です。雁屋哲先生とか、思いっきり誤解されていますけれど、脱亜論が戦前の日本の理論的支柱になった事実はないです。1950年代まで話題にもならず、忘れ去られた論であり、60年代に左派によって喧伝された論。その骨子むしろ現代の欧米出羽守のグローバリズムに近く、左派の「劣った日本・優れた欧米」の論理にも近いです。

だから右翼は、児玉誉士夫も笹川良一も内田良平も福田恆存も赤尾敏も野村秋介……も親韓。岸信介も安倍晋太郎も、ついでに安倍晋三前総理夫妻も親韓。右翼団体が在特会を叱り、右翼団体に在日コリアンが多数在籍し、新右翼の鈴木邦男氏がのりこえねっとで辛淑玉女史に協力する理由でもあります。嫌中嫌韓のネット民を右翼呼ばわりするとは、伝統的右翼団体に対する熱い風評被害です。

■ネット右翼は左翼の鬼子■

アンチ左翼だからイコール右翼かといえば、そんなこともなく。アンチ巨人も巨人ファンと、昭和の頃に読売ジャイアンツ関係者が嘯きましたが。それと同じ。赤い教師の価値観の押し付けに反発はしても、思考の枠組みは戦後民主主義のそれですから、自分がアンチ左翼のネット民を鬼子と呼ぶ理由です。ちなみに、昭和の時代の赤い教師の押し付けを列挙すれば、だいたいこんな感じでしょうか。漏れがあったら随時追加しますけど。

・親ソビエト連邦
・親中華人民共和国
・文化大革命賞賛
・毛沢東賞賛
・反台湾（反中華民国）
・親北朝鮮
・主体思想賞賛
・金日成賞賛
・朝鮮総連の言動の正当化
・反朴正煕政権（民主化以前）
・親韓国（民主化以降）
・親キューバ（親カストロ・ゲバラ）
・親アジア
・アジアへの贖罪意識
・親ポル・ポト派
・共産主義国への賞賛
・反米
・反朝鮮戦争
・反ベトナム戦争
・反天皇制（皇室不要論）
・反自民党
・反核兵器
・反自衛隊
・反日米安全保障条約
・憲法九条への信仰
・一国平和主義
・非武装中立論
・永世中立国スイス賞賛
・反国旗（日章旗）
・反国歌（君が代）
・朝日新聞や毎日新聞への賞賛
・国鉄労組のストライキの正当化
・家父長制批判
・同和教育（主に関西圏）
・沖縄への贖罪意識（沖縄捨て石論）
・南北問題
・反物質社会
・反文明
・エコロジー
・男女同権

今となって、左派の主張の多くがボロボロ。生き残ってるのは少数で、見る影もない。予想を外してばかりの曲がり屋。ベルリンの壁は崩壊してソビエト連邦解体、中国は天安門事件に人権弾圧に覇権主義、北朝鮮は拉致にテロに覚醒剤密造に偽ドル札にミサイル開発に核開発に実兄暗殺にと、犯罪国家ぶりが周知されましたが。韓国に至っては、昔は朴正煕政権を独裁として、岩波世界や朝日ジャーナルに批判されていたのですが。北朝鮮が利用できなくなったら擦り寄り始めました。

こんなにハズしまくっていたら、別に右翼民族主義でなくても疑問を持ったり、ダブルスタンダードに批判しますよね？　そう、左派を批判してる多くは、多くが一般人。左派はそれを認めたくなくて、極端な思想の持ち主が批判してるのだと、思い込みたいのでしょう。しかしその実態については、下記リンク【「ネットが社会を分断」は不正解、１０万人の調査結果が明かす真相】をお読みいただくとして。

■ネット右翼はバラバラの砂■

だいたい、ネット右翼と呼ばれる人達は、民族主義でもなければ天皇主義者でもない人間がチョイチョイ見かけます。秋篠宮眞子内親王と小室圭氏のゴシップを消費し、女帝ネタで消費し、皇室への尊崇の念は薄い印象。上皇陛下夫妻への親愛の情を抱く大衆層ほどの、慎みもない人間が目立つ。アンチ左翼ゆえ、一貫した思想があるはずもなく、バラバラです。左派はそれをひとつの思想にまとまった集団と誤認している。彼らは、あなたたちの戦後民主主義が生み出した、鬼子です。

んじゃあ、在特会は何かと言えば、あれは大衆の姿。雑な知識をベースに、俗な意見をツギハギした、体系的な思想があるわけではない。でも彼らは大衆の気分の、ある部分を確実に代表しています。中国や韓国の弱者コスプレや被害者コスプレによって、黙らされてきた大衆の怨念。満州でのソ連軍の蛮行、大陸での苦難、四日市保養所の悲劇を大っぴらに語れなかった、大衆の怨念。野間易通尊師も、かつて在特会もどきの言動をしていましたが。左派の曲がり屋ぶりが周知され、背乗りしている訳で。

田山たかし尊師が朝鮮ネトウヨと揶揄する一群の方が、民族主義（種族主義）を連帯の紐帯にしているぶん、むしろ右翼民族主義的という逆説。そもそも彼らは、朝鮮民主主義人民共和国という世襲独裁国家を批判しない。拉致もテロも覚醒剤密売も偽札も核開発問題ミサイル開発も、批判しない。してもアリバイ作り的。南北統一という民族の悲願は口にするのに。洗脳でもされてるのかと、疑うほどに。

■右傾化する左翼の滑稽■

さて。なぜかネット右翼呼ばわりされる自分ですが。少なくとも、国粋主義的意見や、歴史的事実や統計的な事実を無視した日本賞賛には、冷や水をぶっかけます。だから高須クリニック院長にはブロックされていますし、事実関係の誤認が多いShear News Japanにもブロックされています。田母神氏とか、自衛隊を辞す切っ掛けとなった論文からして批判しています。在日コリアンの友人も多いし。そこは是々非々。全肯定か全否定かの極端な思考はできるだけ避けたいだけ。

自分が中道とは言いません。ネットの思想調査ではだいたい中道右派か中道左派に分類されますが、それでも。保守派は自称しても、中道は自称しませんので。というか、どんどん右傾化するリベラル陣営の人士に比較して、表現の自由や言論の自由への擁護は一貫していて、むしろ表現の自由戦士の尊称を賜る程度には、自分もまた戦後民主主義の思考のパラダイムに囚われていますから。

武術武道はともかく、自分は基本的に独学の人間です。独学と言っても、他人の意見のつまみ食いのツギハギ。しかも別冊宝島あたりを端緒とした、俗なところがスタート地点。ただ思想においては、呉智英夫子の以費塾の７期生で、体系的に思想を師について学んだのはコレぐらいですね。その呉智英夫子も、元は学生運動の闘士。形骸化したリベラル思想に替わるカウンターカルチャーとして、儒教を選んだ部分が大。やはり、左翼の鬼子。ビートルズやスティーブ・ジョブズがインドに傾倒したようなモノ。

日本の保守派の、思想的巨人である福田恆存もまた、思想のルーツはD.H.ローレンスの『黙示録論』や、ブラウン神父シリーズで知られるイギリスの小説家で保守思想家のギルバート・チェスタートンの影響がデカいわけで。ローレンスに影響を与えたニーチェの思想もまた、ヨーロッパ文明の鬼子ではあります。ここら辺がわかると、近年の左派の右傾化・保守化もなんとなく理解ができるかと。どっとはらい

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