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東レがレアアースレスを実現する技術開発

◉東レがレアアースレス……どんだけ〝レ〟が入ってるんだと。正確には、レアアースを用いない高耐久性ジルコニアボールの量産技術を開発し、これを使えばリチウムイオンバッテリー用電極材料の粉砕・解砕などの信頼度が上がるようですが。こういう部分にも、レアアースは活躍しているんですねぇ~。マスコミは、日本は終わった終わったと不安を煽っていますが、日本の素材研究は縄文式土器の昔からかなり強く、カーボンナノチューブが次のノーベル賞候補と呼ばれる理由です。フッ化水素の純度も、日本製は桁違いですから、韓国への輸出管理が産業の大打撃になるわけで。

【世界初レアアースレスでの高耐久性ジルコニアボールの量産技術を開発
-電子部品、EV及び電池製品等の信頼性・供給安定性向上に貢献-】東レ


東レ株式会社(所在地:東京都中央区、代表取締役社長:日覺 昭廣、以下「東レ」)は、このたび、世界で初めてレアアースレスを実現する高耐久性ジルコニアボールの量産技術を開発しました。本技術で作製したジルコニアボールをMLCC(積層セラミックコンデンサー)用セラミックス材料やLIB(リチウムイオンバッテリー)用電極材料の粉砕・解砕に用いることで、各種製品の信頼性・供給安定性向上に貢献するとともに、ボール交換頻度の低減によりお客様の製造コストダウンに寄与することが可能です。
 2023年度初頭からサンプルワークを開始し、年度内の量産化を目指してまいります。

https://www.toray.co.jp/news/details/20230411144649.html

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、電池のイラストです。

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レアアースは、中国が輸出制限でイヤガラセをしてきましたが、それだけ中国産の質も量も優秀で、日本のみならず世界が依存していた面も。中華フォビアの韓国と違い、日本はイヤガラセに屈せず、レアアースの回収促進や使用量を減らす技術開発、あるいは代替素材の研究で対抗しました。中国のこのような態度に、世界各国でも中国依存を脱する動きがありました。ロシア連邦軍によるウクライナ侵攻によって、エネルギーでも一国に大きく依存する危険性は、改めて認識されましたしね。おかげで新規の鉱山の開発も進みました。

日本に関して言えば、沖ノ鳥島沖の海底に、マンガン塊やレアアース泥が大量にあるというのは、自分が小学生の頃から知られていましたが。なにしろ水深6000メートルという深海ですから、なかなか回収技術が発達しなかった面も。しかし多少コストがかかっても、経済安全保障の点から言えば自前で獲得できるのなら、積極的な深海技術開発は必然ですね。そもそも日本は、世界6位の巨大な排他的経済水域を持つ、海洋国家ですから。深海開発技術はこれからの日本に取って重要な技術。特に深海は、宇宙に匹敵するフロンティア。

深海探査の技術開発は潜水艦という、日本の防衛にとって生命線の、技術開発とセットですしね。自分は、日本の地力はまだまだあり、こういう素材研究では成果も出ていると思いますしね。思えば、自分がガキの頃のマスコミは、ノーベル賞が取れない日本はダメだと批判していましたが、成果が出て毎年のように受賞者が出ると、今度は日本はオワコンだの、今の体制では将来的にはノーベル賞が出るだの、過去の予想失敗を反省もせず、不安を煽るばかり。新聞記者に技術の理解力がないので、仕方ないのかも知れませんが。

自分などと違って、理系の知識と理解の深い人の個人ブログが、技術的な解説とかどんどんやってるので、専門性のないゼネラリストは中途半端な無能の人、という現実が露わですね。科学専門ライターの育成が求められます。サイエンスコミュニケーターをもっと増やしていくことが、本当に重要です。

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

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