見出し画像

関西電力が陸上エビ養殖

◉陸上での養殖って、チョウザメ(キャビア)やフグとかヒラメ、サーモン、魚ではないですがうにとかアワビとか、けっこう研究され、取り組みも広がっているんですが。わりと単価が高いタイプのものが有名ですね。小規模でも、利益率が高いので。エビとなると、伊勢海老とかの高級タイプかと思ったらそうではなく、普通のエビのようですね。ただ、そういうタイプは出荷のサイクルが早くなるようで。キャリーではなくランで距離を稼ぐゴルフのドライバーみたいなもんですかね。

【関西電力、エビの陸上養殖を開始 年間80トン生産】日経新聞

関西電力は4日、子会社を通じて静岡県磐田市内にエビの陸上養殖場を建設したと発表した。エビの数を人工知能(AI)で把握するシステムや掃除ロボットなど先端技術を導入し、国内最大級の年間80トンを生産する。主力のエネルギー事業が資源高や電力小売り自由化などで環境が厳しくなっており、新規事業を強化する。
敷地面積は1万6千平方メートル。長さ40メートルの水槽6つでバナメイエビを育てる。鉄塔の点検などに使うAIの画像認識技術を活用し、稚エビを正確に数えて無駄なエサやりを省く。水槽の掃除ロボットや、夜間は自動で給餌するシステムを導入した。10月から出荷を始める計画で、年間数億円の売上高を見込む。

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、エビ用のイラストまであるんですねぇ。

◉…▲▼▲▽△▽▲▼▲▽△▽▲▼▲…◉

■関西の地理的有利性■

関西電力、というのが味噌ですね。八代の味噌エビは美味しいですが。そういう話ではなく。関西電力は、本業の電力事業以外にも、ビジネスを広げる必要があり、そういう意味では資本もあって有望。さらに関西には、養殖魚の研究では日本でもトップクラスの、近畿大学農学部水産学科がありますからね。和歌山県白浜の水産研究所の近大マグロですっかり有名ですが、他にもウナギとかイロイロ研究しています。過去にも、18種類の種苗生産を世界で初めて達成したとのこと。

加えて、関西は三重大学生物資源学部海洋生物資源学科と京都大学農学部資源生物科学科海洋生物グループという、国立大学の海洋生物の研究機関があります。全国には、農学部内の水産学科とかある大学って、あんまり多くないんですよね。だから、私立大学と国立大学の両方に研究を持ちかけられるのは強み。加えて和歌山は太平洋側に、見えは伊勢湾に、京都は日本海側、大阪と兵庫は瀬戸内海に面しているという、立地的なメリットもありますしね。

■九州にも飛び火してほしい■

こういう部分で、産官一体の研究と産業化が、進みやすい土壌もありますし。あと、発電所の排熱を利用した、温水とか利用できそうですし。ここらへんは、立地条件にもよりますが。もし、関西電力が将来的に第四世代原子炉の高温ガス炉とかに取り組むなら、その高温を利用した原子力製鉄などの排熱を生かした、陸上養殖にも道が拓けるかもです。個人的には、関西電力の取り組みが成功すると、九州電力と九州の各大学の水産学部・水産学科にも広がりそうですね。

九州は、旧帝大の九州大学農学部生物資源環境学科動物生産科学コース水産科学分野・長崎大学水産学部・宮崎大学農学部海洋生物環境学科・鹿児島大学水産学部・琉球大学理学部海洋自然科学科生物系と、水産学部や学科が充実してるんですよね。近大マグロも、奄美で養殖していますし。うちの田舎だと、ウナギの養殖も盛んです。地理的にも、昔から漁業が盛んですし。四国の高知大学とか広島大学の水産学科とも連帯して、西日本の養殖業に活路が開けそうな。

■農林水産業の未来■

個人的には、農業は3Kのイメージがありますが。国の食料安定供給って大事。ただし、国内自給率100%なんてのは幻想です。1993年の米不足のように、下手に国内供給が100%に近いと、不作になったときに大打撃を受けます。なので、実際は100%の供給ができても、不作に備えて輸入して、いざとなっときに輸入量を10~30%ぐらいはアップできるぐらいの、余裕は必要でしょうね。これh,レアメタルの中国依存で、政治的駆け引きの材料に使われたのと同じ。

その上で、後継者不足の農家を、大企業がそのまま雇用すれば、イメージがだいぶ違うと思うんですよね。農家の嫁なんてイヤだが外国人の花嫁を娶るのも許さんとかほざいてる意識高い系の方々でも、それこそTOYOTAやら関西電力やらPanasonicの社員で高給なら、喜んで結婚しそうですし。けっきょく、農林水産業は収入(収穫)が不安定というイメージが、敬遠される理由でもあります。産業としては、むしろ成長産業になれる可能性があるのに。そういう意味でも、期待します。

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ