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新宿歌舞伎町トー横の変化

◉新宿歌舞伎町のトー横(新宿東宝ビル・TOHOシネマズ新宿の横の意味)に、居場所がない子どもたちが集まる問題で、東京都が開設した相談窓口の利用者数が2か月で延べ1600人近くにのぼったとの報道が出ました。ある意味で、新宿の鞍部となっていた場所なので、行政がこうやって本気になるのは、良いこと……なのですが。

【東京都開設の「トー横」相談窓口 2か月で延べ1600人近くが利用 最年少は男女ともに12歳 想定超える利用者数で、相談員の増員も検討】TBS NEWS DIG

東京・歌舞伎町の「トー横」に居場所がない子どもたちが集まっている問題を受け、東京都が開設した相談窓口の利用者数が、2か月で延べ1600人近くにのぼったことが分かりました。

歌舞伎町の「トー横」をめぐっては、学校や家庭に居場所がない子どもたちが集まり、事件やトラブルに巻き込まれるなどしていて、東京都は、悩みを抱えた子どもや若者が社会福祉士などの資格をもった相談員に対面で相談できる窓口を今年の5月末から歌舞伎町に開設し、対応してきました。

こうした中、東京都はきょう(29日)、警視庁や新宿区との情報連絡会議を開き、相談窓口の利用者数が先月末までの2か月間で延べ1584人にのぼったことを公表しました。

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1391386?display=1

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラストです。

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■行政とプロの仕事■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。2ヶ月で延べ1600人、1日平均27人弱ですか。遊び目的で来ている人間が大多数の中、この数は本人の危機感として、重要ですね。このままじゃ不味いと、自覚しているのですから。そんな子どもたちが、社会福祉士などの資格をもった相談員に対面で相談できる、というのも大きいですね。やはり、その道の専門家は、知識も経験もありますから、自分のような素人のアドバイスとか、かえって危険ですから。公的機関が、プロを用意してことに当たる、これが本来の姿なんですよね。

新宿と言えば、歌舞伎町にある新宿区立大久保公園の周囲の、いわゆる〝立ちんぼ〟も、大規模な摘発が繰り返されていますが。左派が言うような貧困が原因ではなく、ホストに貢ぐ金欲しさという、いかにも現代的な理由。新宿区とホストクラブ側の間で、売掛金システムを全廃することを合意して今年4月からはなくなったのですが……上に政策あれば下に対策あり。売掛金は立て替えと名前を変えて、続行。そもそも売春防止法の罰則が「6月以下の懲役または1万円以下の罰金」ですからね。1万円払って続行!となるのは必然。今後は、こちらの方にも力を入れてほしいです。

■超長文の批判投下■

この件に対して、音無ほむらアカウントが、𝕏(旧Twitter)にこんなポストを、していました。

仁藤夢乃が、今日の午前2時25分に全力の長文レシートで役所のトー横相談事業をディスっててワロタ

これ半分、嫉妬だろ?

https://x.com/echonewsjp/status/1830002877190062235
https://x.com/echonewsjp/status/1830002877190062235/photo/1

せっかくなので、

この記事をちゃんと読めていない人が多いようなので解説します。あえて都合よく解釈している政治家たちの投稿が目につくのでその影響かと。

2か月で延べ1600人近くが利用とあり、週5開催なので45日で割るとして、1日あたり35人程度。
そのうち、15歳から17歳の利用は18.6%なので1日あたり6人の計算。

利用者の多くが成人であり、今回男女比も出されていないため、10代の利用者の中に、どのくらい少女がいるのかや、利用者の「延べ」ではない人数も明らかにされていません。

私が以前プレ開催中に「きみまも」を見学した際には、会場内に10人ほどの成人男性(25歳くらいに見える人が多い)が寝転がっていて、とても少女が利用できる雰囲気ではありませんでした。相談員の方に聞くと、女性の利用はほぼなく、残念とのことでした。

「きみまも」は、トー横に集まる青少年支援の名目でスタートしましたが、主に成人男性の居場所となっており、もともとトー横にいなかったけれど、この場所を知ってゲームをしに週に何度も通っている成人男性の方もいます。

そういう方にも居場所が増えることや何度でも利用できる場所があることは良いと思いますが、
トー横における少女に対する性暴力や性搾取の問題解決にはつながりません。

「きみまも」が開いている時間、トー横に来る少女たちに売春させることで生活している男性たちがこの室内で過ごして、その間に少女たちに性売買をさせ、「きみまも」が閉まってから、少女が体を売って確保した宿に向かうということも続いています。
(このことはこちらでもお話しています。 https://youtu.be/RQb5PtKqh4k?si=swBnWdKWWphgvc4c)

また、最近私は歌舞伎町で活動中に、「きみまも」を利用しないかと東京都から委託を受けた団体に声をかけられて画像のカードを受け取りました。その際、18歳未満向けの支援の案内をされました。さすがに私は10代には見えないと思います。相手のことを見ずに活動していることがよくわかる経験でした。
(そのことはこちらにも書いています。
https://x.com/colabo_yumeno/status/1825891397158973693?s=46&t=MNnvjEDgvLT1V59P8vbFMw)

東京都が「きみまも」の周知や運営の委託を行っている法人がこれまでどのような活動をしてきた団体なのかも、ぜひ調べてみてください。メディアは広報記事を書くのではなく、そういう仕事こそすべきなのに。

そもそも『歌舞伎町の「トー横」をめぐっては、学校や家庭に居場所がない子どもたちが集まり、事件やトラブルに巻き込まれるなどしていて、東京都は、悩みを抱えた子どもや若者が社会福祉士などの資格をもった相談員に対面で相談できる窓口を今年の5月末から歌舞伎町に開設し、対応してきました』ということと、東京都が実績として発表した数字に矛盾があることになぜ気付かないのか。

「きみまも」は虐待などを背景に家で過ごせず、児童相談所等で不適切な対応をされて公的機関に強い不信感があり、大人を頼ることを諦めて、性搾取のなかにいる少女たちが安心して利用できる場所にはなっていませんし、
東京都が2018年からColaboと共に若年女性支援に取り組みつつ、いかに若年女性支援や、性搾取の実態、トー横における男性と少女たちの関係性等を理解していなかったのかを実感するばかりです。

性搾取の問題に取り組む気がないどころか、まやかしの対策で「やっている感」を演出し、問題をないものにする東京都や新宿区の姿勢には憤りしかありません。

そこにお金を取りに来る団体や、善意の相談員を政治的にも利用しています。

この2年間の東京都や新宿区の姿勢から、私が甘かったのだということ、行政や首長たちにとっては都合のいい数字や実績があればよく、公的支援のあり方や搾取の構造を変えるような切り込み方はされたくない、本気で少女たちを性搾取から抜け出せるように支えたいなんて思うわけがなかったのだということを実感させられています。

Colaboが東京都の委託を受けて2018-22年度まで新宿区役所前でバスカフェの活動をしていた際、「10代の少女」「だけ」で1晩「4時間」で40人、多い時には70人が利用していました。
(そしてColaboでは一人一人と数年単位で継続的に関わり、あらゆる形での生活支援も行っています。)

「きみまも」の利用者数は決して多いとは言えません。この報道ではセンセーショナルに最年少は12歳、1600人が利用と報じていますが、東京都の広報のような記事を誰がどんな目的で出させているのか、考えるべきです。

(低年齢の少女たちの性搾取被害実態についてはこちらもご覧ください。https://x.com/colabo_yumeno/status/1824811413665411097?s=46&t=MNnvjEDgvLT1V59P8vbFMw)

これで問題解決としたい政治家たちの投稿も貼っておきます。

https://x.com/colabo_yumeno/status/1829933549497287035
https://x.com/colabo_yumeno/status/1829933549497287035/photo/1
https://x.com/colabo_yumeno/status/1829933549497287035/photo/2

なげ~よ笑福亭(c.v 石橋貴明)

■邪推するならば…■

Colaboの目的が若年女性を救うことなら、むしろこの成果を喜ぶべきで、「我々も、できることで頑張っていきます」で良いはずですよね? そもそも、バスカフェが充分に機能していたか、疑問が持たれています。週1回の開催も満足に完遂できず、単にタチンボの女性に避妊具やコスメや食料を与えていただけでは……という批判も見かけましたね。こういう社団法人やNPOに任せると、そういう少女がゼロになったら、組織は解散になってしまいますからね。お客さんは減るどころか、増えてくれたほうがむしろ、公的機関に請求できる助成金も増えます。

バスカフェとかは別に必要なかった。民間に丸投げにしたりせず、行政が必要なことを必要な範囲でやれば良いのです。

東京都開設の「トー横」相談窓口 2か月で延べ1600人近くが利用 最年少は男女ともに12歳 想定超える利用者数で、相談員の増員も検討

https://x.com/ogino_otaku/status/1829771770683146734

そういう意味では、こういういごとを民間に任せることが、そもそも間違いなのでは……と、思ってしまいます。長文でお気持ち表明&相談事業ディスるのは、シノギを奪われるって危機感や、自分たちがやってきたことが無意味だったとバレることへの焦りだと、邪推が可能です。バウカフェの現状を見ると、必要なかったんじゃないか、という疑念が起きますね。もちろん、どんな活動も、効果ゼロということはなく。かの戦艦大和もサマール島沖合で、いちおう敵の駆逐艦ホエールが撃沈した可能性があるように。でも、費用対効果という点では疑問。もちろん、寄付でやる分にはご自由にどうぞ、と思います。


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