首長竜の弱点
◉タニストロフェウスは、三畳紀中期に出現した首の長い爬虫類であって、三畳紀後期に出現し、ジュラ紀白亜紀と繁栄した首長竜の仲間ではないのですが、まぁ、細かいことを言い出すと話が長くなるので、記事では首長竜と呼称しているようです。そもそも、首が長く頭が小さいプレシオサウルス類と、首が短く頭の大きいプリオサウルス類のグループが存在したので、さらに話がややこしいのですが。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、ネッシーの像ですね。
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■首の長すぎる生物■
海棲爬虫類の中で、首の長いタイプはかなり特殊ですね。原生の生物でも、白鳥や鶴、ダチョウなど鳥類はかなり首が長い生物ですが。タニストロフェウスや首長竜の首の長さは、他に類がないです。これに比べると、キリンの首の長さはまだまだ可愛い方と言うか。哺乳類の場合は進化の法則もあり、首の骨が7個しかないんですよね。でも、首長竜や鳥類は、何十個もあるので。
名作『のび太の恐竜』のモデルになったフタバスズキリュウも、その首の長さに驚きます。この長い首はいったい何の役に立っていたのか、よくわかりません。現在 水中で暮らす生物で、ここまで長い首の生物がいないため、使い方がわからないんですよね。例えば、モササウルスやクロノサウルスは、現在のシャチに近い生態的ニッチを占めているので、体の機能もいろいろと類推 できるのですが。
■長い首の使い方■
あくまでも個人的かつ勝手な推測ですが、あの長い首を 魚の群れに突っ込んで、捕食していたのではないか……と思います。首長竜の寸胴な胴体と、四肢がオール状の形状から、そこまで泳ぐスピードが速かったとは思えないので。速度重視なら、サメや魚竜のイクチオサウルス、あるいはシャチの形状に収斂進化しますし。流線型のボディに、尾ビレでの推進力とか。
しかも現在の研究では、鳥類の首のように、柔軟に動いたわけではないようですので。魚の群れは大型の捕食者は近づくと一斉に方向を変えたりして、素早く反応しますからね。首長竜の巨体自体は、少し離れた位置にあり、長い首を使って、頭だけ魚群の中に突っ込んで、パクパクと餌を取る。現在の首の長い鳥類も、ロングレンジから餌を捕食するのに使っていますしね。
ひょっとしたら、魚ではなくイカなどの頭足類の群れなのかもしれません。フタバスズキリュウの歯の形状など、軟体動物の頭足類向きのように見えますし。が、いずれにしろ現在はほとんど首長竜タイプの生物がいないということは、その捕食方法に適した生物が、いないのかもしれません。自分たちが子供の頃は、プレシオサウルスが プテラノドンを襲う イラストなんかが、恐竜図鑑にありましたが。今ではあのような捕食は無理だと分かっていますし。
■首長竜型生物の再臨■
さて、現在の海洋生物は、昔ながらの魚類と、哺乳類の天下ですね。かつて圧倒的な地位を占めていた、海棲爬虫類や魚竜は、完全に姿を消し。一部のウミヘビの仲間ぐらいですかね。哺乳類は、ほぼ全ての種類が首の骨が7個しかないので、鯨類や海獣類が、首長竜のような形状に進化する可能性は多分今後もないでしょう。もしも 多少なりとも可能性があるとしたら、鳥類でしょうね。
もしも、カンブリア紀や白亜紀末のような、大絶滅が再び 地球に起きたとして。鯨類がいなくなった地球で、ペンギンがその生態的ニッチを占めた場合、首長竜のような形状に進化する可能性はありそうです。体調が10メートルぐらいな巨大なペンギンが出現したとして。前肢が巨大なヒレになり、首が伸びる方向に進化して、プレシオサウルスのような形状になる可能性。
鳥類が恐竜の仲間であることは現代科学の常識になりつつありますが。恐竜の仲間が唯一、制覇していないのが 海という場所。陸も空も支配者になった恐竜が、もし 将来、海の覇権も握ったとしたら。地球の進化の歴史としても面白いんですけどね。その場合、首が長く頭が小さいプレシオサウルス類と首が短く頭の大きいプリオサウルス類のグループがいたように。首の長いプレシオサウルス型のペンギンと、首の短いプリオサウルス型のペンギンに進化したら面白いのですが。
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