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台湾が米軍駐留を認める

◉これまでは公然の秘密だったんですが、台湾の蔡英文総統が台湾に米軍が駐留していることを、公式に認めましたし。もちろん、アメリカの了解は取っての発表でしょう。規模はさほどではなくても、台湾を中国が攻撃した場合、それは在台湾米軍のアメリカ人の命を危険に晒した、ということですから。アメリカはしょせん自国優先の国ですが、逆に言えばアメリカ人に対する危害は民主党政権だろうが共和党政権だろうが、絶対に許さないという点では絶対。

【台湾総統、米軍駐留の事実認める これまで「公然の秘密」、中国反発】朝日新聞

 台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統は28日までに米CNNの単独取材に応じ、台湾軍の訓練のために米軍が駐留していることを認めた。台湾の外交関係者によると、1979年に米国が中国と国交を結んで台湾と断交して以降、総統が米軍の駐留を公式に認めたのは初めて。各国で広がる中国への警戒の動きを背景に、台湾の現状を改めて国際社会に周知させようとした可能性がある。
(中略)
 台湾への米軍の駐留はこれまで「公然の秘密」とされ、公には語られてこなかった。米国は中国と国交を結んだ際に、中国が台湾を自国の一部と主張するのを「認知する」と表明。中国も05年に反国家分裂法をつくるなど、台湾独立の動きには武力行使を排除しないと宣言してきたためだ。

ヘッダーの写真はnoteのフォトギャラリーより、台北で撮影した朝日だそうです。

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■台湾有事の可能性■

なにか、自分のような政治の素人が考えているよりもずっと急ピッチで、台湾有事に向けた動きが加速していますね。アメリカは民主党の売電政権になったら、クリントン政権やオバマ政権のように対中政策は甘くなるという意見が去年は多かったのですが、実際になってみたらトランプ大統領よりも対中強硬派です。なにか、よほど確度の高い情報として、台湾有事の情報を得ているんですかね? まぁ、昔から民主党政権は好戦的なんですが……。

こうあんると、安倍晋三元総理が提案したクワッドが、俄然輝いてきますね。対中経済包囲網がTPPで、軍事的な包囲網がクワッド。インドを加えたのは慧眼で、昔から兵法の基本は遠交近攻。遠くの国と交流し、近くの国を挟み撃ちにする。米・日・台の参加国を西で相手にしているとき、東からインドに背後を突かれたら、中国軍としてはキツイです。そして、南からベトナムやフィリピンが動いたら、更に三方面に兵力が必要。

■今後の展開■

そこまま行けば、そうなるでしょうね。数は少なくても、32人もいれば台湾有事になれば、アメリカとしては動かざるを得ないでしょう。台湾有事を想定して、すぐには増員とは行かないでしょうけれども、それこそアメリカは動く超巨大軍隊を持っていますからね。空母打撃群。原子力空母を中心に、巡洋艦や駆逐艦、潜水艦に補給艦と、もうちさな基地が動いてるようなもの。これが台湾に寄港しただけで、現状の中国海軍は手も足も出ませんしね。

 蔡氏はCNN記者から駐留米軍の人数を尋ねられ、「人々が考えているほどは多くない」と答え、駐留を認めた。CNNは米政府の資料として、2018年の10人から21年には32人に増加したと報じている。

台湾だと、アメリカの艦隊が寄港できそうな大きな港となると、高雄港ぐらいしか自分は知りませんが。高雄は昔からの軍港で、日本統治時代も中曽根康弘大勲位とかも勤務した場所。米海軍の原子力空母は300メートルを超える巨体で、日本でも紀行できる港は佐世保や横須賀など、限られていますが。在胎米軍の存在を明らかにした次のステップは、空母打撃群の寄港でしょうかね。台湾付近を航行中にトラブルが起きて緊急寄港、とか理由はいくらでも付けられますし。

■中華民国殲滅の野望■

この動きが高まれば、台湾内の親中派は発言力を失うでしょう。ウイグルや香港、もっと言えば古くはチベットでも、中国共産党は一貫して人権弾圧をしていましたし。一国二制度なんて甘言も、あっさり反故にしましたから。台湾も、できれば今の曖昧な状況でやり過ごしたいという、事なかれ主義の国民が多数派のようですが。戦争は、相手があって始まること。いくら台湾国民の大半が穏健で、争いを望まなくても、習近平政権はそうではない、ということ。

中国は正統の概念があり、現在の王権(天下の支配権)は伝説の黄帝から歴代皇帝に受け継がれ、中華人民共和国政府はその政党を受けつだという考え。だから、異民族の清朝の最大版図を、自国の領土と主張するわけです。そして、前王朝の中華民国の生き残りである台湾は、目の上のタンコブ。正統の概念にとらわれていなければ、台湾が独立しても、それはとるに足らないことのはずですからね。始皇帝の大統一思想と皇帝制度は、今も中国を支配しています。

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