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元毎日新聞西山太吉記者「私は犠牲者だが勝利者」

◉西山太吉元記者の主観では、犠牲者だが勝利者なんでしょうね。あくまでも主観では。しかし客観的には、既婚の外務省事務官に接近し、泥酔させ肉体関係を結び、それでダブル不倫状態で情報を入手し、社会党の議員に新聞報道前に情報漏洩と、あまりに汚い手法に世論は激怒。毎日新聞は大幅な部数減で債務超過に陥って、経営破綻して新旧分離。西山記者は最高裁で有罪確定。

【「私は犠牲者だが勝利者」 元毎日記者の西山さん―沖縄密約、事件から50年】時事通信社

 1971年6月の沖縄返還協定をめぐり、外務省の女性事務官から機密公電を違法に入手したとして、元毎日新聞記者の西山太吉さん(90)が国家公務員法違反容疑で逮捕された事件から4日で50年。西山さんが取材に応じ、「私は犠牲者だが勝利者。負けたのは国家だ」と振り返った。
(中略)
 その上で「あの時に取った方法はあれで良かった」と振り返り、「最後までうそをつき通したのが国だ。私は犠牲者だけど勝利者だ。今は赫々(かっかく)たる戦勲だと思っている」と総括した。

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、新聞の写真でしたが、毎日新聞の部分をアップに。

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■大衆のバランス感覚■

スクープとされた、地権者に対する土地の原状回復費400万ドルを建前ではアメリカ合衆国連邦政府が支払うことになっていたが実際には日本国政府が肩代わりしていたという部分も、今となってはそういう密約はあるだろうな、ぐらいの話。400万ドルは、ニクソンショック前の1ドル360円のレートで見ても、14億4000円。当時と現在では政府予算は10倍ほど違いますが、そこを加味しても144億円ぐらい。それぐらい払うでしょう。

政府と政治家が嘘をついた、という正義感で毎日新聞と西山記者は一点突破できると思ったのでしょうけれど。正義を振りかざした当人が、不正義極まりないことをことをやってちゃ、しょうがないですよね。大衆のバランス感覚としては、西山記者と毎日新聞にNO、ということでしょう。当時の毎日新聞の本社見解とおわび』を、以下にコピペしておきます。Wikipedia 先生からの転載ですm(_ _)m

「両者の関係をもって、知る権利の基本であるニュース取材に制限を加えたり新聞の自由を束縛するような意図があるとすればこれは問題のすりかえと考えざるを得ません。われわれは西山記者の私行についておわびするとともに、同時に、問題の本質を見失うことなく主張すべきは主張する態度にかわりのないことを重ねて申述べます」

■愛国無罪の正義無罪■

西山記者に対して自分が、個人的に感じる不快感は、グリーンピース日本支部による『グリーンピース宅配便窃盗事件』での言い訳と、とても類似したものを感じるからでしょうね。両者に共通しているのは、自分のやったことは正義である・正義であるから手段は正当化される、という傲慢さでしょうか。目的は手段を正当化しないし、いわんや無罪なんてないです。このnoteでも言及していますが、放伐の問題です。

残虐な暴君を弑逆するのは是か非か、という東洋の議論。夏王朝の暴虐な桀王を、後に殷王朝を開く湯王は追放し。殷王朝の暴虐な紂王を、後に周王朝を開く武王は征伐。これによって安寧の世が訪れるのですが。少なくとも、建前上は暴力革命を否定せねば、秩序は片時も成立しません。正義は暴走しても正義だもんで好き勝手やられては、正義と正義の潰し合いにしかなりませんから。

■国際政治の現実は…■

正義のために不正な手段で情報を入手するのが正当化されるならば、政府だって沖縄返還のために裏金を用意したり嘘をつくことが許容されませんか? 政府は権力で悪で、新聞記者は大衆の味方で正義だと、非対称性を言うのでしょうけれども。ベトナム戦争もまだ集結せず、政府の金券腐敗もひどかった70年代前半ならば、そういうバイアスのかかっていたでしょうけれど。それでも西山記者の手法は到底正当化は難しいでしょう。

そして、ロシアが一方的にウクライナ侵攻した現在、たとえロシアとウクライナの間の和平交渉がうまくいき、平和が回復したとして。ロシアのプーチン大統領も、ウクライナのゼレンスキー大統領も、表に出せないであろう密約がある可能性は、十分に想定できるでしょう。国際政治というのは所詮、血脂がべたつくようなギリギリの駆け引きや騙し合いの世界。「ガラス張り外交!」なんてお花畑平和論はもう、令和の時代には通用しないでしょう。

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