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ロシア内戦か?

◉なんというか、とんでもない事態になっている感じですね。当初は、プーチン大統領とプリゴジン氏によるプロレスというか、西側陣営の情報撹乱のための自作自演の疑いもあったんですが……。どうも、そんな感じでもなく、かなり緊迫した情報が、海外から続いています。もしこのまま、ロシア連邦内で内戦状態が悪化し、プーチン大統領が失脚しても、十月革命と同じような流れになったら、それこそ自分たちは歴史的な瞬間に立ち会っている、ということになるわけですが。

【ロシア政府、雇い兵組織「ワグネル」が武装蜂起呼びかけと ワグネル部隊の動きに注目集まる】BBC

ウクライナへの軍事侵攻をめぐり、ロシア国防省と、ロシア軍に協力していた雇い兵組織ワグネルとの確執が高まる中、ロシア当局は23日夜、ワグネル創設者エフゲニー・プリゴジン氏を武装蜂起呼びかけの疑いで捜査していると明らかにした。これに先駆けプリゴジン氏は、ロシア軍がワグネル部隊をミサイル攻撃したと非難。指導部にいる「悪」を阻止しなくてはならないとして、「正義のために行進する」と表明していた。プリゴジン氏がロシア南西部ロストフ・ナ・ドヌで、ロシア軍の南部軍管区司令部に入った様子とされる動画が拡散している。

https://www.bbc.com/japanese/66006394

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、マトリョーシカの写真です。

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そもそもロシア連邦が、雇兵組織ワグネルに頼っていた、というのが非常に象徴的です。日本でも暴力団が、中国人などに非合法の汚れ仕事をアウトソーシングしていたら、けっきょくはシマを乗っ取られてしまったとか。当たり前ですよね、非合法組織だからこそ、その暴力は大きな力を持つわけで。そこを外部に頼っていたら、雇われて危険な仕事をこなすより、自分たちで天下を獲ってしまえというのは世の常。それは軍人にしてもそうで、実際の暴力を持った組織が、権力の源泉でもあります。

13世紀から16世紀初頭にかけて、現在のカイロを中心として、マムルーク朝が存在しましたが。奴隷身分の騎兵であるマムルークを出自とする軍人とその子孫からスルターン(君主)が出たため、この名で呼ばれています。ちなみに、白人の奴隷身分出身の軍人たちでしたから、一般的な奴隷のイメージとは異なり、テュルク系の遊牧民出身者を中心としており、結果的にアラブ人の軍団が大きく減ってしまったと。ここらへん、貴族に使われていた武士階級が、覇権を握ったのにも似ていますね。

中華の歴代王朝でも、皇帝の強大な権力は、軍隊の軍事力が背景にあるわけです。いちおう儒教の建前では、文のほうが武よりも序列は上(武帝より文帝と諡されたほうが格上)でしたが、現実には力を持ってる方が実力者。鄧小平氏も、肩書上はたいしたことないんですよね。チェス協会の会長、みたいなものが最も高い肩書で。書記長でもなければ、主席でもない。でも、彼は最高実力者と呼ばれたわけで。それは、天安門広場の学生を鎮圧するために、軍部を動かす力を持っていた、ということです。

近現代の日本でも、けっきょくは軍部という、政治の実権を握った連中が、国政を壟断したわけです。もちろん、この端緒を作ったのは、鳩山一郎と犬養毅が野党時代に、統帥権干犯問題を持ち出したためで。シビリアンコントロールというシステムが生まれたのも、侵略してくる外国だけでなく、国民にも牙を向く可能性を持った軍部という必要悪を、暴走させないために生まれた人類の知恵ですから。もしプリゴジン氏がプーチンを打倒し実験を握ったら、これは現代の下剋上。日本史の中でも旧暦の今頃、織田家の兵力を与えられて出兵しながら、その主君を暗殺した人物が出現したわけですが。

ときは今 あめが下知る 五月かな

プーチン大統領のウクライナ侵攻から、安倍晋三元総理大臣の暗殺、そして岸田文雄総理によるG7広島サミットで、G7が広島で平和記念館を訪れ献花。これは、1945年に生まれた戦後の体制が、組み変わったっターニングポイントです。日本とドイツ(とイタリア)を敗戦国として、戦勝国クラブの国連による戦後秩序が、ロシア連邦(と場合によっては中国と北朝鮮)を敗戦国とした秩序に、置き換わろうとしている可能性。北方領土の帰趨とか、そんな小さな話ではなく、今歴史の1ページがめくられている可能性。注意深く見守りたいです。

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