ロシア内戦か?
◉なんというか、とんでもない事態になっている感じですね。当初は、プーチン大統領とプリゴジン氏によるプロレスというか、西側陣営の情報撹乱のための自作自演の疑いもあったんですが……。どうも、そんな感じでもなく、かなり緊迫した情報が、海外から続いています。もしこのまま、ロシア連邦内で内戦状態が悪化し、プーチン大統領が失脚しても、十月革命と同じような流れになったら、それこそ自分たちは歴史的な瞬間に立ち会っている、ということになるわけですが。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、マトリョーシカの写真です。
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そもそもロシア連邦が、雇兵組織ワグネルに頼っていた、というのが非常に象徴的です。日本でも暴力団が、中国人などに非合法の汚れ仕事をアウトソーシングしていたら、けっきょくはシマを乗っ取られてしまったとか。当たり前ですよね、非合法組織だからこそ、その暴力は大きな力を持つわけで。そこを外部に頼っていたら、雇われて危険な仕事をこなすより、自分たちで天下を獲ってしまえというのは世の常。それは軍人にしてもそうで、実際の暴力を持った組織が、権力の源泉でもあります。
13世紀から16世紀初頭にかけて、現在のカイロを中心として、マムルーク朝が存在しましたが。奴隷身分の騎兵であるマムルークを出自とする軍人とその子孫からスルターン(君主)が出たため、この名で呼ばれています。ちなみに、白人の奴隷身分出身の軍人たちでしたから、一般的な奴隷のイメージとは異なり、テュルク系の遊牧民出身者を中心としており、結果的にアラブ人の軍団が大きく減ってしまったと。ここらへん、貴族に使われていた武士階級が、覇権を握ったのにも似ていますね。
中華の歴代王朝でも、皇帝の強大な権力は、軍隊の軍事力が背景にあるわけです。いちおう儒教の建前では、文のほうが武よりも序列は上(武帝より文帝と諡されたほうが格上)でしたが、現実には力を持ってる方が実力者。鄧小平氏も、肩書上はたいしたことないんですよね。チェス協会の会長、みたいなものが最も高い肩書で。書記長でもなければ、主席でもない。でも、彼は最高実力者と呼ばれたわけで。それは、天安門広場の学生を鎮圧するために、軍部を動かす力を持っていた、ということです。
近現代の日本でも、けっきょくは軍部という、政治の実権を握った連中が、国政を壟断したわけです。もちろん、この端緒を作ったのは、鳩山一郎と犬養毅が野党時代に、統帥権干犯問題を持ち出したためで。シビリアンコントロールというシステムが生まれたのも、侵略してくる外国だけでなく、国民にも牙を向く可能性を持った軍部という必要悪を、暴走させないために生まれた人類の知恵ですから。もしプリゴジン氏がプーチンを打倒し実験を握ったら、これは現代の下剋上。日本史の中でも旧暦の今頃、織田家の兵力を与えられて出兵しながら、その主君を暗殺した人物が出現したわけですが。
ときは今 あめが下知る 五月かな
プーチン大統領のウクライナ侵攻から、安倍晋三元総理大臣の暗殺、そして岸田文雄総理によるG7広島サミットで、G7が広島で平和記念館を訪れ献花。これは、1945年に生まれた戦後の体制が、組み変わったっターニングポイントです。日本とドイツ(とイタリア)を敗戦国として、戦勝国クラブの国連による戦後秩序が、ロシア連邦(と場合によっては中国と北朝鮮)を敗戦国とした秩序に、置き換わろうとしている可能性。北方領土の帰趨とか、そんな小さな話ではなく、今歴史の1ページがめくられている可能性。注意深く見守りたいです。
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