見出し画像

ティラノサウルスの知能は高い

◉ティラノサウルス・レックス──恐竜を何か一種類だけ選べと言われたら、間違いなく筆頭に来るであろう人気の恐竜です。ある意味、恐竜の代名詞。自分が子供の頃に比べると、恐竜の姿やイメージはずいぶん変わりました。ゴジラのような直立タイプから、地面に水平な姿勢になり、羽毛があった可能性さえ指摘されています。そして新たに、その知能も今まで考えられていたよりも、ずっと高いのではないかという指摘が……。

【Tレックスの知能は「霊長類」に匹敵していた!? 道具を使えた可能性も!】ナゾロジー

ティラノサウルスはただの強靭な恐竜というだけではなかったかもしれません。
米ヴァンダービルト大学(Vanderbilt University)の研究者はこのほど、恐竜の大脳皮質のニューロン密度を調べた研究で、ティラノサウルスが現代のヒヒと同等の知能を持っていた可能性を発見しました。
この傾向はTレックス以外にもアロサウルなどを含む獣脚類に共通して見られ、これまで考えられていた以上にこの肉食恐竜のグループの頭が良かったことを示唆しています。
研究主任で神経解剖学者のスザーナ・エルクラーノ=アウゼル(Suzana Herculano-Houzel)氏は「一部の賢い動物と同じように道具を使えた可能性もある」と述べました。
研究の詳細は、2023年1月5日付で科学雑誌『Journal of Comparative Neurology』に掲載されています。

https://nazology.net/archives/120272

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、

◉…▲▼▲▽△▽▲▼▲▽△▽▲▼▲…◉

■恐竜は鳥類そのもの■

自分たちが小学生の頃はまだ、恐竜は変温動物の爬虫類の仲間と思われていましたから。その知能も、かなり低く。ステゴサウルスなどは脳みその大きさが梅干しやクルミぐらいしかないなどと言われ、尻尾を踏まれてから気づくまでに5分ぐらいかかった、なんて図鑑に書かれていたものです。ところが、ジョン・オムストロウム博士のディノニクスの研究から、恐竜温血説が唱えられるようになり。それどころか羽毛恐竜が大量に発見されるようになりました。

昔は、始祖鳥の化石から鳥類は恐竜から進化したという説が唱えられたのですが。鳥類にある鎖骨が恐竜にはなく、また鳥の前肢の指と恐竜の指に違いがあるため、鳥が恐竜から進化したという説は一時期、否定されていました。ところが古生物学の発展によって、恐竜にも鎖骨があるタイプの種類がいたこと。指の骨の違いは、東北大学大学院生命科学研究科の田村宏治教授らの卵の中でヒナが育つ過程の研究で、鳥の前あしの指も恐竜と同じ種類だと証明されたのです。

■知能は多様で難しい■

その結果、鳥類は恐竜の子孫どころか、生き残った恐竜であるというレベルにまで話が発展しました。そうなってくると、鳥類でもカラスなどは非常に高い知能を示すますから、恐竜の知能というのもかなり高い可能性が出てきたわけです。そもそも鳥類が頭が悪いというのは、人類を基準にした考え方なんですよね。人類が頭がいいのは大脳が発達しているからという考えが強く、大脳があまり発達していない爬虫類や鳥類は頭が悪いとみなしたわけです。

しかし鳥類は、中脳が発達しています。人類は地上で生活するために、空間を認識するために必要な中脳があまり発達する必要がありませんでしたが。空中を飛ぶ鳥類は、この中脳が発達する必要があったわけです。それぞれの生存戦略にとって重要な部分が発達しただけで、そこで上下優劣を語ること自体が、人間は神様が作った特別な存在で他の動物よりも偉いという、キリスト教由来の考え方に引きずられていた結果ですね。

■視覚と嗅覚の発達■

今回の研究も、大脳新皮質のニューロンの密度から知能推測するという考え方で、やや旧来の考え方に立脚してるようにも見えますが。大きさや量ではなく密度という部分は、新しい視点ですね。鳥類を観察していても、サボテンのトゲを使って樹木の中の虫をほじくり出したりする種類がいたりと、道具を使う鳥類の報告は結構ありますからね。カラスが自動車を使って、クルミの殻を破るなんて報告も、日本でありました。

ティラノサウルス・レックスの知能がどの程度であったかは、永遠の謎ではありますが。目の位置が立体視のできるポジションにあったり、嗅覚を司る脳の部分が大きかったという研究もあります。哺乳類の大脳が発達したのも、夜行性で臭いによる情報によって行動していたため、この臭いによる情報を処理するために大脳が発達したという説があるようです。そう考えるとティラノサウルスの知能も、当時の生物としてはかなり高かった可能性はありますね。

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ