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小惑星リュウグウからアミノ酸

◉アミノ酸、これが複雑に連結して、タンパク質を構成します。なので、プロティンとは別に、消化吸収が良いというのでサプリメントで、アミノ酸が発売されています。お値段は、プロティンより高いです。で、この生物の肉体を構成するタンパク質の元が、小惑星のリュウグウから探査船はやぶさ2が持ち帰ったサンプルから、見つかったとのこと。これでまた宇宙科学だけでなく生命科学分野で、生命の起源は宇宙由来説で、オカルト界隈も含めて大騒ぎになるでしょうね。

【リュウグウの試料からアミノ酸 20種類以上、生命の起源解明の手掛かりに】産経新聞

 日本の探査機「はやぶさ2」が2020(令和2)年に小惑星リュウグウから地球に持ち帰り、成分や状態などの詳細な分析が進められている試料から、タンパク質の材料となる有機物のアミノ酸が20種類以上検出されたことが6日、関係者などへの取材で分かった。生命の源となる極めて重要な物質のアミノ酸が地球以外の天体で発見されたのは初めてで、地球の生命の起源を解明する上で大きな手掛かりとなりそうだ。
 はやぶさ2は、太陽系の起源や生命誕生の謎を解き明かすことなどを目的に、リュウグウの表面や地下から試料を採取。砂状の試料約5・4グラムを持ち帰った。これまでの分析で、水や有機物の存在を示唆するデータが得られており、より生命の構成物に近いアミノ酸の発見が期待されていた。

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、宇宙で検索したら出てきたイラストですが、たぶんリトルグレイですね。

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■生命の起源はどこか?■

生命の起源説は、昔から論争でして。有名なのは、ティンダルの実験やパスツールの観察など。1953年にスタンリー・ミラーが、原始の地球の環境に近いと思われる状況を再現し、水・メタン・アンモニア・水素を混ぜたフラスコに長時間放電すると、化学物質の組み合わせから生物の素材となるような成分ができるかどうかを実験しました。すると、1週間後にはアミノ酸の無生物的合成を確認しました。そう、アミノ酸は無機物から合成されるんですね。

現在は、この実験への否定的な意見もあります。原始地球の環境はもっと違った、メタンやアンモニアなどの気体ではなく二酸化炭素や窒素酸化物などの酸化性気体が主成分であったという根本的な批判から、そもそも落雷での放電のあった地表近くの海ではなく、海底の熱水噴出口こそ、断続的にエネルギーが供給される安定した環境ではないかという、学説も提示されています。

■生命宇宙起源説への疑問■

で、実は生命の起源は宇宙の遥か彼方、ハレー彗星やボッシュ彗星などの彗星がやって来るとされる、海王星の軌道よりもさらに外側のエッジワース・カイパーベルトや、理論上の存在ですがオールとの海と呼ばれる場所こそ、生命誕生の場所という、宇宙起源説ともつながりますが。個人的には、それは生命の起源を宇宙にスライドさせただけで、では宇宙ではどうやって生命が誕生するか、そこの謎は先送りになりますからね。あまり賛成できません。

しかし、小惑星からもアミノ酸ということは、あんがいどこでも合成される可能性がある、ということです。宇宙空間でも、生成されるなら、それが彗星によってもたらされた水分が、生命の起源になる可能性はありますが。でも、そもそも地球自体は生命が合成される環境ですし。比較的地球に近く、水分もあった火星で生命が誕生していないわけですから、材料だけあっても生命が誕生するか否かは、個々の惑星の環境が大きいかと。

■生命史は極上の推理小説だ■

自分は、生命の起源自体にはそれほど興味が無いんですが、生命の進化は大好きです。ほんと、微生物のようなものがどういう進化の結果、バージェス頁岩に封じ込められたモンスターのように進化し、それが魚類や両生類や爬虫類、そして哺乳類や鳥類に進化していったのか? 本当に不思議です。それこそ、哺乳類だって「キリンの首はなぜ長いんですか?」という小学生の素朴な疑問に、きちんとは答えられていないんですよね。いろんな仮説はあるんですが。

ただの無機物が有機物になり、その有機物がいつ・なぜ・どうして・どうやって、分裂と自己増殖を始めた理由、そこには興味があります。かのメアリー・シェリーの傑作『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』もまた、その生命の神秘と、そこに神の存在の否定と肯定───有神論と無神論にもつながってくることですが。個人的には、そういう宗教史は離れて、純粋に科学としての巨大な謎解きに、興味があるもんで。一種の推理小説のようなもんですね。

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