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感情で原発を止めた裁判長

◉樋口英明元福井地裁裁判長は「桁違いに危険な状況では、原発を止めるしかない。感情の問題ではなく、論理の問題」と強弁していますが、感情の問題です。ハッキリ言えば、科学的な根拠に基づかない感情、つまり私情。それで日本国民に莫大な不利益をもたらしているのですから、呆れます。毎日新聞社は、これを義挙のように報じていますが、記事中に「わが国の原発の耐震性は極めて低い」根拠は、いっさい書かれていません。

【大飯差し止め判決の元裁判長 「私が原発を止めた理由」とは】毎日新聞

 元福井地裁裁判長の樋口英明さんが「私が原発を止めた理由」(旬報社)を出版した。「多くの原発の耐震性が一般住宅より低く、その低さの根拠が不可能とされている地震予知に基づくことは間違いなく電力会社が最も国民に知られたくない事実」と指摘している。東京電力福島第1原発事故から間もなく10年。今もなお多くの人が避難を続け、古里に帰れない現実がある中、「事故から学ぶもの」を鋭く問いかけている。【塩田敏夫】

 三重県出身。京都大法学部卒業後、35年間裁判官を務めた。2014年5月、福井地裁裁判長として関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止めを命じる判決を出した。「3・11」以降、原発運転の差し止めは初めて。さらに15年4月、高浜原発3、4号機(同県高浜町)の再稼働差し止めの仮処分決定を出した。17年に名古屋家裁部総括判事で定年退官した後、与謝野町をはじめ、全国で講演活動を続けている。

東京地裁で片手の数ほど裁判した経験に過ぎませんが、地裁の裁判官は、問題ある人が多い印象です。実際、高裁や最高裁でひっくり返る裁判が多いです。そういう地裁は、偏った判決を出す裁判官の名前も認識されていて、左派はその裁判官を狙って提訴するので。大阪や広島、北海道などリベラル政党が昔から強い地域に顕著ですが。著書の宣伝になるので、こうやってnoteで取り上げるのも、本当はイヤですが。

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■震源と原発の距離■

そもそも、東日本大震災では震源により近かった女川原子力発電所は、問題なく稼働していました。福島第一原子力発電所の事故は、津波による外部電源喪失が原因であり、これは設計ミスの部類。東日本大震災の、東北地方太平洋沖地震の震央は北緯38度6分12秒・東経142度51分36秒を地図で調べると、仙台市の北緯38度16分5.6秒東経140度52分9.9秒に近く、およそ東に130キロぐらいの地点だとわかります。下記地図の太平洋上のハートマークがそれ。男鹿半島のハートマークが女川原子力発電所です。

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女川原子力発電所はもっと震央に近い120キロほどですし、福島第一原子力発電所はもっと遠い180キロ弱です。一方、鹿児島北西部地震では、震源地のすぐそばに在った川内原子力発電所も、1997年3月26日にM6.6で最大震度5強の、同年5月13日にM6.4で震度6弱の地震が発生しています。東北地方太平洋沖地震よりずっと弱いじゃないかマグニチュードは1違えば……と言う前に、地図で確認してください。赤いポイントが震央、★マークが川内原子力発電所です。

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■無視される鹿児島県北西部地震■

鹿児島北西部地震の震央と川内原子力発電所の直線距離、およそ18キロ弱。しかもこのとき、余震も当然ながらありました。死者も出なかったし、しょせん九州の端っこの県の地震でしたから、話題にもなりませんでしたが、この数字を見せるとだいたいの人が驚きます。ほぼ一月半の間に、四連続で大きな地震が来てるのですから。それでも、その後も原発は普通に運転しています。東日本大震災の14年前にあったこの事実は、重いです。

【鹿児島県北西部地震の主な本震と余震】
・1997年3月26日/M6.6/最大震度5強(本震)
・1997年4月03日/M5.7/最大震度5強(余震)
・1997年5月13日/M6.4/最大震度6弱(本震)
・1997年5月14日/M5.1/最大震度4(余震)

他にも柏崎刈羽原子力発電所と、2004年10月23日の新潟県中越地震でのM6.8最大震度7や、2007年7月16日の新潟県中越沖地震のM6.8最大震度6強の事例もありますし。超デカいヤツが一発来ても、かなりデカいヤツが四連発で来ても、原子力発電所は地震そのものにはちゃんと耐えています。もちろん、東電などもこういう資料は出したでしょう。でも、樋口英明元福井地裁裁判長は聞く耳を持たなかった。それだけの話です。

■化石と原発の意味■

繰り返し書いていますが、第三世代の原子力発電所は、鉄筋とコンクリートの塊で、古い岩盤の上に建設されていますので、地震の揺れには強いです。具体的には第三紀以上の古い岩盤が理想だそうですが。北海道の泊原発や、福井、福島、島根、伊方、玄海、川内原子力発電所の近くに、恐竜化石や貝化石の産地が多いのは、けして偶然ではありません。それと、冷却用の水が必要で、河川や海の近くに建設されています。

ちなみに、沖積平野の関東平野は岩盤まで3000mもあって、原発は建設が難しいのです。ベネチアや厳島神社の原理と同じで、地中に大量のパイルを打ち込めば、できないことはないようですが、費用対効果で無意味。こういう記事に、さすがに弓月光先生も呆れていますが。自分がやらかしたことの意味がわかっていない元裁判官に、ちゃんと科学的な批判を加えず、提灯持ちをするマスコミの問題です。

岩波世界や朝日新聞、そして毎日新聞と、旧メディアの劣化が止まりません。
どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

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