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日本アニメ関連市場は約2兆7400億円

◉昨年11月の記事ですが、見逃していました。Twitter を見ていたら運良く流れてきたので、備忘録も兼ねてnoteにしておきます。日本のアニメと、そこからイロイロと派生する関連市場の総計が、約2兆7400億円とのこと。これは、予想以上に大きな市場ですね。日本のコンテンツビジネスは、どうしてもアメリカなどからの映画は大量に入ってくるので、貿易赤字なんですが。実際は思った以上に大きな市場だというのが分かります。

【日本アニメの世界市場過去最高の2兆7400億円 アニメ産業レポートが報告】アニメーションビジネス・ジャーナル

 日本アニメとそこから派生する関連市場の総計が過去最高を更新し、約2兆7400億円に達したことが分かった。2022年11月8日、日本動画協会は2021年の日本アニメの関連市場統計を集計した最新数字として、2021年の世界の日本アニメ市場が2兆7422億円であると発表した。
 2021年の推計は前年比で13.3%増となり、これまで過去最高であった2019年の2兆5145億円をも大きく超えた。日本アニメの世界市場は約2兆円と言及されることが多いが、実際の数字はむしろ3兆円に近づきつつある。

http://animationbusiness.info/archives/13790

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、アニメレビュー用のロゴマークですが、かっこいいのでそのまま使わせていただきます。

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■世界の映画興行収入との比較■

もうひとつ、2021年の世界の映画興行収入の合算が213億ドル(2兆7600万円)だったという情報がありました。世界の映画市場自体はもっと大きいものだと思っていたので、ちょっと意外ですね。もちろん、2019年のコロナ前の数字から比較すると、50%減の数字ではあるので。元々は400億円を超える4兆円市場だったのですが。CANONグループの連結売上高が3兆5133億5700万円ですから、映画市場が小さいのかもしれませんけれど。

【2021年世界映画興行収入2兆7000億円、日本は市場規模3位】アニメーションビジネス・ジャーナル

 米国の映画製作業界団体MPA(Motion Picture Association)は、この春の刊行した映画・映像業界レポート「THEME REPORT 2021」にて2021年の世界の興行収入の合算が213億ドル(2兆7600万円)だったこと明らかにした。前年比では81%増と高い伸びになったが、2019年対比では50%と大きく落ち込んでいる。新型コロナ感染症の影響が続いたためである。
 国別で最も興行収入が大きかったのは中国で73億ドルだ。前年の30億ドルから急伸している。北米(米国・カナダ)の45億ドルを大きく上回り、2年連続で世界最大の映画興行市場を維持した。中国は新型コロナ感染症の劇場への影響が他国に較べて小さかったことが幸いした。北米市場は2020年の22億ドルから105%増であったが、2019年の114億ドルからかなり遠い。

http://animationbusiness.info/archives/13063

アニメ映画だけでなく、テレビアニメやネットでの配信、さらにそこから派生した様々な書籍、関連グッズなどの売り上げも含んだ数字が2兆7400億円ですから、単純に比較はできないのですが。それでもこの数字はなかなか大きいですね。このアニメ市場並びに、原作提供のルートとして貴重な漫画市場を攻撃して、萎縮させようとするツイフェミの言動が、いかに国益を損なうかねないか。そのような言説に付和雷同する政治家には、もうちょっと考えて欲しいですね。

■意外と大きいアニメ関連市場■

では昨年、2022年の世界映画興行収入はどれくらいだったかといえば。こちらもアニメーションビジネス・ジャーナルが報じていました。2021年に中国に首位の座を奪われたアメリカですが、2022年はその座を奪還したようです。とはいえ、コロナ前の2019年は、アメリカの映画興行収入は113億6300万ドル(1兆4800億円)でしたから、やはり巨大な市場ですね。これに比較して日本の市場は小さいというイメージがあったので、アニメの関連市場に驚いたわけです。

【2022年世界映画興収 北米9600億円、中国5700億円、日本が第3位】アニメーション・ビジネスジャーナル

 2023年の新しい年が始まると共に、2022年の世界主要マーケットの映画興行の年間売上高も見えてきた。引き続き世界各地で新型コロナ感染症の影響があるなかで、北米が73億3800万ドル(約9600億円)と前年比64%増となり再び世界最大の市場に浮上した。
(中略)
 一方で2021年に初めて世界最大市場となった中国(本土)は、22年は前年比36%と大きな落ち込みで約300億6700万元(約5700億円)となった。世界最大市場の座を再び北米の引き渡すことになった。

日本の映画興行市場は2020年が13億ドル、2021年が微増の15億ドル、2022年の興行成績はまだ発表されていないんですが、雀の戸締りなどの大ヒットもあり東証予想の2100億円を超えるかもしれない……とのことなので、本日のレートで17億ドル前後ぐらいでしょうか。この2100億円という数字と比較しても、アニメとその関連市場は本当に巨大ですね。もちろん自動車産業などと比較すれば、小さな市場ですが。それでもなくなっていい市場などというのは間違いです。

■製作現場に利益が届かない?■

残念なのは、市場自体はこれほどあっても、アニメ業界が潤っているかと言われれば……。もちろん自分は、才能や適性がない30歳以下のアニメーターの低賃金をあげつらて、殊更にブラック体質と批判するのは違うという立場です。何度も書いていますが、プロ野球選手の一軍レギュラーの年俸と、3軍の育成選手の年俸に差があるのは当然ですし。40歳を超えて活躍する選手が、両手の数もいないプロ野球に比較して、アニメーターは60歳でも70歳でも現役の人がいる職種ですから。

ただそこを割り引いた上でも、例えばアメリカのディズニー・アニメーション・スタジオズやPIXARの社員と日本の一流アニメーターの収入や待遇には、差があるのは事実でしょう。ディズニーやPIXARの場合、CGアニメーター・2Dアニメーターともに、平均年収が約9~12万ドルとのこと。本日のレートで1167万円から1556万円ぐらい。日本のアニメーターの30-59歳の平均的な年収の、2倍から3倍ですね。

日本も平均800万円ぐらいは、行ってもいいんでしょう。ただここら辺は、アニメ業界だけではなくそもそも日本の映画業界自体の体質みたいなものが、アニメにも影響している部分はありそうですけどね。製作委員会方式の問題点については、岡田斗司夫・ヤマカン監督らが指摘されていますが。映画の脚本家で食えなかった人が小説家になったら食えるように、裏方に対して出版業界よりも大切にしていない面はあるような気もしますけどね。

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