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経営側のコミュ力と常連

◉興味深いまとめが、Togetterにありましたので、ご紹介を。フィットネスクラブの退会理由とその統計が、意外だけど言われてみれば心当たりがある結果だったので、話題になりました。

【フィットネスクラブの退会理由が統計の専門家によって「スタッフのコミュ力の高さ」だとわかったと聞いて統計学すげーっとなった話…「それ」コミュ力低くない?」「コミュ力とは?」の反応も】Togetter

統計学って凄いなぁ思ったのは、フィットネスクラブの退会理由は長年、何と相関があるのか謎に包まれていましたが、統計の専門家の調査により、退会理由と相関があるのは、まさかの「スタッフのコミュ力の高さ」だということがわかったこと。こんなこと統計でなければ突き止められない。コミュ力高いスタッフがおったらあかんかったんかーい!という結果に。コミュ力高いスタッフがいると常連と仲良くなりすぎて、新規客が疎外感を感じて、何となく居心地が悪くなり退会してしまうというのが理由のようでした。

https://togetter.com/li/2361268

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラストです。

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■マニアがジャンルを潰す■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。常連というのは、経営する側からすれば、長期的に利用してくれているわけで、ありがたい存在ではあるのですが。それが一歩間違うと、新規参入者へのハードルというか障壁なり、時にはガーディアン=門番になってしまうという、危険性。でもこれは、心当たりがあります。新規参入者をニワカと馬鹿にし、内側へ 内側へと、妙な団結心を示してしまう古参たち。例えば、音楽界や落語界や映画界。ものすごく心当たりがあります。

そのような常連がはびこる業界は、だいたい斜陽化したり、マイナー化したり。プロレス業界はその典型例で、いわゆる活字プロレスのファンというひねこびた常連たちが、幅を利かしていましたから。いや、ファンだけでなくライターの側も。メガネスーパーという、外部の大手スポンサーがついたSWSは、ターザン山本編集長と週刊プロレス編集部によって、金で動いた連中というレッテルを貼られ、徹底した ネガティブキャンペーンが繰り返されました。実際に金で動いたのは、山本編集長だったのですが。

■平成のデルフィンたち■

新日本プロレスを買収したブシロードは、そういう自分らのような、ひねこびた昭和のオールドファンを思い切って切り捨てることで、V字回復を果たしたのですが。井上義啓週刊ファイト編集長が嫌い、〝平成のデルフィンたち〟と呼んだ新しいファン層が、昭和プロレスのファンと入れ替わり、今のプロレスを支えるファンに。

力道山やアントニオ猪木さんの、情念のプロレスの濃さに、セメントやシュートも含むドロドロとした昭和プロレスに、惹かれた自分ですが。ザ・グレート・サスケ選手の、真剣勝負ですかと聞かれれば真剣勝負と答え、八百長ですかと聞かれれば八百長ですと答える、みちのくプロレスの在り方が、プロレスの多様性だと思うようになった部分もあります。実際、みちプロは一見さんでも楽しめるプロレス。でも、空中殺法は世界レベル。DDTのプロレスとかも、見れば予備知識無しでも楽しいですからね。

こちらの動画も興味深い内容でした。

【焼鳥どん】飲食店がキャッシュレス決済を導入したがらない理由について解説してみました。

https://www.youtube.com/watch?v=ed0sUSM11Oc

■常連はありがたい存在■

でも自分が、お客様を迎える側の立場に立つと、このポジショニングは難しくなりますね。常連は本当に、ありがたいんです。ホリエモンがまだ刑務所に入る前、週刊アスキーでの対談で、起業するならたとえ数万円でも、定期的な収入を確保すべきと、力説していましたが。これは、フリーランスになった時に、定期収入の宛てがなかった自分としては、ものすごく身につまされる話でした。今は、MANZEMI講座という形で、客商売をしている身ですから。

また大学時代は、ボディビル部のキャプテンでしたから、トレーニングジムで熱心な会員とトレーナーが、濃いめの関係になるのは理解できます。チョコザップのようなライトなジムならばともかく、ウエイトトレーニングは肉体の変化に喜びを感じ、長期のトレーニングが必要ですから。かなりロングテールな商売ですから。そうなると勢い、ハードコアな 会員に熱心に指導しがちですから。これが、ニューカマーには壁に感じるのは、仕方がないですね。

MANZEMI講座の場合、期ごとの講義が終われば、そこで受講生とはお別れですから。むしろ ヘビーな層をどうやって繋ぎ止めていくか、というのが課題でしたから。結果的に、受講修了生を対象としたゼミを作り、プロデビューを目指したり、すでにプロの作家の現在進行形の悩みに答える場を設け、こちらの方は長期間の受講生が多く、経営の安定には役立っています。また、本講座の受講生への呼び水として、短期間で安価な単発講座を用意し、広く薄くの層をうまくキャッチできないか、試行錯誤してきました。

そういう意味ではこの研究と動画は、単にスポーツジム や 焼き鳥屋 だけにとどまらず、いろんな分野に応用が効くし、考えるヒントになりますね。


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