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優生思想の無意味さ

◉NHK党も、部分的にはまともなことを言うのですが、こういう部分はほんとダメです。社民党レベルのダメさ。優生思想は、ダーウィンの進化論の肝である適者生存を優勝劣敗と誤解した、共産主義思想並みの間違った考え方です。何が優れているかは、相対的な価値観でしかないですから。文系大学不要論を言う、経団連の雇われ社長レベルに駄目です。

【質の悪い子増やしては駄目 立花氏「納税する子を」】共同通信社

NHK党の立花孝志党首は3日のNHK番組で、少子化問題を巡り「質の悪い子どもを増やしては駄目だ。将来納税してくれる優秀な子どもをたくさん増やしていくことが国力の低下を防ぐ」と述べた。優生思想につながる発言として批判を招く可能性がある。

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、開いたらおすすめで出てきたのでそのまま採用させていただきました。

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■鎌形赤血球と優生思想■

優生思想のダメっぷりは、遺伝子疾患の一つである鎌形赤血球で説明できてしまいます。赤血球は一般的に、中央がへこんだクッションのような形をしていますが。鎌形赤血球というのはこれが三日月形をしており、通常の赤血球の半分以下の大きさしかありません。赤血球自体が小さいのですから、この特徴を持つ人は酸素運搬能力が平均的な人よりも低く、疲れやすい傾向があります。

これを劣った形質であると断定してしまうと、問題が起きます。確かに持久力という面では平均値より劣っているかもしれませんが、マラリアに罹患しにくいという特徴も持っています。つまり、気候が高温多湿でマラリアが風土病になっている熱帯地方では、この形質は生き残るのに有利ということになります。何を持って優れているか、なんてのはこのように相対的な価値でしかありません。

■日本を滅ぼしかけたエリート■

例えば遺伝的にも、発達障害の子供が生まれてくる可能性は常に一定数あるわけで。現在の価値観で優秀と思われている人間であっても、子供が優秀であるかといえばその確率は高くても、絶対ではありません。でも優秀なカップルから子供をたくさん作ってもらって、低学歴のバカップルはガキを作るのという考えは、根強くありますね。

記憶力に関しては、確かに親の能力が遺伝する可能性は高いのですが。暗記能力が高いだけの人間が評価された結果、戦前の日本は東大よりも難しいと言われた陸軍士官学校や海軍兵学校出のエリートが、国が滅びる寸前まで追い込んでしまったのは、皆さんご存知の通り。能力というのは状況や場面によっていくらでも要求されるものは変化しますから、優生思想などというのは薄っぺらな思想でしかないわけです。

■優生思想と共産主義■

ダーウィンの進化論はあくまでも、適者生存であって。優れているとか劣っているということを言ってるわけではないわけです。環境に適応すたものが生き残る。ところが、ダーウィンとほぼ同時代人のカール・マルクスは、これを優れたものが勝ち残る、と誤解したわけで。そこから、疑似科学でしかない共産主義思想が生まれたわけです。

しかもそれは、ユダヤ・キリスト教の千年王国思想を焼き直した、宗教でもありました。千年王国思想とは、最後の審判で異教徒が皆殺しになり、ユダヤ教徒だけ・キリスト教徒だけが生き残り、至福千年の神の王国に入れる、という考え方。異教徒のいない神の王国を、共産党一党独裁の世界に置き換えたにが、マルクスの共産主義思想です。

■二卵性双生児の思想■

こうやって見ると、ユダヤ人を過剰に憎悪して殲滅しようとしたナチス政権と、実は類似してるのがわかります。共産主義思想もナチスの優生思想も、同じ欧州のキリスト教文化の上に花開いた、二卵性双生児です。一卵性双生児と違って、見た目は違っているように見えても、その遺伝子は同じです。自分たちの価値観を絶対化し、異物を排除して純粋な集団になりたいという願望。

この思想は、人類の持つダークサイドを刺激するのか、世界中で形を変えて、影響を与えてしまっています。文系の学部なんていらないとか言い出す経団連の雇われ社長なども実は、この考えに間接的に影響を受けているわけです。しかも無自覚に。このような考え方に対して、東洋には荘子の「無用の用」という考え方がありますので。

疑似科学の宗教を「今こそ共産主義を見直そう」などと言う前に、東洋思想の中でも仏教哲学と並んで奥深く、逆説に満ちた荘子の思想の見直しの方が、得るものが大きいでしょう。どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

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