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鹿児島で完全養殖ウナギの試食会

◉鹿児島は、ウナギの養殖が盛んな地域です。自分が子供の頃も、剣道の大会で各地に行くと、ウナギの養殖池がけっこうありました。なにしろ、鰻という名字の一族がいますからね。たしか、お笑い芸人にもなっていたような。そもそも鰻は、マリアナ海溝付近で産卵するとおり、もともとが温かい海の生き物ですから。温かい鹿児島は、養殖の好適地。でもこの養殖は、野生のウナギの稚魚であるシラスウナギを河口付近で捕獲して、それを養殖して大きくする半養殖ですから。卵からかえして大人にして、そこからまた卵を採集する、完全養殖とは違うんですよね。

【「苦労が報われた」完全人工生産ウナギ試食会 鹿児島・新日本科学が2014年から研究】MBCニュース

養殖に使われるウナギの稚魚・シラスウナギは全国的に不漁が続き、課題となっています。そうした中で、卵からウナギまで人の手で育てる「人工生産」に2014年から取り組んできた鹿児島市の新日本科学が、12日、人工生産したウナギの試食会を開きました。

鹿児島市のウナギ店で開かれた試食会で出されたウナギのかば焼き。一見、普通のウナギに見えますが、卵から稚魚のシラスウナギ、そしてウナギに成長するまで全て人の手を介して育てられた「完全人工生産」のウナギです。

https://www.mbc.co.jp/news/article/2022121200061437.html

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、鰻の蒲焼です。

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■2026年に本格商用ベース■

成功した新日本科学はWikipedia先生によれば、東京都中央区明石町に本社を置き、鹿児島県鹿児島市宮之浦町に本店を置く東証プライム上場企業だそうです。今回、完全養殖に成功したのは100匹ほど。まだまだ数は少ないですが、2014年に研究に着手し、2017年には人工海水を循環させるシステムを使い世界初のシラスウナギの生産に成功し、2019年から沖永良部島に拠点を移して研究や飼育を行っていて、ついに完全養殖である程度の数の完全養殖に成功したようです。8年でここまで到達したのはすごいですし、ほぼ2~3年刻みで成果を出していますし。

記事によれば、〈新日本科学は2026年度を目標に、年間10万尾を生産したいとしています。〉とのこと。いやぁ、具体的ですね! 4年後には年間10万匹。現在の日本の鰻の消費量が、年間3億匹で、その内国産ウナギは1億匹なんだそうです。10万匹は、国産うなぎの0.1%になります。いち業者の生産量としては、悪くないですね。全国の養鰻業者に、シラスウナギの供給が安定すれば、一気にウナギ不足が解消されるかもしれませんから。ノウハウの確立などで、10年ぐらいでなんとかなりそうです。

■生産量が増えたら世界へ■

以前も書きましたが、ウナギは多産な魚類。マンボウほどではないですが、メスから100万個から300万個の卵が採れるそうで。それだけ、生存率が低いんでしょうね。成熟した大型の個体だと、場合によっては600万個とか700万個という説もありますが。いずれにしろ、国産の養殖ウナギなら、理論上は100匹もいれば1億個の卵が採れると。つまり大型で成熟した個体なら、20匹もいれば良い。まぁ、生存率もありますから、それでも1000匹もいれば。絶滅の危機から、一気に資源量回復も夢ではないですね。輸入が多いので、国産の伸びしろは大きいですから。

そもそも、お好み焼きと鰻の蒲焼というのは、日本に来た外国人にも人気。つまり、鉄板焼や牛丼、寿司以上に外国でも受ける可能性大。生の寿司より、焼いてるぶん抵抗も少ないでしょうし。ヨーロッパでもウナギは食う文化もありますし。良い醤油と出汁はもちろん、加工技術も必要ですし。ウナギ職人とか、アメリカで一旗揚げることも可能。養殖で、ウナギの供給が潤沢になれば、鰻の蒲焼は世界を制することも可能。自分が期待するのは、むしろそっちですかね。鰻のタレについて、勘違いしている人もいますが。骨や頭部などから出汁を取らないと、あの味わいは出ませんしね。濃口醤油も重要。

■地場産業と反社会的勢力■

鹿児島とか、過疎化が進んでいますが。こういう部分で若い人の商売になればいいですけどね。まぁ、あまり安価になると、それはそれでアジアに養殖の場所が移りそうですが。個人的には、高級なウナギは国産ということで、そこに生き残りの道はあると思うんですよ。ちゃんとしたウナギを食わせる店で食えば、やはり国産ウナギは美味しいです。脂が乗りすぎず、身がしっかりしてて。個人的には、味の濃さで関西風が好きですが。でも、江戸前の鰻の蒲焼も、柔らかさは上ですしね。背開きと腹開きの違いもありますが。

いったん白焼きにする江戸のウナギは、背開きにしないと両端がグズグズになりますし。関西風なら、そこで腹開きでも大丈夫。本来は、腹開きのほうが背骨の処理とか、楽ですしね。鹿児島は食に関しては関西文化圏ですので、自分はそっちが慣れていますけどね。あと、鹿児島では指定暴力団小桜一家の、シノギにウナギの稚魚シラスウナギの密猟があるんですよね。毎年、シラスウナギ漁の頃は、警察に捕まっています。どうも、全国的に暴力団の資金源になっているようなので。ウナギの養殖で暴力団の資金源を断つ、これって大事です。

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